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第2回 中野区 非常勤職員賃金差別裁判報告集会が、2002年3月22日(金)に中野区女性会館にて行われました。 報告内容は @ 経過報告 平川景子(原告) A 「オランダ型ワークシェアリング」におけるパート労働の意味 中島 通子さん(弁護団メンバー) B フリートーキング でした。
ここでは@の原告による経過報告で用いた資料を公開しています。
1:訴状提出 (2000/9/22)
2:第1回弁論準備手続き(2000/11/7)
3:第1回裁判報告集会(2000/11/27)
4:第2回弁論準備手続き(2000/12/15)
5:第3回弁論準備手続き(2001/2/19)
6:ILOにレポート提出(2001/3/8)
7:3−8集会でレポート(2001/3/11)
8:第4回弁論準備手続き(2001/3/30)
9:第5回弁論準備手続き(2001/5/15)
10:第6回弁論準備手続き(2001/6/26)
11:第7回弁論準備手続き(2001/8/3)
12:女性学・ジェンダー研究フォーラムでレポート(2001/8/25〜26)
13:第8回弁論準備手続き(2001/10/5)
14:中野区職労伊達委員長に支援要請(2001/11/12)
15:ILOにカウンターレポートの添付資料を送付(2001/11/28)
16:東京都社会教育指導員会 研修会(2001/12/3)
17:原告 那覇市非常勤賃金差別裁判原告らと交流(01/12/26-27)
18: 第9回弁論準備手続き(2001/2/12)
19:3−8集会でレポート(2002/3/10)(1) 提訴の理由
・ 退職金(当時は自己都合ではない10.5ヶ月1,814,400円だと思っていた
・ 「使い捨て」にされるのがいやだった
・ 〈実際の賃金〉は〈均等待遇〉の51% →資料P16賃金格差グラフ
(2) 準備書面の内容
ア 提訴の内容
・ 賃金格差…本給(前歴加算・昇給)、調整手当、期末・勤勉手当、住居手当、退職手当 →資料P15賃金格差表
・ 違法性…社会的身分・性差別・公序違反 →資料@訴状
イ 争点 →資料@〜L
原告側
被告側
社会的身分
職務内容の同一性
家族的責任負う女性の排除
非常勤制度の濫用
均等待遇は「公序」
間接性差別(女性9割)
直接性差別
月15日では他に本務もてない
条例が憲法・労基法違反
再就職の女性には他に選択肢がない
年功賃金と均等待遇は矛盾しない
@EF
@C
@F
CE
@〜C
@
J
E
@F
J
J
パートは社会的身分ではない
指揮監督
競争試験・年齢制限
恒久的でも非常勤可能
同一労働同一賃金の実定法はない
女性は6割
効率的な行政の執行
専門性(兼職可能)
給与条例主義
非常勤は女性にとって働きやすい
年功序列賃金制度適用できない
D
A
ABGH
B
B
A
BDH
G
D
BHL
H
HL
・ 長い。(京ガスは勝利したのに!)
・ 法律の文章はわかりにくい。(HPで見てみて!)
