ヒグチビル 2階にショールーム
1 住宅設計にあたっての考え方

 住まいの設計で一番大事にしていることは、丈夫な構造と内部空間のフレキシビリティ(自由度)です。将来の家族の変化に対して自由に対応することができる家づくりを目指しています。
 ビルに使用される重量鉄骨を柱や梁等の骨組みに使用することで、強度 耐震性において地震に強くリビング等の40帖程の広いオープンスペースが容易に確保出来ます。床・壁・屋根は厚さ100ミリのALC版( Auto Claved Light Condrete)〜発砲軽量コンクリート〜で覆うことにより高性能の住空間が得られます。
 ALC版は普通のコンクリートの約1/4の軽さにも関わらず同等の強度があり、断熱性は約10倍になり、遮音性のバランスも良い。また、木材ではないので有毒なガスがでなく、不燃材として優れた耐火性能を持っている。更に一般的に多く使われる工事材料なので大量生産によりローコストであることも特徴です。
 35年前にCM方式で建てた友人I邸の実験住宅以降、180棟の実績になりました。

2 建主へのメッセージ

 現在の生活をすべて忘れて無から出発して下さい・・・新しい家づくりには今までのライフスタイルが邪魔になることが往々にしてあることです。今までの生活よりも新しい住宅と共に新しい生活が始まるのです。
 2〜3年後、もっと先の10年後20年後をイメージして下さい、子供が巣立って夫婦二人だけの生活を送っているかもしれません。生活スタイルがまったく変わっているでしょう。目先のことに囚われず、将来の展望を夢に描く事が大切です。
 私の経験上、家を建てたが後悔するケースを多く見てきました。「家は3回作らなければ満足の行くものが出来ない」とよく言われるように、大抵の建て主が今までのライフスタイルに囚われがちです。住まいの器を固定的に考えずに、自由に可変的に生活は動くものとして私に相談して下さい。きっと満足出来る家づくりのお手伝いが出来ると確信します。

3 自己紹介

 「建築家」と言う言葉を聞いたのは確か中学2年の頃である。高校まで岡山県高梁市の城下町で育った私にとって、美しく心地よいそして耳慣れない響きだった。アサヒグラフで若き建築家、鈴木洵氏の設計による日活スターの宍戸錠邸を見た時の事で、今では安藤忠雄作品等で珍しくなくなったコンクリート打ち放しの上から光を取り入れたトップライトの家だった。こんな家今まで見たこともなかったし、ましてこの町には存在する由もなかった。
 感性豊かな少年にとって建築家という職業が衝撃的で、ただ「カッコイイ!」と思った。これが建築を志した動機である。大学に入ってから住宅作家を志した私は、背伸びしない自分の身の丈にあった家を探そうと思っていた。
 そこで辿り着いたのが「池辺陽の工業化住宅」で住宅を工芸的な芸術作品としてではなく、生活デザインとして現代の技術によって量産化された、性能の良い材料をバランス良く構成してローコスト化を追求する。35年前独立以降「重量鉄骨ALC住宅」が私自身のライフワークとなりました。