第一 請求の趣旨に対する答弁
原告の請求を棄却する
訴訟費用は原告の負担とする
との判決を求める。
なお、仮執行の宣言を付するのは相当ではないが、仮にその宣言がなされた場合においては、担保を条件とする仮執行免脱の宣言を求める。
第二 請求の原因に対する答弁
一 請求要因第一は認める。
二 請求要因第二について
1 第一項は認める。
ただし、「学習コーディネーターとしての採用がなくなった今日においては、一般職に担当が引き継がれている」という意味は、常勤の一般職の職員(以下「常勤職員」という。)がその受け持つ業務の一部として、中野区女性会館学習コーディネーター設置要綱(平成元年中野区要綱第二四号。以下「要綱」という。乙第一号証)三条で学習コーディネーターの職務として規程していた業務(以下「学習コーディネーターの業務」という。)を引き継いでいるとの趣旨として認めるものである。
また、「全職員の議論に基づいて事業の具体的な項目ごとに遂行すべき職務と担当者が決定され、担当一覧が作成されることになっていた」との点については正確には以下のとおりである。女性会館の官庁が指示する職員が、女性会館で翌年度実施する事業の案を作成し、これに基づき全職員(非常勤職員を含む。)がその職務と担当者について検討する。その後、女性・青少年課長が、その検討結果を踏まえて当該年度の担当者一覧を決定することとなっていたものである。
2 第二項は認める。
ただし、常勤職員の「勤務を要しない日」(平成一〇年四月一日以降は「週休日」という名称に改められている。)は、平成四年六月三〇日まで第二、第四土曜日と日曜日である。
3 第三項について
(一)1のうち、原告の勤務時間が常勤職員の四分の三以下であったこと、毎週金曜日が「勤務を命ぜられていない日」(「週休日」ではない。)であったことは認める。
原告の勤務実態が勤務時間の点を除き常勤職員と何ら異なるはものではないことは否認する。
(二)2のうち、常勤職員と学習コーディネーター(非常勤職員)がペアーを組んで業務を行うことも少なくなかったこと、学習コーディネーターの職が廃止されたことから、学習コーディネーターの業務が常勤職員に引き継がれていることは認める。
常勤職員と学習コーディネーター(非常勤職員)との間には、指揮監督するといった上下関係や職務権限の違いがなかったことは否認する。
女性会館の常勤職員である館長は、女性・青少年課長の命を受け、会館の事務を統括し、所属職員を指揮監督する(中野区女性会館処務規程(昭和五九年中野区訓令第八号。乙第二号証)第四条一項)立場にあるから、官庁は学習コーディネーターを指揮監督する関係にあり、職務際限も当然に異なる。また、その他の常勤職員は学習コーディネーターの業務だけでなく、女性会館で行われている職務全般にわたる業務を行っており、業務の範囲も、異なっている。
なお別紙担当職務一覧の内容については、現在調査中につき追って認否する。
(三)3のうち、原告の勤務形態の割振りが、要綱に基づき女性・青少年課長が定めたところにより決定されたこと。勤務日でない火が金曜日,土曜日及び日曜日と定められ、勤務日でない日に原告が出勤した日数が平成九年度4.5日、平成一〇年度8.5日であったことはいずれも認める。
なお、原告が平成四年度から同八年度までの勤務日でない日に出勤した日数については、既に右年度の出勤簿の文書保存年限(三年)が経過したことからその日数については現在確認できない。
被告が非常勤職員(学習コーディネーター)を短時間勤務とした理由が、家族的責任を負担する女性の就業形態として常勤職員と異なる取り扱いとするためであり、右就業形態のため学習コーディネーターの職務を非常勤職員として採用する合理性がなかったとの主張は争う。
(四)4のうち、原告の任用期間が一年の有期であったこと、学習コーディネーターの業務が臨時的に発生し、一時的に必要であるものでなかったこと、中野区の非常勤職員には二〇年を超えて勤務する者が一名いることはいずれも認める。
中野区の非常勤職員が例外なく任期終了後継続して勤務していることは否認する。
主張は争う。
4 第四項の主張は争う。
なお、職務の性格と、当該職務を担当する職員を常勤職員とするか非常勤職員とするかは、直接結びつかなければならないものではない。
三 請求原因第三について
1 第一項は、「賃金」を「報酬」、「第一報酬」を「第一種報酬」、「第二報酬」を「第二種報酬」、「八号級」を「八号給」、「九号級」を「九号給」とそれぞれ訂正した上で認める。
2 第二項について
(一)
前書部分のうち「賃金」を「給与」、「超過勤務」を「超過勤務手当」、「休日手当」を「休日給」、「通勤交通費」を「通勤手当」、「退職金」を「退職手当」と訂正した上で認める。
(二)(1)のうち、採用前の職務経験等がある場合にはその年数を勤務年数に換算して一年について一号給ずつ、その余の事実は、「本給」を「給料」、「賃金テーブル」を「給料表」、「等級号給」を「級号給」、「等級は一級から八級までの八段階」を「級は一級から一〇級までの一〇段階」に、「各等級ごとに号給に応じた給料」、「等級及び号級」を「級及び号給」とそれぞれ訂正した上で認める。