・ 正規とパートの賃金格差は「手当」
・ 自治体の女性施設の非常勤職員の人たち
・ ワークシェアリング・均等待遇とは、現行の賃金制度に「アンペイドワーク」を組み込むこと(女性 は年功賃金から排除されている)
・ ひとりだったら、できなかったし、途中で止めてしまったと思う。
支援者・弁護団の皆さんありがとうございます。
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原告側 被告側 @訴状(2000/9/22) 第3 本件賃金格差(賃金格差一覧の表)
・ 本給(前歴加算・昇給) ・調整手当 ・期末・勤勉手当(ボーナス) ・住居手当 ・退職手当
第4 本件賃金格差の違法性
一 労働基準法三条違反(「社会的身分」)
二 労働基準法四条違反(性差別)
三 均等待遇の原則違反(公序違反)
A答弁書(2000/11/7) (否認の内容)
・ 原告の勤務実態が勤務時間を除き常勤職員と何ら異なるものではないことは否認
・ 常勤職員と学習コーディネーター(非常勤職員)との間には、指揮監督するといった上下関係や職務権限の違いがなかったことは否認する。
・ 非常勤職員を短時間勤務とした理由が、家族的責任を負担する女性の就業形態として常勤職員と異なる取り扱いとするためであり、合理性がなかった…争う。
・ 常勤職員=競争試験 学習コーディネーター(非常勤)=要綱 で採用で採用
・ 中野区の非常勤職員が例外なく任期終了後継続して勤務していることは否認する。
・ 第4項、第3項(賃金格差)は争う(組合(特区連)と区長会の交渉事項ではなく議会の決定事項)
・ 常勤職員は女性率61%、Mランク非常勤は男性9人女性122人であった
・ 年齢制限は離職五歳就職者を排除するものではない
・ 間接的な性差別…争う
C 準備書面(2001/2/19) 第1 職務の同一性
1 中野区女性会館の事業内容
女性会館は男女平等にむけて発揮される行政機能の中心に位置付けられてきた。
2 原告の職務
(1)原告の職務内容
(2)職務担当一覧に基づく具体的な職務内容
3 「常勤」の一般行政職員との職務の同一性
(1)担当した職務自体の同一性
原告は、女性会館の4本柱となる職務を一般行政職職員と共に担当し、担当の業務では、一般行政職員と同一の内容を分担していた。原告は社会教育主事の資格を有するが、中野区では一般行政職として勤務している社会教育主事がいる。
(2)拘束時間の同一性
原告の職務が常勤を必要とするものであったことは、拘束時間も常勤も量的・質的に異なるところがなかったことからも明らかである。
第2 地方自治体における非常勤職員の位置づけ
多くの地方自治体が地公法3条3項3号の範囲を超えて非常勤職員を任用している現実があるが、原告も職務内容・勤務時間からして条項の範囲を大きくはずれており、被告は地公法3条3項3号を濫用して任用したものである。
地方自治体の非常勤職員について、報酬及び費用弁償のみが支払われるのは、本来法の予定してる非常勤職員を前提としたもので、原告のように専務的な非常勤職員を予定していないものである。
第3 非常勤制度の濫用
1 常勤職員か非常勤職員かの区分は、職務の基本的性質により決められるものであり、必要な知識・経験を要し、常時勤務を要しない場合、非常勤職員を充てることができるのであり、専従性があるか否かによって決められるものではない。職務が常勤を必要とするかどうかは、恒常的に処理される必要のある職務か否かで決定されるべきものである。B 準備書面(一)(2000/12/15) 第1 事実の認否について
担当職務一覧のうち、平成7年度以降については概ね認める。平成7年度以前については、文書保存年限を経過しているので確認できない。
第2 被告の主張
一 原告を非常勤職員として採用したことの合理性について
1 常勤職員の採用・試験制度について
年齢による受験資格制限は、年功序列型人事配置、高齢者の勤続年数や年金問題を配慮すると合理性を有する。
2 中野区における常勤職員の採用試験について
特別区人事委員会の年齢による受験資格は、〇〇法19条に基づき、大学卒業時年齢後6年(28歳未満)の幅があり、年齢による受験資格制限は妥当である。
3 常勤職員の給与について
常勤職員の給料及び諸手当は、中野区の給与条例で定められているが、給与条例に基づく給与の支給は常勤職員に限り、それ以外のものに支給する余地はない。
4 非常勤職員の任用について
・「非常勤職員の職は、常時勤務を必要としない職でなければならないというだけで、必ずしも臨時的なものとは限られず、恒久的なものでも差し支えない」という見解がある。
・地方公務員の非常勤職員の報酬及び費用弁償は国家公務員に準じ、額は条例で定め、これ以外のものは支給することは許されない。
