2002年8月の読書    BACK   7月へ  9月へ


『人の気持ちが読める人読めない人』山形琢也著・三笠書房 ★★
 よくある一般的なおじさんの戯言だが,エピソードで語ると言うことが徹底されている著者で,スピーチネタとして使えそうなものが
いくつかあった。まあ,BOOK OFFで100円で買った本だから,何の不満もない。

『発想練習』高桑哲男著・中西出版 ★★★★
 授業のネタに活かそうと思い,再読。斜め読みしかしなかった前回とは違い,かなりじっくりと読んだ。興味深い論述が多かった。

『「授業崩壊」に教師はどう対応すべきか』井上正明著・明治図書 ★
 トイレのお供。学者の論述という雰囲気。ただし「人格支援システム」という発想は傾聴に値する。

『本当の学力をつける本』陰山英男著・文芸春秋 ★★★
 言ってることはよくわかるし,基本姿勢は賛成だ。面白い本ではあった。良い意味でも悪い意味でも原稿を書く上で引用するネタが
増えた。こういう本は貴重だ。

『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』宮崎駿著・ROCKIN’ON ★★★★
 「創造」的思考の外堀的なネタになるだろう。とにかく面白い本だった。

『日の丸』諏訪哲二作・JICC ★★★★
『イロニーとしての戦後教育』諏訪哲二著・白順社 ★★★★★
『反動的!学校,この民主主義パラダイス』諏訪哲二著・JICC ★★★★★
 『日の丸』は『文学部唯野教授』の高校版・社会思想版のパロディ小説。現場人としては抱腹絶倒。『イロニーとして…』『反動的!』
はずっと欲しいと思っていて手に入らなかった本。1980年代にこういう論述をして売れていたという事実に驚いた。3冊とも薫風書林
で見つけてすぐに買った。感動した。諏訪哲二はいつか呼んで直接話を聞いてみたい人だ。

『「心の専門家」はいらない』小沢牧子著・洋泉社新書 ★★★★★
 我々教育に携わる者が陥りがちな思考の在り方を批判的に提起している。専門外の人が書いた本と違い,ある程度の説得力はあ
る。ただし,教育の問題に特化し過ぎている感はある。

『心でっかちな日本人 集団主義文化という幻想』山岸俊男著・日本経済新聞社 ★★★★★
 これはすごい本だ。すべての日本人に読ませたい。そしてすべての教師に読ませたい。そういう本だ。主張は書名のとおり。しかも
かなり整理されている。必読!

『それから』夏目漱石作。ちくま文庫全集5
『悲の器』高橋和巳作・新潮文庫
『左翼がサヨクになるとき ある時代の精神史』磯田光一著・集英社
『夢十夜』夏目漱石作・集英社文庫
『風姿花伝』世阿弥著・岩波文庫
『近代日本文学史』三好行雄編・有斐閣双書
『文学論』夏目漱石著・「漱石全集 第九巻」岩波書店
『高橋和巳作品集8 エッセイ集2』河出書房新社
『自我同一性』E・H・エリクソン著/小此木啓吾訳編・誠信書房
『陽明学十講』安岡正篤著・明徳出版社
『太陽と鐵』三島由紀夫著・「三島由紀夫全集32」新潮社
『漱石を書く』島田雅彦著・岩波新書
『語りの近代』藤森清著・有精堂
『世紀末の予言者・夏目漱石』小森陽一著・講談社
『〈男の恋〉の文学史』小谷野敦著・朝日選書
『現象学入門』竹田青嗣著・NHKブックス
『現象学ことはじめ』山口一郎著・日本評論社
『漱石研究』第8号「夢十夜」/第10号「それから」・翰林書房
『夏目漱石─「夢十夜」論ほか』笹淵友一著・明治書院
『漱石のリアル』若林幹夫著・紀伊國屋書店
『私論夏目漱石』安東璋二著・おうふう
『漱石─「夢十夜」以後』仲秀和・和泉書院
『夏目漱石事典』三好行雄編・「別冊国文學No.39」・學燈社
『国文學第39巻第2号 夏目漱石の全小説を読む』學燈社
『国文學第44巻第9号 島田雅彦のポリティック』學燈社

 以上,「近代文学特論V」のレポートのために1週間程度の間で目を通した書物。結局,レポートは未完のまま提出。これを修論にし
たいとさえ思い始めている。やはり自分は教育研究よりも文学研究の方が夢中になれる気質をもっているなぁと改めて実感した。

『子どものセックスが危ない』赤枝恒雄著・WAVE出版 ★★★
 六本木の産婦人科医としてのエピソードを基軸とした語りには迫力と説得力がある。それなのに,どこか縁遠く感じられる。この距離
感の所以を僕は明らかにしなければならないと強く感じた。

『「田中真紀子」研究』立花隆著・文藝春秋 ★★★
 「田中角栄研究」の著者による,出るべくして出た本という印象。徹夜して夢中になって読んだ。これかにこの文明論を立花隆がどう
発展させていくのか楽しみだ。