第9話 故郷の味は変わらない
故郷の味は変わらない
九州に移り住んで醤油の甘さには驚きました。妻と寿司を食べに行って、ねたがやけに甘いことに気がつきました。「あれ?甘いな?はまちってこんなに甘かったっけ?」と私。「魚が甘いわけないじゃない?甘いのはこの醤油よ。」と妻。そうです。甘いのは醤油が甘いせいなのです。北海道で育ち東京近郊で長い間暮らした私にはこの醤油の甘さは理解できませんでした。なにせ刺身とか寿司ネタの味が変わってしまいます。所かわれば品変わると言うけれどこれだけはなじめないですね。御寿司屋さんには、1人前分ずつパックになっている醤油を持参する私です。
スーパーに関東の味の醤油を買いに行ったときです。キッコーマンの醤油を探しました。ありましたよ。でも九州限定甘口醤油って書いてあるんですね。九州では甘口でないと売れないんでしょうね。もちろん私はこの醤油は遠慮して「特撰」という関東系の醤油を買いました。
納豆のパックについているタレがありますが、あれを使って納豆を用意したのです。なんと納豆が甘いんです。これじゃ甘納豆じゃないか?と叫んでしまいました。甘ければいいと言ったって納豆の甘いのはなじめないですね。甘納豆は食べる気がせずそのまま捨てましたね(笑)
官庁で食品の分析をしている方から聞いた話ですが、宮崎県県南のある醤油メーカーでは醤油にサッカリン(甘味料)を入れているそうです。そこまでして甘くしないと売れないの?と思いましたね。九州でも延岡のあたりの醤油はそれほど甘くないと効いたことがあります。熊本や日南の方はもっともっと甘いといいますから、どれほど甘いものか?私には想像もつきません(笑)
醤油が甘いので醤油で味付けしたお料理はみ〜〜〜んな甘くなります。うどんの味付けは薄口醤油で関西風の色をしていましたからこれは甘くないかも?と思いましたが、そんなことありません。うどんの味はしっかり(笑)甘いですね。また生け造りをしたあとの魚を使ってつくるあら煮ですが、あれが実に甘い。最初に食べたときは砂糖を入れているのでは?と思いましたが、どうも砂糖は使っていないみたいですね。すべて甘い醤油から来ているのですね。
九州の味は甘さが最大の特徴でしょう。それは恐らく味付けのベースとなる醤油が甘いからでしょう。この味になじめるか?なじめないか?はやはり生まれ育った土地の味で決まっているのではないか?と私は思います。私自身は北海道で生まれ育ったので味付けは関東系の醤油でした。うどんやそばはそこが見えないほど黒い色をした醤油味でした。それが私の味の原点であってそれ以外の味はなかなか受け付けないというかなじめないですね。
(2004年1月)