キャメル・ヤマモト『コツコツ働いても年収300万円 好きな事だけして年 収1000万円』(幻冬舎、 1,200円)&『稼ぐ人、安い人、余る人』(幻冬舎、 1,400円)
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この手のタイトルに拒絶反応を示してしまわれる方もいると思います。だいたい「キャメル・ヤマモト」は外国人ではなく、外務省キャリアを経て人材・組織コンサルタントになった日本人です(本名は山本成一氏)。ガッキィ・ヒダルマみたいな感じか。違うな。
年収300万円といえば、森永卓郎さんも『年収300万円時代を生き抜く経済学給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!』(光文社、1,400円)という新刊を出しておられるので、 どうやら「年収1000万円」と「年収300万円」はマル金とマルビの象徴のようであります。
森永さんは不倫が経済効果をもたらすと言ってきた方で、私もそれには反対しませんが(見栄や愉楽が経済効果を高めるのは理の当然なので)、 年収300 万円ではかっこいいデートはあまりできそうにないし、そのまま結婚して歳を重ねると現実問題として子どもを大学には行かせられないよなあ。
さて、 キャメル・ヤマモト氏の最新刊『コツコツ働いても年収300万円 好きな事だけして年収1000万円』が魅力的なのは、いやらしいタイトルは別として、しかし、おっしゃっていることは、いわゆるWIN-WINの法則といいますか、ともかくかつての二者択一のパラダイムからは自由です。
かつてなら、 「コツコツ働いて年収1000万円 好きな事だけして年収300万円」という選択肢であったはずでした。どっちかをとって、どっちかを捨てる。けれど、 「コツコツ働いても年収300万円 好きな事だけして年収1000万円」なら、そりゃ後者だろ、となりがちです。いや、なるでしょ。
私は、お金がないのに自由に好きなことができる、という言い方は嘘だと体験的に思っているので、わりとスムーズにこの本の読者になれました(短時間で気持ちよく読めた、という意味です)。
簡単に紹介すれば、「好きなことだけして稼ぐ人」とは、
*常に最悪を考え、具体的な「脅威リスト」を念頭においている
*大切な商談はエレベーターの中でする
*準備に時間ばかりかけず、オファーがあったら即興で動ける
*レシピより先に試作品をつくれる
*今やっていることの中から「やりたいこと」を見つけられる
*怒りを手なずける方法を知っている
などなど。
これらは、あたりまえのツボばかりですよね。それに、目の前に二つの選択肢があった場合、二者択一(どっちかの長所短所1セットを選ぶ)ではなく、双方から長所だけをとってくる、という方法論を今後はとれるよう訓練してゆけばいいわけです。
この著者と版元に引っかかるものがあるとしたら、『コツコツ働いても年収 300万円 好きな事だけして年収1000万円』が、 前著『稼ぐ人、安い人、余る人』と、ほとんど内容的に変わらない、むしろ、つまらなくなった、という点くらいでしょうか(ぐさっ)。私は、躊躇なく後者(『稼ぐ人、安い人、余る人』)を推します。
この本でいう「稼ぐ人」の特徴とは――。
1、タレント性をもっている
2、他に依存せず自律している
3、卓越した何かをもっている
4、革新的で輝いている
5、仕事を通じて遊んでいる
この本を読むと、何より元気になれると思います。仮説検証プロセスのことなども、わかりやすく定義づけられており、頭の中もよく整理されるはずです。
ぜひ読んでみてください。損はしないと思います。『コツコツ』のほうは買わなくていいです。
(「ガッキィファイター」2003年6月8日号に掲載)
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