2000.12.17より

アポトーシス(計画細胞死)


正常細胞は成熟し分化すると、計画的に細胞を死亡させ、また新しい細胞が発生する。このように、生理条件下で細胞自らが積極的にひき起こす細胞の死を計画的細胞死(programmed cell death)、またはアポトーシス(apoptosis)と呼ぶ。形態学的な違いから細胞死はアポトーシスとネクローシス(壊死)に分類される。アポトーシスの形態は細胞核の染色体凝集、細胞核の断片化、細胞表面微絨毛の消失、細胞質の凝集を特徴としている。細胞は萎縮し、細胞の内容物が細胞外に放出されることなく周囲の細胞に速やかに取り込まれて処理されるので、炎症がひき起こされず、周囲の細胞に影響を与えない。一方、物理的、化学的組織阻害によって惹起される壊死は細胞膜の変性、細胞膨張と細胞崩壊によって、細胞の内容が放出され、炎症をひき起す点がアポトーシスと根本的に異なる。基本的に正常細胞はこのような自殺する能力を備えているが、がん細胞は自殺プログラム発現機能がうまく動かなく、アポトーシスを阻害するため、がん細胞は生存し続ける。がん細胞にアポトーシスを誘導できる物質は、有力な抗がん剤候補物質と考えられる。



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