『総合学習の実践ワークショップ』大隅紀和・大隅拓哉著・黎明書房 ★
校務のために斜め読み。面白くないが,参考になる部分もあった。持っていて損はしない著作だと思う。
『現象学の思想』木田元著・ちくま学芸文庫 ★★★
私には参考になったが,一般の教師が読む本ではない。今回の学びは,フッサールがブレンターノの正統的な弟子ではなかったとい
うこと。現象学関係の本はずいぶん読んだが,初めて知った。
『日本人材論〜指導者の条件』会田雄次著・講談社 ★★★★★
会田雄次は,言わずと知れた『アーロン収容所』の著者だ。『アーロン収容所』での体験をもとに,指導者の条件を三つに整理。その
特性と必要とされる時代層を語っている著作。昭和51年の本だ。BOOK OFFで100円で買った。すばらしい本だ。改めて会田雄次
の先見性に驚いている。この本で語られている近未来は,すべて現代の状況にあてはまっていると言って過言ではない。
『人師は遭い難し』森繁久彌著・新潮社版 ★★★★★
昭和57年に「新潮45」に連載されていたらしい。人間の現実社会を見る目はこうありたいと思わせてくれた名著である。ただ,私は
もともと森繁が大好きであり,あまり一般の人達には参考にはならないかもしれない。
『テロルの現象学 観念批判論序説』笠井潔著・ちくま学芸文庫 ★★★★★
「1 自己観念」「2 共同観念」「3.集合観念」「4.党派観念」の4部12章からなる本書は,学生時代から私が学究全体のテキスト
としている書である。何ともなく文庫本を買って,地下鉄で読み始めたら,あまりに自己に食い込んでくる力強さに一気に読んでしまっ
た。学生時代に読み取れなかった観念批判の論述が,今回読み直して実感的に捉えられる……そんな内容が多々あった。笠井潔の
小説は大したことないが,評論は超一級品である。
『総合学習に生きる国語科練習単元・小学校編』鶴田清司・松本修編著・明治図書 ★★
やはり小学校の実践を読むと,どうしても言語教育としての甘さが目についてしまう。鶴田先生や松本先生の実践へのコメントも,褒
めすぎの感がある。
『学力低下論とゆとり教育 どちらが“出来ない子”に心痛める教育か』中野重人著・明治図書 ★
つまらない。ありきたりの論述のオンパレード。この人は頭悪いんじゃないだろうか。
『授業で鍛える』野口芳宏著・明治図書教育新書 ★★★★
原稿執筆のため,再読。野口技術を紹介する原稿を頼まれたのだが,自作でこれだけ明快に語っているのだから,私なんぞに紹介
させないでこの本や「国語教室の活性化・小学校編」を読んだ方がずっと良いのにな……と感じた。
『「発信型の読みの授業』を提案する』市毛勝雄編著・明治図書 ★★
どうも私には「感想型」「描写型」「要約型」「構成型」は「発信型の読みの授業」ではないような感じがする。これまで行われてきた読
解の授業とどう明確な違いがあるのか……いまいちつかめない。
『国語力を育てる言語技術教育入門』市毛勝雄著・明治図書 ★★★
上の『「発信型の読みの授業」を提案する』もそうだが,市毛氏にしては珍しい「手抜き本」のような気がしてならない。あまり提案性の
ある本とは言えない感じがする。まあ,「入門」とうたっているのだから仕方ないか……。
『決定版! 話す技術』福田健著・PHP ★★★★
「話し方技術」の本としてはずいぶんと充実しているビジネス書だ。「ことのは」メンバーにも勧めようと思う。おそらくBOOK OFFあた
りで100円で手に入るタイプの本だと思う。定価で買っても1143(+税)円の本だ。〈インタビュー・スキル〉の前書き部分の執筆でず
いぶんと使わせてもらった。
『会話の達人は質問がうまい』福田健著・経済界出版 ★★★★★
これは音声言語の技術を体系化するのに必須の本だ。ビジネス書の中では一番だと思う。目次を見ただけで魅力がわかるので,皆
さんも是非買って読んでみてください。
『高橋和巳作品論─自己否定の思想─』伊藤益著・北樹出版 ★★★★★
久し振りに充実した高橋和巳論を読んだ。一遍一遍の作品を丹念に紡いだなかなかの作品論である。高橋和巳は私の中で三島と同
じくらいの位置を占める作家だ。右の三島,左の高橋である。いつか私も,三島由起夫論と高橋和巳論だけは書きたいと考えている。
早く高橋和巳全集も買わなくちゃ……と考えて,もう12年が過ぎている。「作品集」は持っているのだが……。