Books/2008.09〜12


いじめの構造
森口朗/新潮新書
★★★★★


「授業づくりネットワーク2009in函館」の「いじめ」講座のために再読。ここで言われていたことを現場的にずいぶんと整理できた。これから一つのコンテンツとして発言していけそうである。


友だち地獄
「空気を読む」世代のサバイバル
土井隆義/ちくま新書
★★★★★

これも「いじめ」講座のために再読。こちらもずいぶんと整理が進んできた。「いじめの構造」とともに、学級経営論として提案していく目処ができてきた。


アキバ通り魔事件を
どう読むか

洋泉社MOOK
★★★

ちょっと必要があって読んだのだが、事件直後の発言の雰囲気がわかって良かった。


アキハバラ発
〈00年代〉への問い
大澤真幸・編/岩波書店
★★★

土井隆義のエッセイがとても良かった。参考になった。アキバ通り魔事件は若い世代にショックを与えたという意味では、エポックであったようだ。


悩む力
姜尚中/集英社文庫


ベストセラーだと言うから読んでみた。この人、情緒的な文章はダメですね。


プロ野球の一流たち
二宮清純/講談社現代新書
★★★

二宮清純は相変わらず文章がうまい。久し振りに一気に読んだ。しかし、頁を折ったのはなし。おもしろいけど、ためにはならぬ。残念。


ドキュメント死刑囚
篠田博之/ちくま新書
★★★

「創」の編集長が約10年にわたる宮崎勤とのやりとりを中心に死刑制度の在り方について問題提起した本。なかなか現場的な発想がおもしろかった。


サブカル・ニッポンの
新自由主義
既得権批判が若者を追い込む

鈴木謙介/ちくま新書
★★★★★


久し振りに自分にない視点の連続、自分が模糊として抱いていた印象の構造化・言語化をがんがんくれた本。教育関係者には是非とも読んで欲しい。


街場の教育論
内田樹/ミシマ社
★★★

言っていることはよくわかるし、相変わらず文章もうまいのだが、ちょっとワンパターンが過ぎるのではないか。読んでいて退屈した。


「三国志」軍師34選
渡邉義浩/PHP文庫
★★★


十勝で読む本がなくなり、コンビニで買った本。読み始めるとなかなか興味深いエピソードが満載。まあ、僕が三国志の人物像に明るくないことが要因で、詳しい人には意味のない本なのかもしれない。派閥というものを改めて考えさせられた。


動物化する世界の中で
全共闘以降の日本、
ポストモダン以降の批評

東浩紀/笠井潔
集英社新書
★★★★


2003年というからけっこう古い本。9.11の直後から約1年間にわたってWEB上で行われた往復書簡である。当時の新進東浩紀の対談相手に笠井潔を選んでいるあたり、編集者のセンスの良さが感じられる。「テロルの現象学」を読み直してみたいという気になった。


誰でもいいから
殺したかった!

追い詰められた
青少年の心理

碓井真史/ベスト新書
★★★★


秋葉原事件から2ヶ月程度でよくこの本を書いたなと驚いた。おそらく著者にとって、あの事件は予測される事件だったのだろう。これまでの通り魔殺人との共通性が理路整然と述べられている。ベストセラーズもバカにできないな、というのが感想。けっこう知らないことが多くあった。特に加藤の弟の手記を僕は知らなかったので、大変驚かされた。著者の言い分がすべて正しいとも思わないが、男の子をもつ親は目を通すべきかもしれない。親の迷いが的確に述べられている。


上達の法則
効率のよい努力を科学する

岡本浩一/PHP新書
★★

何か参考になる指摘はないかと最後まで読んでみたが、どうもピンと来る内容がなかった。言っていることはわかるし、その通りだとも思うのだが、あまりにも「あたりまえのこと」が並んでいるという印象。


攻撃と暴力
なぜ人は傷つけるのか

大渕憲一
丸善ライブラリー
★★★★★

久し振りに分析のきちんとしたいい新書を読んだ。平成12年の本というから2000年に出ていたということだ。なぜいままで僕のアンテナに引っかかって来なかったのか不思議に思うとともに、自分もまだまだだなあと思わされた。ただテニオハの間違いや脱字が多くて、ちょっと閉口した。著者の責任というよりも編集者の責任だろう。おすすめ。