C 準備書面(2001/2/19) 2 被告は、非常勤職員が専門性や非専従性ゆえに「もっぱら専従」性を特質とする常勤職員と、処遇や支払い体系が異なるのは当然であり、また、賃金である「給与」でなく、「報酬」が支払われる非常勤職員はこれにより生計を維持するものでなく、常勤職員との取り扱いの違いは当然であるとする。
3 しかし、実際は地公法の趣旨と異なり、常勤を必要とし、専門性を要しない業務についても非常勤職員を充てている実態が数多く問題となっている。
4 「学習コーディネーターは専門的な知識・経験を持ち、常時勤務を要しない職であったから、地公法の非常勤特別職とした」との被告の主張は、原告の勤務時間、正規職員と同様の勤務内容からして勤務の実態をふまえないものであり、なにゆえ常時勤務を要しない職であったかの具体的根拠も示されていない。
5 原告の業務は、地公法の非常勤職員ではなく、一般常勤職員に充てられるべき常勤を必要とする業務であり、本来は常勤職員として採用すべきであった。
6 問題は、原告が常勤職員としての受験資格を持っていたかどうかではなく、地公法の枠をこえて常勤職員に従事させるべき業務に充てられていたことと、非常勤職員としての身分のみを理由として、職務の性格に全く見合わない低い処遇に置かれていたことである。
第4 非常勤職員に対する賃金差別は違法
憲法14条1項後段の「社会的身分」については、最高裁の解釈でも「人が社会において占めている継続的な地位」とされており、非常勤職員もこの「社会的身分」に該当する。非常勤職員という「社会的身分」を理由とする差別的取り扱いは、法律や条例に基づくものでも憲法14条1項違反である。賃金における差別的取り扱いも同様に違法である。
常勤では職種に関わらず年功序列賃金を支給しており、過去の判例を見ても、非常勤職員の賃金を低く抑える合理的理由はない。B 準備書面(一)(2000/12/15) 5 学習コーディネーターの職について
学習コーディネーターには、女性問題への知識・力量・経験が求められるが、常時勤務を要しないため、地公法3条3項3号の非常勤職員とし、勤務時間も常勤職員の4分の3とし、報酬も中野区の非常勤職員条例で定めていた。
6 原告は学習コーディネーターの職務を常勤職員として担当させるべきだったと主張するが、原告の年齢から特別区職員の受験資格はないため採用の余地はなく、非常勤職員以外の採用の途はなかった。また常勤職員でなかった原告に、常勤職員と同じ給与を支給したとすれば、地方自治法の給与条例主義違反となり、常勤給与との差額分が損害であるとの主張は理由がないものである。
二 同一労働同一賃金について
1 同一労働同一賃金の原則は一般的な法規範として存在していると認めることはできない。
2 同一労働同一賃金の原則を明言する実定法は未だ存在しない。同一労働同一賃金の原則の判断、評価の基準は難しく、賃金格差があっても直ちに違法とみなすことはできない。E 準備書面(2001/5/15) 第1 準備書面(2)に対する認否
・女性会館の非常勤職員には研究職などの兼業をしていない人が多かった
・チューターは外部の講師で職員ではなかった
・原告は中野区職員として適格性を有することについて審査を経て採用された
【学習コーディネーターを非常勤の特別職として設置した理由について】
・学習コーディネーターはチューターの延長ではなく、恒常的に行われている講座の企画・運営の仕事
・専門性・一貫性が求められる職であっても常勤職員で設置しているものがある(社会教育主事)
・職務専念義務・兼業禁止の制約を受けない非常勤職、といっても、月に15日も拘束されていたら他に「本務」を持てない
【学習コーディネーターと常勤職員の職務内容の相違について】
・講座の企画・立案もしていたのだから、常勤職員の「補助」ではない
・「学習コーディネーターは研究者が知識・経験を得られるように期待されていた仕事だった」のではない。自分の研究テーマの講座だけ担当したのではない
第2 被告の主張に対する反論
【非常勤=常時勤務を要しない職で、恒常的であってもかまわない】
・常時勤務を要する職であった
・専門性や資格は「常時勤務を要する」かどうかと関係ない
【常勤=生活給、非常勤=勤務に対する反対給付】
・常勤も非常勤も、賃金は職務に対して支払われる
・週に1日出勤が少ないだけというのに、生活維持を考慮しないのは不合理
D 準備書面(2)(2001/3/30) 第1 事実関係について
1 中野区女性会館について
・施設の設置目的、事業内容、人員構成
2 学習コーディネーター導入の経緯
平成4年度、原告の前任の学習コーディネーターが突然再任を辞退する事態に伴い、時間的余裕がなく、原告は面接のみにより採用が決定された。
3 学習コーディネーターを非常勤の特別職として設置した理由について
