裁判所最終和解案

 

原告 代理人 中野麻美 様     被告 代理人 河野通孝 様

所属:東京地方裁判所民事第11部 裁判官氏名:多見谷 寿郎

TEL:(略) FAX:(略)

事件名:東京地裁平成12年(行ウ) 第240号 損害賠償請求事件

送信日:平成15627日送付

 

 和解期日での双方の議論の成果を踏まえ、平成1548日送付の和解案を別紙「1和解条項」に改定して、再度和解案を提示しますから、よろしくご検討ください。

 なお、「2補足説明」は、和解条項の趣旨に対する裁判所の解釈をお示しするものであって、和解条項のほかに和解の内容を構成する性質のものではありませんので、和解調書に記載することは予定していません。                                     以上

(別紙)

1 和解条項

(1) 被告は、原告の従事した学習コーディネーター職について、職務レベル・勤務時間において常勤職員との賃金格差に納得できる要因が乏しいとして、原告が本件訴訟を提起したことにつき、現行法制度の限界や問題点を真摯に受け止める。

(2) 被告は、現行法制度のもとで、常勤職員の賃金との比較、その職の専門性や困難性などを考慮して均衡処遇に努めてきたが、なお、原告の賃金額について、原告の指摘する類似常勤職員との均等待遇の要請に添えなかった部分のあることを認める。

(3) 原告はその余の請求を放棄する。

(4) 訴訟費用は各自の負担とする

 

補足説明

2 和解条項(1)の趣旨は次のとおりである。

 原告の従事した学習コーディネーター職は、原告の経歴や能力の高さに鑑みても、その職務内容においてむしろ他の常勤職員に対する指導的な役割が期待されていたといっても過言ではない職務レベルにあったこと、勤務時間が常勤職員の4分の3とされていたが、出勤した日は常勤職員と同様に勤務する実態にあったこと、原告の待遇が常勤職員に比べると相当に低いことから、原告の取る非正規・非常勤職員についても正規・常勤職員との均等待遇を保障しなければならないとの立場からすると、本件訴訟を提起することには十分な理由がある。そこで、被告としては和解条項(2)のとおり現行法制度の範囲内で適正な処遇に努めてきたが、現行法制度が正規・常勤職員を原則とし、非正規・非常勤職員につき十分な措置が講じられているとはいいがたいことに起因して本件訴訟が提起されたことを理解し、本件訴訟がまったく理由がないとか、立場が違うとかと受け流すのではなく、きちんと受け止めるというものである。

2 和解条項(2)は、被告は、現行法制度の範囲内で均衡処遇に努めてきたが、同(1)のとおり、その限界や問題点に起因し、原告主張の類似常勤職員との均等処遇が実現できなかったことを認める趣旨である。