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 寒い朝でした。
 最高裁の判決当日、依頼者の方と一緒に傍聴しました。
 一審・二審 とも敗訴し、どうしても勝訴したいと上告を依頼にこられた方々でした。
 メモの道具以外は、手荷物すべてをロッカーに預けるよう指示され、金属探知器を通り抜けました。職員の方の案内に従い、石作りの階段を昇り小法廷に着席しました。荘厳な作りがまた緊張感を増します。

 開廷の宣言とともに、判事の方々が席に着かれ、マスコミのテレビカメラの撮影を2分間許されたあと、まず、他の事務所事件の判決が言い渡されました。

  「上告人の上告を棄却する。裁判の費用は上告人の負担とする。」

 それだけの言い渡しです。 この一言にこの人の人生が重くのしかかるのかと、後姿を見て思わず体が固くなりました。 プレスの方と思われる数人が一緒にあわただしく退廷しました。

 さあ、いよいよこちらの判決です。平賀弁護士が席に着きました。

 「原判決を破棄し、第一審判決を取り消す。被上告人の請求を棄却する。訴訟の総費用は、被上告人の負担とする。」

 勝った。
 思わず胸が高鳴りました。関連事件全部に勝訴の判決がでました。 その間数分です。
 一礼して依頼者の方々と法廷を後にしました。弁護士が判決を受け取るのを待ち、事務所に帰りました。弁護士から判決文を1時間余にわたり説明された後、依頼者の方は事務所を後にされました。
 「何年もかかりました、、、。」判決後ぽつんと漏らされた一言に重い年月を感じました。

 事務局も仕事が報われたような気持ちで一杯になりました。苦労も吹き飛びました。
 わたしたちは依頼者の方々の人生を背負い走り続ける列車のようだと思いました。誠実に仕事をしなければと気持ちを引き締めた次第です。