学習コーディネーターは、従来各講座ごとに依頼していたチューターを専属のチューターとして位置づけ、統一的に講座の運営を図るため設けられたものであるから、非常勤職員として設置すべき職であった。
女性問題の専門的な知識・経験からも、大学院生や大学の非常勤講師が適任であり、特別職は職務専念義務や兼業禁止の制約を受けることもない。
また、長期間にわたり特定のものが学習コーディネーターを続ける弊害をなくすために4年程度で新しい人材を投入する必要がある職であった。
4 学習コーディネーターと常勤職員の職務内容の相違について
講座の企画、立案、運営は、常勤職員が中心となって行い、原告には専門的なアドバイスを求めたり、常勤職員の指示のもと講座の運営を補助する職務を充てていた。
E 準備書面(2001/5/15) 第3 被告の濫用
・常勤に準じた勤務実態であったのに、昇給・本給に格差を設け、調整手当、期末・勤勉手当、住宅手当、退職金を支給しなかった
第4 賃金格差は違法な差別である
・非常勤職員という地位は「社会的身分」にあたる
第5 賃金格差は女性差別である
D 準備書面(2)(2001/3/30) 第2 原告の主張(原告の主張への反論)
@ 非常勤職をつける職については、必ずしも臨時的なものでなければならないというわけではなく、恒常的なものでも差し支えないものであり、常勤、非常勤どちらを充てるかは、資格・定数・事務量などから総合的に考慮されるものであり、当該職が恒常的なものであるかどうかは直接かかわりがない。
A 非常勤職員の報酬は、生活給としての性格はなく、純粋に勤務に対する反対給付の性格を持つのみであり、常勤職員の給与と同一レベルで比較することは妥当ではない。
B 常勤職員と非常勤職員の報酬の格差が非合理とはいえないから、仮に非常勤職員として任用されるものの大半が女性だとしても、女性差別の問題とはならない。
C 常勤職員と非常勤職員という地位は、労働基準法3条でいう「社会的身分」に含まれないことは明らかである。
D 「臨時工、パートタイム労働者などの従業員としての種別は、これ(社会的身分)に含まれない」(菅野和夫著『労働法』より)F 準備書面(2001/6/18) 第1 非常勤制度および非常勤職員に適用される賃金の違法性
1 社会的身分による差別
・憲法14条の「社会的身分」は、最高裁判決および多くの学説が「人の生まれにしたがって決定される地位」のみならず「社会において占める継続的な地位」と広く解釈している
・労基法3条の「社会的身分」については公法的性格と私法的性格をあわせもつ法であり、後者について憲法14条の平等原則を制限する理由はない
・とくに本件被告は中野区という公権力であるから、労基法を限定的に解釈することは許されない
2 性差別
・直接性差別…家計補助的役割を担う女性を低賃金で処遇するための就業形態として設置・運用されているから、女性であることを理由とする直接性差別
・間接性差別…非常勤職員の圧倒的多数は女性であり、非常勤という基準による賃金制度は女性に不利益をもたらす
3 均等待遇原則違反
・憲法・労基法の基礎理念は、人は働きにおいて等しく公正に報われるべきとする均等待遇原則であり、それは近代市民社会における普遍的原則で、法体系における公序を形成し、労働関係を規律する法規範
・被告は年功賃金が一般的なわが国において同一(価値)労働同一賃金や均等待遇原則が公序を形成していないかのように主張するが、年功賃金が形成されているところでも近代市民方の普遍的原理は適用されなければならない
G 準備書面(3)(2001/6/26) 第1 原告主張の論理的矛盾について
【特別職ではなく一般職として任用すべき・常勤と非常勤の賃金に違法な格差があった】
・常勤一般職としての任用は(年齢制限・競争試験があったのだから)法制度上ありえない
・非常勤の任用が違法でも、常勤としての地位が取得されることはない、だから損害賠償請求できない
第2 学習コーディネーターの職に非常勤特別職を充てたことの適法性について
・職が恒久的であるからといって、一般職を充てる必要はない
・専門的知識・経験を有するものを充てるために非常勤職とするのは本来の姿
・どのような職をおきどのような職員を充てるかは、任命権者の裁量的判断に任される
第3 勤務の実態が常勤一般職と同一であることを理由とする原告の主張について
・特別職として採用されたものが、知識・経験をもっていなかったり、期待に応える職務遂行をしなかったとしても、特別職としての任用それ自体が違法ではない
・女性会館では常勤と学習コーディネーターがチームを組んでいたのだから、同じ仕事でも求められる役割は違っていた
第4 非常勤制度の濫用についての原告の主張について