ブログ論壇の誕生
佐々木俊尚/文春新書


うーん…。内容薄いかな。他人に対する批判の仕方が僕の感性に合わない。


日本教徒
イザヤ・ベンダサン
角川oneテーマ21
★★★

いやはや、久しぶりに自分の教養のなさを実感させてくれた本。8割は理解できなかった。もちろん表層的にはわかるのだが、前提となっている背景がわからないので、間違いなく理解は2割以下。それでも山本七平だからと読み通した。考え方については大きな収穫あり。


組織を変える「仕掛け」
正解なき時代の
リーダーシップとは

高間邦男/光文社新書
★★★

これまたコーチングの専門家の本。しかもビジネス業界。書いてあることはマンネリと言えばマンネリ。しかし、文章には読ませるものがあり、しかも時代の変容の捉え方がシンプルでいい。「ああ、こういうふうに整理すればわかりやすい」という発見が何度かあった。職員室の組織論にもそのまま生かせそうな論述も多々あり。ただし、読み返す機会はないだろうと思う。並の良書。


リアルのゆくえ
おたく/オタクはどう生きるか

大塚英志+東浩紀
講談社現代新書
★★★★

amazonのレビューを読むと評判が悪いようだが、僕にはとてもおもしろかった。たぶん僕が、大塚と東のちょうど中間に位置する世代だからだと思う。自分の中で矛盾している二つのベクトルがこの本の中で論争している、そんな気分だった。内容的には論争というよりは両者がいらだって喧嘩しているといった趣。それでも「いま、公的であること」とは何なのかということを考えさせてくれる内容ではあった。ビックネーム二人の対談としては、一般的には期待はずれなのだろうと思う。


オタクはすでに
死んでいる

岡田斗司夫/新潮新書
★★★

オタクの変遷を題材に、この30年間にわたる日本人のメンタリティの変容を論じた本。細かな部分が検討されておらず、表層的との批判も出そうだが、僕の実感からも概ねこのような変容は見られると思う。すぐに読めるので、一読の価値はあると思う。


「伝統」とは何か
大塚英志/ちくま新書
★★★

柳田国男・折口信夫・小泉八雲らの書き残した資料を詳細に分析して、現在、我々が「伝統」と信じて疑わないテーゼに対して、近代以降に政治的につくられたものであることを暴いていく著作。民俗学の成立とからめて論じられていて、たいへんおもしろかった。2学期の朝の読書がこの本からはじまった。


安心のファシズム
斉藤貴男/岩波新書
★★★


イラク人質事件・自動改札機・監視カメラ等を題材にして、現代日本人に巣くう「管理されることによって安心する」というメンタリティについて批判的に論述する。斉藤貴男らしいアプローチがこれでもかと展開される。一読の価値あり。


考えないヒト
ケータイ依存で退化した日本人

正高信男/中公新書
★★★

名著「ケータイを持ったサル」の続編。今回は「出あるく」「キレる」「ネット依存」など。サルを研究対象とした比較行動学を専門とする著者。あやしい説も多々あるものの、なぜか納得、抱腹絶倒。自分の専門によってこれだけおもしろい分析ができるというのは、うらやましいかぎり。


グーグル・
アマゾン化する社会

森健/光文社新書
★★★

2年前に出た本だが、やっと積ん読から取り出して読了。2年前ゆえの新しさという側面もあるけれど、確かに現在も世の中はこの流れの中にある。そろそろ学校教育も発想としてオープン・ソースを考えなくては立ちゆかないのかもしれない。一人のに何軒や数人のチームがいくら勉強したところで間に合わないのだから。


なぜトヨタは
人を育てるのが
うまいのか

若松義人/PHP新書
★★
これと言って収穫はなかったが、決して悪い内容ではない。現在組織の在り方についてさかんに言われているコーチングやファシリテーションの発想を筆者の体験から述べている、といった趣。ただ僕にとっては目を見開かれるような、新鮮な情報には乏しかった。