「週刊読書人」編集部 西岡晴子様
先ほど自宅にて、書評のご依頼文を落手いたしました。
いくつかの雑誌や新聞で、ときどき書評を頼まれますが、たいていは400字詰の原稿用紙1枚につき1万円か、せいぜい2枚で3万円といった原稿料が珍しくないので、書評という本来は地味でパワーのいる仕事の(私はとくに書評でも、そこに書かれた現場には必ず行くことを信条にしてきました)わりには不当に安いなあ、と感じてきました。
そういうわけで、1枚1万円を切る書評のご依頼の場合、ましてや1300円などという書物の代金にも届かないご依頼については、粗悪原稿乱造元と断じざるをえないので、貴紙がそうでないことを祈るのみですが(これまでの貴紙の書評水準に関する謎≠ヘ、この依頼状に予め印刷された原稿料を拝見して納得がいきましたし、このことはいずれ別の原稿としてどこかに書くことになるでしょう)、お断りしなければなりません。
ご健勝をお祈りいたします。

追伸
ちょっと我慢がならないので、言い添えます。あなたがたの「週刊読書人」は売り物ではないのですか、1部230円、そして年間購読料1万1500円の。
それを、あたながたは、相場の10分の1で書けと平然と仰る。もしあなたがたの読者(消費者)が、「年間購読料を1300円だけ払うから1年間送れ」と言ったら、喜んで受けるのですか。
甘えるんじゃないよ、まったく。

 一九九七年十二月二十五日
日垣 隆

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