・常勤職を充てるか非常勤職を充てるかは、職務の内容・業務量・財政状況・社会状況を総合的に勘案して判断されるべきもので、「恒常的な職」には常勤職というものではない
・行財政制度の効率的運用は国家的急務、地方自治体も非常勤職員制度の弾力的な運用が求められる
F 準備書面(2001/6/18) 第2 被告による地公法3条3項3号の濫用
1 任用における濫用
地公法3条3項3号の特別職非常勤は、本来、常勤を必要としない業務について、特定の学識経験のあるものを充てる場合の任用形態。原告は一般行政職特別なく同じ内容を分担していた。非常勤は、家族的責任を負担する女性用の就業形態として、低賃金で処遇するための方便。被告は、年齢制限によって原告が受験資格がなく正規職員としての採用はできないとするが、年齢制限は実際上家族的責任を負担することの多い女性を排除するものであるから、違法・無効。
2 処遇における濫用
正規職員が担当すべき職務に従事させてきたのだから、正規職員に準じて取り扱われるべき。昇給・本給に格差を設け、調整手当、期末・勤勉手当、退職金を支給しなかったのは、女性差別・社会的身分による差別・均等待遇原則違反であり、地公法の濫用。
H 準備書面(4)(2001/8/3) 第1 非常勤制度および非常勤職員に適用される賃金の違法性に対する反論
1 社会的身分による差別との主張について
労基法3条の一般的な解釈は、臨時工と常用工のような職制上の地位又はパートタイム労働者などの従業員としての種別は含まない。
2 性差別との主張について
・常勤職員に比べ違法な賃金格差はないし、女性であることを理由として賃金格差を設けている事実はないから、直接性差別にあたらない
・中野区の非常勤職員制度は、大半が女性であることを想定して設けられたものではなく、女性の差別につながることを認識し容認しつつ制度を設けているわけではない
・採用実態を見ても非常勤職員309名中、男性は108人(35%)、女性は201人(65%)
・女性が多いのは、女性にとって働きやすく、女性自身の自主的選択による
3 均等待遇原則等違反との主張について
・同一(価値)労働同一賃金原則は法規範として存在していると認められない
・日本では国・自治体・企業とも年功序列による賃金体系を基本としてきたので、同一労働に単純に同一賃金を支給してきたのではない
・非常勤職員の報酬は、勤務時間に基づいて常勤一般行政職の給与月額とほぼ同等の金額を支給してきた
・地方自治法上、手当は非常勤職員に支給できない
H 準備書面(4)(2001/8/3) 第2 地公法3条3項3号の濫用との主張に対する反論
1 任用における濫用に対する反論
・非常勤職は、必ずしも臨時的なものでなくても恒常的なものでも差し支えない
・職の内容・もとめられる資格・定数・事務量などを総合的に考慮して決定されるもの
・原告は、自己の職務内容が常勤職員のそれと変らないから非常勤特別職として任用したことを違法というが、学習コーディネーターにどのような知識・経験を期待するかは任命権者の意図によるのであり、原告の主張はこれを全く考慮しないもの
・常勤職員の年齢による受験資格が家族的責任を担う女性を排除する、との主張については、年齢制限は人事委員会も認めるところであり、こじつけ2 処遇における濫用に対する反論
・地公法3条3項3号の濫用は全くない
・仮に非常勤職員としての任用が違法でも、直ちに常勤職員に準じた取り扱いをしなければならない法的根拠はない
第3 条例等条項の法的効力と適用関係に関する反論
・非常勤条例は報酬の上限のみを定めているのであり、非常勤職員の概念が限定されたものというのは誤解
・給与条例は常勤職員の給料等について定めたもので、非常勤職員に適用することは明らかに地方自治法違反
第4 本件請求権に関する反論
給与条例を非常勤職員であった原告に適用できるとする主張は根拠がなく、常勤職員との間に違法な格差はなく、損害賠償請求は認められない
第5 求釈明
原告に給与条例を適用すべきとする、法的根拠を明確にされたいI 証拠説明書(2001/10/5) ・非常勤職員報酬一覧(93〜98年分、中野区総務部職員課)
・非常勤職員に対する通勤費用相当分の費用弁償の支給に関する問答集(自治省公務員部給与課長)
・非常勤職員任用決定起案原議(96〜98年分、中野区地域センター部女性・青少年課他)
・任用非常勤職員男女別人数(96〜98年分中野区総務部総務課)
・文書保存年限設定基準(中野区総務部)J 準備書面(2001/12/13) 第1 非常勤制度および非常勤職員に適用される賃金の違法性
1 社会的身分による差別
・憲法14条については「人の生まれによって決定される社会的地位」と狭く解釈する説から、「人が社会において占めている継続的な地位」と広く解釈する説が有力になり、最高裁も認めた。
