『新ファッションビジネス基礎用語辞典』(チャネラー、3,058円)
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いつか、レファレンス・ブックのリストを作りたいと思っています。今年1 月に開催した「朝までライター・セミナー」の全記録を単行本化するという 「つもり」があり、1冊1,000円程度で「ガッキィファイター」を版元として 頒布したいと考えているわけですが、その中にでも私が常に座右に置いている レファレンス本を200点ほどに絞ってリストアップいたしましょう(か)。
例えば最新の高校教科書『詳説 日本史B』(山川出版社、2004年3月5日 発行)など、定価は確か600円くらいですが、小泉内閣や拉致問題までフォ ローしており、さまざまなエポックやトピックスが何年何月か調べるにも役に 立ちます。日本の政党の変遷図も詳しく載っていて便利です。
この『新ファッションビジネス基礎用語辞典』も、そのような1冊であり、 1976年の初版以来、改定に改定を重ねてまいりました。
ファッションというのは、衣食住の一角を担っており、決してないがしろに すべき分野ではありません。が、実際にはファッションを語れる書き手は、 ファッション・ライター以外にはほとんどいないのが実際です。
その「壁」をつくっている内実の一つが、専門用語の氾濫であります。そん な壁を吹っ飛ばす、とても便利な辞典が本書です。
男性服にはありえないことですが、女性服のネックライン(首まわりの線) には主なものだけで48種もあります。
カラー(襟)の種類という点では男性服も負けてはいません。そのあたりの 詳細が図入りで実に32ページにも亘って解説されています。
歴史的な「スタイル」の変遷も明快であり、例えば紳士服の細かな名称も、 すべてわかります。
私はブレザーを作ってもらう際、たいてい「ノーベンツ」にしますが、 ちょっと太り気味の方は「サイドベンツ」にしたほうが無難でしょう。あるい は15年ほど前からパンツは「2タック」(ズボンの前ひだ=フロント・タック の数)が主流になりましたが、最近の若者は「ノータック」に戻りつつありま す。
およそ言葉というものは、業界用語の一部が世間に受け入れられたときに普 及する、という道程を辿るものです。逆に言えば、専門用語とは、未だ一般に は受け入れられていない業界内部の便利な言葉、ということになります。
お店でこのようなディテールを振り回すのはちょっとしたお莫迦さんですが、 このような辞典をレファレンス・ブックに加えるだけで、言葉の世界が広がる ことは間違いありません。
イラストを眺めるだけでも、勉強になります。布地にも強くなります。素材 を知らないと、「安物買いの銭失い」になりかねません。
(「ガッキィファイター」2004年4月18日号に掲載)
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