佐藤直樹『<責任>のゆくえ』(青弓社、2,400円)


 著者は、異端の刑法学者です。『大人の<責任>、こどもの<責任>』『共同幻想としての刑法』『ぼくたちの犯罪論』(以上、白順社)、『刑法総論』(現代書館)は、みな充分な読み応えがありました。  私の書く「法学っぽい評論」が多少でもおもしろいと思ってくださる方に、お薦めします。実際には、社会学っぽい本です。  上記の中学生に対する質問の回答としてもいずれ触れようと思っていますが、例えば私は犯罪に対して、意図ではなく結果を裁くべきだという見解をもっています。その歴史的根拠は例えばゲルマン法です。そんなことをいちいち書きはしませんが、刑法典の世界史や比較検証を当然に踏まえての結論です。 そのように思想を鍛えていくうえで、とても参考になる著者のお一人ですので、紹介させていただきました。  ついでながらこの著者に、新書で何か書いてもらったら、おもしろい本ができると思います。『現代日本の罪と罰』みたいな。




(「ガッキィファイター」2003年1月27日号に掲載)





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