・労基法には公法的性格と私法的性格の2面性があり、後者について、社会の要請に基づき規制を加えるべき現実的妥当性のある労働者の契約上の地位についても「社会的身分」に含ませる解釈は十分可能。
・被告は、正規職員の受験資格に年齢制限を設け、非常勤から常勤になる道を一切認めていないのだから、自らの意志と努力によってそこから離れることができない固定した地位すなわち社会的身分そのもの。
・被告は中野区という公権力行使の主体であるから、労基法3条を限定的に解釈することは許されない。
2 直接性差別
【非常勤という勤務形態が女性にとって働きやすく、女性が自主的に選択をしている】
・Mランクの非常勤職員は、1日の労働時間は常勤と同じ8時間、土日・夜間も勤務が要求され、育児休業や勤務時間短縮の制度もないので子育て中の女性にとっては働きにくい側面もある。また第3号被保険者の優遇措置も受けていない。
・働きやすくなく、社会保険等におけるメリットもなく、賃金が自立できない低さであるのに、なぜ多くの女性が応募するかといえば、正規雇用に年齢制限を設けているため、非常勤の雇用しかないから。J 準備書面(2001/12/13) 【いかに効率的に行政を執行し、最少の費用で最大の効果をあげるか、は国家的急務】
・女性を最少の費用で最大の効果をあげるために非常勤として採用していることを自白したというべきで、直接的女性差別。
3 間接性差別
・被告は28歳をこえた女性を非常勤として採用すれば最少の費用で最大の効果をあげることを認識し非常勤制度を設けたのだから、女性に対する差別意思はあった。また、そもそも間接性差別は、差別意思の有無に関わらず、性に中立的な基準の適用が一方の性に不利益な結果をもたらすことを違法とするもの。
・間接性差別は、ILO100号条約・社会権規約・女性差別撤廃条約など日本が批准した国際条約の、同一価値労働同一賃金原則に含まれていることは国際的合意。ゆえに、労基法4条は間接差別を違法とするもの。
【非常勤職員のうち女性は65%】
・Mランクの非常勤では、女性は94.7%
・常勤では62.0%、保育職除く常勤は50.8%
4 均等待遇原則違反について
【均等待遇原則が公序を形成していない】
・憲法13条、14条、労基法3条、4条の基礎理念という実定法上の根拠を持つ
・社会権規約7条に定められている同一価値労働同一賃金原則・均等待遇原則は、日本において裁判規範性を有している
【年功序列賃金制度】
・年功序列賃金制度や職歴加算・諸手当の支給制度と、均等待遇原則が矛盾しないのは、判例により明らか(丸子警報器判決など)
・中野区学習コーディネーター設置要綱では「第1報酬の額は、正規の職員の給与との『均衡』を考慮して区長が定める」となっている。被告は、常勤職員との「均衡」を、前歴加算、昇給、調整手当、退職手当、期末・勤勉手当、住宅手当の支給を除外して論じているが、正規の職員の給与の一部であるこれらの要素を除外することは要綱違反。
J 準備書面(2001/12/13) ・本件賃金格差
ア)前歴加算の不適用(月額6,000円)
イ)昇給の不適用(月額75,600円)
常勤職員は1年に1号給と5年に1度特別昇給があるのに、7年間に1号給だけ恣意的になされた昇給は、「常勤職員に準じた」ものと言えない
ウ)調整手当の不支給
大都市部に在勤しているという条件は、原告と常勤職員とでは何ら変りがないのだから、当前賃金格差に含まれる。
エ)住宅手当の不支給
常勤職員であっても非常勤職員であっても、当該職場で労務を提供しているという条件が同等で、他に専務する職を持ち得ないほどの拘束時間(月の4分の3)である以上、同等に支給されなければならない。
オ)期末・勤勉手当
賃金の後払いないし功労への慰労との性質があるが、原告が常勤職員と同一の労働を行っていた以上、均等に支払われるべき。
カ)退職手当の不支給(1,738,800円)
原告に支給された賃金は、常勤職員との時間比例で、最大で43%、最少で61%という格差であり、到底裁量権の範囲とはいえず、違法。
第2 被告の地公法3条3項3号の濫用に関する主張に対する反論
1 任用における濫用
・【常時勤務を要しない職】とは恒常的に処理される必要のある職務かどうかで判断されるべきで、例えば非常勤の学校医などのように、スポット的に担当する職務を前提としている。学習コーディネーターの職は、常勤職員と業務を割り振って担当処理できた、一般行政職員が担当してきた業務も含まれていた、学習コーディネーター職の廃止後も一般職常勤職員が担っている、ことなどから、「常時勤務を要する職」である。
