『諸葛孔明 上・下』陳舜臣作・中公文庫 ★★★★★
かなり面白く読んだ。諸葛孔明を描いた物語は,実はこれまで横山光輝の『三国志』と吉川英治の『三国志』しか読んだことがなか
った。少し孔明に対する作者の解釈の違いを比較してみたくなった。しかし,そうは思ってもそんな時間はないのだろうなぁ。
『諸葛孔明の兵法』高畠穣著・三笠書房 ★★★★
かなり整理されていて面白い。ビジネス書ではあるが,いわゆるビジネスエピソードはなく,読み物としてずいぶん興味深い。これは
私のような初心者にはもってこいの本だった。
『心理戦に勝つ 孫子の兵法入門』高畠穣著・日文新書(日本文芸社) ★★★★★
これは上の『諸葛孔明の兵法』とは異なり,かなりビジネスを意識して書かれた本だ。孫子についてはほとんど知らなかったので,
けっこう勉強になった。孔明との違いは道徳性をどれだけ重視したかにあるようだ。もう少し孫子を追ってみようと思う。
『お笑いに学ぶ教育技術』上條晴夫編著・学事出版 ★
この本からの追試原稿を依頼されていたので,さっと目を通した。どうも僕には向かない実践ばかりだ。池田修さんの実践には学ぶ
べきものがあったが,それでも追試して原稿を書きたいとは思わない。断ることにしようと思う。
『論理力を鍛えるトレーニングブック』渡辺パコ著・かんき出版 ★★★★
野矢茂樹の「論理トレーニング」に比べると全然……という本ではあるが,論述はわかりやすいものが並んでいる。載っている事例
を簡略化すればかなりの教材が開発できるだろう。少なくとも,野矢さんの本よりは教材化がやさしそうだ。学習ゲームの教材化の
参考として考えていきたい。
『化石』井上靖・角川文庫 ★★
「近代文学特論U」のために仕方なく読み始めた本だったが,けっこう面白く読んだ。ストーリー自体に面白さはないのだが,井上靖
がなぜ文壇で評価を受けないのかがなんとなくわかった気がした。おそらくこの作品は,戦後派作家への皮肉を込めて書かれた作品
なのだろうと思う。癌と死いうテーマを正面から取り上げたにしては軽すぎる。やはり僕も井上靖作品をこれからも読んでいきたいとは
とても思えなかった。
『漢詩入門』一海知義・岩波ジュニア新書 ★★★
自分に漢詩の素養がまったくないことを後藤先生に話すと,「まずはこれから……」とこの本を薦められた。中国の壮大な歴史を改め
て感じさせてくれた本である。これはいい本だ。岩波ジュニアだからと言って,馬鹿にしたものではない。僕にとっては知らないことばか
りだった。中学教師は全員読むべき本だと思う。
『授業が変わる』J・T・ブルーアー著・松田文子・森敏昭訳・北大路書房 ★★★★
『心理学者 教科教育を語る』新しい教育心理学の会著・北大路書房 ★★★★
『グラフィック認知心理学』森敏昭・井上毅・松井孝雄著・サイエンス社 ★★★★★
『文章理解の心理学』大村彰道監修・秋田喜代美・久野雅樹編集・北大路書房 ★★★★★
『読書の発達心理学』秋田喜代美著・国土社 ★★★
すべて「教育心理学特論U」のために読んだ本だ。「文章理解の心理学」はお勧めである。国語教師にとってはかなり大きな示唆と
なる。また,「グラフィック認知心理学」は「研究集団ことのは」全員に買わせようと思う。こんなにもわかりやすく整っている「認知」の入
門書はそうそうあるものではないだろう。いずれにせよ,どっぷりつからない程度には「認知」の素養はもっているべきだと思う。
『堀辰雄試解』西原千博著・蒼丘書林 ★★★
堀辰雄についてまともに考えたことのない僕には,ずいぶんと面白く読めた。しかし,こうした記号学的な読み方をしたテクスト論は,
近代文学の研究者の世界ではなかなか評価を得られないだろうな……と思う。表面的で軽い印象を与えるからだ。しかし,義務教育
の国語教師ならばこういった読み方は必要だろうと思うし,こういった読み方程度で十分なのだと思う。
『実践国語教育体系 別巻2 戦後国語教育史(上)』教育出版センター ★★★
「国語科教育学特論U」のために繙いた本である。この本はずいぶんと資料が豊富だった。家にあって良かったなと思う。
『国語教育基本論文集成6 国語科教育課程論(2)学習指導要領の成立・推移』明治図書 ★★
これも「国語科教育学特論U」用の読書である。大学院に行って,こういった本が自宅にあることが大変助かっている。しかし,この
編集はあまりにも表面的過ぎないか。ちょっと不満だ。
『戦後国語教育リーダーの功罪』須田実著・明治図書 ★★
どうも須田さんの論述というのは表面的でいやだ。この程度のことなら誰でも書ける……ちょっと言い過ぎか。
『国語教育方法論史』飛田多喜雄著・明治図書 ★★★
「単元学習」の概略を知るためにはずいぶんと役立った。やはり,戦後の国語教育理論を調べるときには,この本から出発するのが
いいと改めて思った。
『文学教育基本論文集成(1)』西郷竹彦・浜本純逸・足立悦男編・明治図書 ★★★★★
文学教育に限られてしまうが,この本はいい本だ。「単元学習」について調べていても,飛田・滑川・増淵・野地といった面々が,文
学教育をどのように考えていたのかを知ることができる。ただし,この本を開くと,どうしても竹内好を読んでしまう。
『言語生活者を育てる』桑原隆著・東洋館出版 ★★★★
桑原隆がホールランゲージ論の実践化について述べた本。教材研究の在り方を主に述べているのだが,参考になる論述が多い。
『国語科新単元学習論』浜本純逸著・明治図書 ★★★
経験主義下の単元学習をじっくり調べた後に読んだので,浜本純逸の言うことがスッと頭に入ってくる。しかし,実際に実践化して機
能させ得る理論だとはやはり思えなかった。何といってもやはり時間がかかるということが大きい。
『ことばの学び手を育てる国語科単元学習の新展開T 理論編』日本国語教育学会著・東洋館出版 ★★★★
今回のレジュメ作成で最も役立った本だ。この本に収められている田近洵一の論文は秀逸。言語機能と単元学習の今日的課題が
よくわかる論述となっている。
『不能化する教師たち 教育技術・法則化症候群』岡崎勝・土井峻介・山本鉄幹著・風媒社 ★★
面白さという点では,これほど面白い本はそうそうない。イメージしていたよりは論述も確かである。前々から気になっていたのだが,
新刊で買おうとは思わず放っておいた。BOOK OFFに100円であったので買って読んでみた。4月最終週のトイレのお供だった。