(三)(2)のうち、調整手当が期末手当の支給時に支給されるものであることは否認する。
期末手当及び勤勉手当の額を算定する際に、給料月額とともに調整手当の月額がその算定基礎とされているが、調整手当が期末及び勤勉手当の支給時に別途支給されるものではない(条例二〇条三項及び二〇条の四第3項)。その余の事実は、「月例賃金」を「給与」と訂正した上で認める。
(四)(3)は認める
(五)(4)は、「本給・調整手当.住居手当等」を「勤務一時間当たりの給与額」、「休日勤務手当」を「休日給」、「所定勤務日以外の休日労働」を「別に定められた休日に勤務した場合」にそれぞれ訂正した上で認める。
なお、週休日(土曜日及び日曜日)の超過勤務手当には、勤務時間一時間当たりの給与額の135%が支給されるが、週休日の超過勤務手当及び休日給は平成六年度から125%から135%に支給率が変更されている。
(六)(5)のうち、期末手当・勤勉手当の支給率が特別区職員労働組合連合会と特別区区長会との交渉により、その都度決定されることは否認する。
期末手当・勤勉手当の支給率を含め給与の具体的内容は、区長が条例案を作成し、最終的には議会がこれを議決することにより、決定されるものであって、特別区職員労働組合連合会と特別区区長会との交渉により決定されるものではない。その余の事実は「期末手当は毎年度6月1日、12月1日、3月1日に支給され、勤勉手当は毎年度6月1日と12月1日に支給される」を「期末手当は毎年度6月30日、12月10日、3月15日に支給され、勤勉手当は毎年度6月30日と12月10日に支給される」に訂正した上で認める。
(七)(6)は認める。
2 第三項の主張は争う。
四 請求原因第四について
(一)
前書き部分の主張は争う。
(二)のうち、非常勤職員などの雇用上の地位が憲法一四条一項及び労働基準法三条の「社会的身分」に含まれるとの主張、常勤職員の給与と非常勤職員の報酬・費用弁償の差が労働基準法三条違反であるとの主張は争う。
(二)
2のうち、常勤職員は競争試験の結果、その能力を実証され、採用されたものであるのに対し、非常勤職員は右手続きを経ずに採用されたものであること、原告が要綱所定の要件を満たすとの判断のもとに学習コーディネーターに任命されたことはいずれも認める.
中野区の非常勤職員が例外なく一年の契約期間を超えて勤務を継続していることは否認する。
非常勤職員として採用されるものは、そのすべてが一年の任用機関とされているとは限らず、数日、数ヶ月といったごく短期の任用期間の場合もあり、また、一年の任用期間で採用されても、任用が更新されない場合もある。
主張は争う。
2 第二項のうち、原告が任用されていた学習コーディネーターの職が15ランクに分類されている非常勤職員のうちMランクに位置付けられていたこと、Mランクの非常勤職員の大半が月120時間(月15日、一日8時間)勤務であることはいずれも認め、中野区の常勤職員全体の男女比率が平成一〇年四月一日現在で男性39%女性61%であったと訂正した上で認める。
被告がいったん離職した後の再就職者を年齢制限によって常勤職員の対象から排除していること、担当する職務遂行の必要から<Mランクの非常勤職員を非常勤職員とする必要性も合理性もないことはいずれも否認する。
なお、常勤職員の採用試験において年齢制限を設けている結果、一定の年齢の者は常勤職員となることができないのであって、離職した後の再就職者を年齢制限によって常勤職員の対象から排除しているものではない。
被告が非常勤職員を常勤職員に比べ著しい低額の賃金で処遇する扱いが女性に不利益をもたらすもので、間接的な女性差別として、労働基準法四条に違反するとの主張は争う。
なお、同4月1日現在のMランクの非常勤職員のうち社会保険に加入していた者の人数が131人でその内訳は男性9人、女性122人であった。
3 第3項の2は争う。
五 請求原因第五のうち、第二項及び第三項の主張および損害は争う。
(付属書類:
乙第1号証:中野区要綱通知集1988年度版Pp162-3 中野区女性会館学習コーディネーター設置要綱
乙第2号証:中野区女性会館庶務規定
乙第3号証:初任給、昇格及び昇給等に関する規則
乙第4号証:中の区職員の給与に関する条例)
(なお、編集の段階で「号級」を「号給」に訂正した。)
第1回 準備書面の確認
日時:2000年11月7日(火) 10:00〜(5分間程度)
場所:710号法廷
記録者:平川景子
提出書類:
原告側:訴状(添付書類:賃金格差一覧表、担当職務一覧)
被告側:答弁書
乙第1号証:中野区要綱通知集1988年度版Pp162-3 中野区女性会館学習コーディネーター設置要綱
乙第2号証:中野区女性会館庶務規定
乙第3号証:初任給、昇格及び昇給等に関する規則
乙第4号証:中野区職員の給与に関する条例
証拠書類の確認
原告側(中野):答弁書は昨日とどいた。乙3号証の賃金表などは当時のものか。
被告側:現時点のもの。要項等は毎年変更箇所を差し替えているので、わからない。
裁判官:原告は退職しているので、在職中の書類でお願いします。
被告側:こちらで用意して提出します。
裁判官:次回は主張の整理と争点の確認を行う。1ヶ月程度のち。