J 準備書面(2001/12/13) ・特別職非常勤の【専門的な知識、経験】とは、独自に必要な判断を行って仕事を完成させていくような高い専門性や知識を想定しているものである。だから、他に生業を持つものをスポット的に活用することに合理性があり、時給も高く設定されている。しかし、学習コーディネーターに求められる専門性は「女性・青少年課長の指揮監督を受け」職務を行うことが定められていたのであり、専門性は指揮命令に従って発揮されることを期待されていた。また学習コーディネーターの専門性を高く評価していたのであれば「報酬」も相当程度の額とすべきであるのに、一般行政職の時給換算より低い賃金だったのだから、その主張は現実に行っていることと矛盾している。・学習コーディネータの職は、常時勤務を要し、勤務時間等は他に生業がもてないほどの拘束であったので、それだけでは生計を維持できない「報酬」であるのに、他の就業の機会を得ることもできなかった。被告は「最小の費用で最大の効果をあげる」と主張するのであろうが、経費負担回避のために上記のような大きな不利益を労働者に強いることは許されず、地公法の濫用。
・【年齢による受験資格の制限と女性差別】
社会一般に認められているということで正当化できない。女性差別である。
2 処遇における濫用について
かかる反論が失当であることは前述のとおり
第3 濫用による法的効果と被告中野区の義務
原告を上記のような勤務条件のもとに任用した以上、常勤職員に匹敵する給与ないし報酬を支給すべき作為義務がある。被告はそのような支給は地方自治法違反だと主張する。しかし、本来法が予定する特別職非常勤制度の枠組みを逸脱して原告を任用したことそのものに濫用による違法があり、前述の常勤職に匹敵する給与ないし報酬を支給すべき作為義務を負うのだから、差額について損害賠償を求める権利がある。K 証拠説明書(2002/2/12) ・発令通知書(中野区長神山好市)
・女性会館事業概要(93〜98年分、中野区女性会館)
・起案(原告)
・平成10年度非常勤報酬改正(案)(被告職員課および原告)
・メモ(職員課長交渉、2通、原告)
・1998年度第11回中野区女性会館運営会議議事録要録
・中野区女性基本計画推進プラン(第二次改訂版、中野区地域センター部女性青少年課)
・予算特別委員会 総括質疑(1993/3/8)L準備書面(6)(2002/2/12) 第1 年齢制限について
・パートタイム労働者は社会的身分にあたらない。常勤職採用における年齢制限は国民一般に等しく適用され、誰もが平等にその制約を受けるのであるから、そのために常勤職員の地位につくことができなくても、非常勤職員が社会的身分にあたるとすることはできない。
・常勤職の採用に年齢制限が設けられるのは、恒常的、継続的に一定水準の行政事務を遂行していくためには、組織全体から見た職員の総合的能力が常に一定水準に保たれていることが必要。実績と経験を積んだ多数の退職者に代わり得る人材を組織内部でたえず生み出していく組織形態がまさに現行の公務員制度にほかならない。
すなわち、採用にあたって厳格な能力実証を求めることにより一定の能力を有するもののみを職員とし、一定の年齢制限を設け職員全体がほぼ同一の勤務年数を有するように配慮した上で、終身雇用的任用制度のもとで長期的勝計画的に育成する。年齢制限はこのような人事システムに不可欠な、根幹的な制度。
・具体的に年齢制限を何歳とするかは当該公務員組織の規模、実情等を考慮しつつ決定すべきで、裁量的判断の余地は大きい。28歳という年齢制限は、他の団体と比較しても特別ではなく、特段不合理でもない。
第2 地方自治法204条の2の解釈について
・204条の2の規定は、非常勤職員に対して支給しうる報酬等についての203条、常勤職員に対して支給しうる給料、手当についての204条を、当前に前提とする規定であるから、それらを無視して非常勤職員に対しても条例に基づけばいかなる給与その他の給付も支給しえるとするのは明らかな誤り。
・常勤職と非常勤職はその任用原理が全く異なるのだから、地方自治法203条204条の規定が憲法に違反するとの主張には根拠がなく、非常勤職員に対して当然に手当を支給できるとする原告の主張には理由がない。
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年 度 記号 計算式 1985 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 退職金 4-12月 1-3月 4-12月 1-3月 4-12月 1-3月 対象となる月数 n 12 12 12 12 9 3 9 3 9 3 本給 前歴加算後の行政職(一)の号級 a 2--6 2--10 3--8 3--9 3--10 3--11 3--12 3--12 3--13 3--13 3--14 98年、5条適用
