
2000.12.17より
底面すべり(basal sliding (of glacier))
氷河や氷床が基盤の上を滑る現象.氷河底部の氷が圧力融解点に達しているときに顕著であるが,氷が基盤に凍結しているときは起こらない.底面すべりの機構としては,大別すると,基盤の小さな凹凸周辺の氷の局所的な塑性変形よるものと,復氷によるものとが考えられている.凹凸のスケールがセンチメートルのオーダーより大きいときは前者の機構が,それより小さいときは後者の機構が卓越する.氷河底面を簡単なモデルで近似すると,底面すべり速度は底面ずり応力の(n+1)/2乗に比例する(ただしn≒3).さらに,底面に水膜が存在するときには,底面すべり速度が著しく大きくなることが,理論や観測で確かめられている.氷河流動速度の日変化,季節変化,年変化,サージなどは,底面すべり速度の変化に起因しているので,氷河底面の水膜の構造,厚さ,水圧などの状態が氷河動力学にとって近年非常に重要視されている.

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