畑村洋太郎『創造学のすすめ』(講談社、1500円)
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対談集『いのちを守る安全学』(新潮社)にご登場いただいた畑村氏の新刊 です。
ほぼ同時に『失敗に学ぶものづくり』(講談社、1,800円)も出ました。工 学の世界が大好きな私としては、こちらのほうを推薦したいのですが、『創造 学のすすめ』の次の一節には、思わず唸ってしまいましたので、ご紹介してお きます。
《「わかる」パターンには三つあります。それは「要素の合致」「構造の合 致」「新たなテンプレートの構築」です》(P60)
これは、すごい定義です。さっぱりわからん、という方は無視してください。 「さっぱりわからん」というのは、要素が合致しないか、構造が合致しないか、 新たなテンプレートがない、ということになります。
《観察をきちんとしていない人は、はじめて出合う現象を見ても気がつかない か、もしくは「ああ、これは○○と同じことだな」と簡単に決めつけて理解し た気になってしまいます。一方、ふだんからよく観察している人は、そこで 「この現象はいままでと違う。一体この違いは何だろう?」と疑問に思って考 え始めるのです。
このような意識でいることで、その人ははじめて出合った現象に学び、自分 の中にそれに合うテンプレートがない場合には、新たなテンプレートを構築し てその現象の要素や構造を自分の中に取り込むことができます。このようにし てテンプレートの数を頭の中に増やすことが、そのままその人の理解力アップ につながるのです》(P62)
おいしい料理を食べても、それに対応するテンプレートができていない人に は作り方などさっぱりわからない。碁をよく知らない人には、画期的な布石も 見えません。
この「新たなテンプレート」を獲得しつつ、これまでになかったものをつく りだすには、「アウトプット型創造法」の出番です(P157以下)。
あまり詳しく紹介すると営業妨害になりますので、ここからは本書にあたっ てください。
とにかく私は、「わかる」の定義に感動してしまったわけです。大脳神経学 の最新知見にもかなっています。
(「ガッキィファイター」2003年12月23日号に掲載) |
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