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平井誠一 力こめ スライドドアを孫があけゆっくり祖母が降りくるRV 外来駐車場、助手席からすばやく降りた男児は、後のドアを力いっぱい引きあけ、見守っている。わずかの間を置いて高いステップを気にしながら、ゆっくり祖母が降りてきた。その完了を見届けるやまた力をこめてガシャンと閉めた。 RVと総称される車が並ぶ。一つのブームとなっている。このRVの流行は、家族がバラバラになりがちな現代の、新しい家族形態を模索する表れなのだろうか。それとも単にきゅうくつなセダンより、家族で乗れてより楽しいという事だけかもしれない。また、実際、家族でゆくキャンプなど年に一回あるかないかと思われるが、自然への渇望もその裏側に潜んでいるようにも思われる。
まだはわず あせり記したら母子手帳心配ないと経験話す 机の上の母子手帳、左のぺージは鉛筆書きの几帳面な字がびっしり。母親らしい確かな観察と記録、そして不安がしるされている。 正常児の発達には相当な幅がある。首のすわりも三カ月の子もいれば、五カ月近くになってやっとの子もいる。ハイハイも早い子もおれば、中にはお坐りの姿勢でいざって移動し、這う事なく歩く子どももいる。 もちろん病気や異常の表れとしての遅れもある。また経過をじっくりとみないと、異常か正常範囲のものか判断のつかないケースも少なくない。このようなとき臨床経験がものをいう。経験に裏打ちされた説明は母親にもよく伝わる。不要な不安を解消し、安心を与え言のも検診の役割である。 紹介状書く手止まりて思い入る母再婚の喘息姉妹 幼き頃より診てきたこの姉妹そろって喘息をもっている。母が再婚し転居する。新しい父親を加えた見知らぬ地での生活がはじまる。やっと吸入療法がうまく行え、喘息も安定してきたのに、環境が変わり、再び発作が起こりはしないか心配である。また思春期になるにしたがい精神的要因も発作の誘因となってくる。さらに、これからがただでさえむずかしい年代である。母ともども、この姉妹の健康と幸せを願わずにはいられない。 もののけの不思議な主題歌しみるほど不機嫌な時代九七の夏 衝撃的な、そして何んともやりきれぬ事件があまりにも多い。衣食足りた我々を神経症的に不安におとしいれ、ふさぎこませる。こんな今を人は不機嫌な時代という。 |