唐津一氏(1919年〜):逓信省電気試験所勤務を経て、1948年、日本電信電話
公社(現・NTT)入社。61年、松下通信工業に移り、企画部長、情報システム部
長などを経て、71年に取締役、78年に常務、84年から松下電器産業技術顧問。
86年より東海大学開発技術研究所教授。90〜93年、東海大学福岡短期大学初代
学長を兼任。94年より電通顧問、02年から東京都参与。著書に『儲かるように
すれば儲かる』『デフレ繁営論』『コンセプト・エンジニアリング革命』『産
業空洞化幻想論』『QCからの発想』『TQC日本の知恵』『説得の法則』などが
ある。
下記の引用はすべて『ビジネス難問の解き方』(PHP新書)によった。
《予想が覆れば、その後の行動も変わらざるをえない。ある人間に新しい情報
を伝えたことで、それ以後の行動がどのくらい変わっていくか。〔中略〕情報
量とは驚きの大きさだといっていい。》(P69)
《渥美〔和彦=人工臓器で著名な東京大学名誉教授〕氏は「問題を発見する能
力」の高い人ほどボケないと指摘する。
「人間、やっぱり心配しなきゃだめだね。いろいろと心配して問題を発見する
ほど、それを解決しようという気力も湧いてくる。それが長生きの秘訣だよ」
と教えてくれた。〔中略〕
人間の脳の働きは「心配する」ことによって活性化されるわけである。以前、
私はこのことを松下幸之助さんにお話ししたことがある。すると"商売の神様"
はこう言われた。
「さよか。それなら、皆がわしを長生きさせてくれるわ」
これは冗談でもなければ、皮肉でもない。大まじめなのである。》(P78)
《経済担当のベテラン記者がやって来て、日本の経済はこれからどうなるかと、
私に質問したのである。そこで、私は資料を渡しながら、現在こうだからこう
なるよという話をした。すると、どういうわけか、その記者には私の話がすべ
て新鮮に響いたらしい。というよりも、知らなかったことばかりだという。相
手はベテランの経済記者である。これはいったいどういうことか。どうやらそ
の人の頭のなかにある日本経済の姿というのは、日々マスコミを賑わすニュー
スだけで構成されていたようだ。》(同書P181〜P182)
《問題解決の本質とは何か――外交・軍事はもとより、企業経営から職場や家
庭内のトラブルにいたるまで、すべて相手や条件のあることで、自分の思い通
りにはならないのが常だということである。》(P18)
《問題解決はつねに現実との闘いである。状況の変化を読み、最適のタイミン
グで繰り出すことだ。現場現物主義だけが成功の手段である。》(P204)
《問題解決とは、常識や道徳の規範では単純に白黒つけられない、なまなまし
い現実との闘いにほかならない。それこそ、生き残りをかけた食うか食われる
かという場面になれば、白黒をつけるどころか、黒も白といいくるめるぐらい
の手練手管が必要になってくる。〔中略〕
肝心なのは、問題の背景に利害対立がある以上、その対立を避けていては問
題解決ははじまらない、ということである。》(P19〜P23)
(「ガッキィファイター」2005年11月1日号に掲載) |
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