(自己都合)行政職(一)表の本給額面 X 206,500 212,300 222,800 234,100 246,000 255,000 258,400 267,300 269,700 278,500 7ヶ月 非常勤賃金算出の式(当局説明) X×15日/20.1日=Y Y÷120時間(8時間×15日)=Z(時間単価、一円以下端数切り下げ) Z×120時間=A (96/4/5回答の計算式) 時間単価 z X×15/20.1=Y Y÷(8h×15)=Z 1,280 1,320 1,350 1,450 1,520 1,580 1,600 1,990 2,010 2,070 最終給料月額×支給率 時間比例 月額 A Z×(8h×15) 153,600 158,400 162,000 174,000 182,400 189,600 192,000 238,800 241,200 248,400 248,400 時間比例 年額 B A×n 1,843,200 1,900,800 1,944,000 2,088,000 2,210,400 2,444,400 2,916,000 1,738,800 調整手当 調整手当率(%) C 10 11 12 12 12 12 12 調整手当 月額 D A×C/100 15,360 17,424 19,440 20,880 21,888 22,752 23,040 28,656 28,944 29,808 調整手当 年額 E D×n 184,320 209,088 233,280 250,560 265,248 293,328 349,920 期末・勤勉手当 期末・勤勉手当のうち夏期・年末手当率 4.9 4.8 4.7 4.7 4.7 4.7 4.7 期末・勤勉手当のうち年度末手当率 0.55 0.5 0.5 0.5 0.5 0.55 0.55 期末・勤勉手当率の合計 F 5.45 5.30 5.20 5.20 4.70 0.50 4.70 0.55 4.70 0.55 本給月額+調整手当月額 G A+D 168,960 175,824 181,440 194,880 204,288 212,352 215,040 267,456 270,144 278,208 期末・勤勉手当 年額 H G×F 920,832 931,867 943,488 1,013,376 1,066,330 1,157,789 1,422,691 住居手当 住居手当 扶養親族のないもの 月額 I 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 8,000 住居手当 年額 J I×月数 96,000 96,000 96,000 96,000 96,000 96,000 96,000 年収と退職金の合計 手当総額 1,201,152 1,236,955 1,272,768 1,359,936 1,427,578 1,547,117 1,868,611 年収 (想定)本給年額+調整手当年額+期末・勤勉手当年額+住居手当年額 K B+E+H+J 3,044,352 3,137,755 3,216,768 3,447,936 3,637,978 3,991,517 4,784,611 25,260,917 26,999,717 実際に支給された第一報酬の号級(当局説明) 3--8 3--8.5 3--9 3--9 3--9 3--9 3--9 実際に支給された第一報酬 月額 L 147,600 157,200 164,400 166,200 168,600 170,400 172,800 実際に支給された第一報酬 年額 M L×月数 1,771,200 1,886,400 1,972,800 1,994,400 2,023,200 2,044,800 2,073,600 13,766,400 第一報酬の不均衡 月額 N A-L 6,000 1,200 (2,400) 7,800 13,800 189,600 21,600 68,400 68,400 248,400 第一報酬の不均衡 年額 O B-M 72,000 14,400 (28,800) 93,600 187,200 399,600 842,400 各種手当不払い分 年額 P E+H+J 1,201,152 1,236,955 1,272,768 1,359,936 1,427,578 1,547,117 1,868,611 実際に支給された賃金との格差 年収の格差 Q K-M 1,273,152 1,251,355 1,243,968 1,453,536 1,614,778 1,946,717 2,711,011 11,494,517 13,233,317 R M/K 58.2% 60.1% 61.3% 57.8% 55.6% 51.2% 43.3% 54.5% 51.0%
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