日本の職業教育   02. 7. 4

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大学のゼミで、3年生から「日本の学校の進路指導」について発表があった。まだまだ頭が就職活動を引きずっているので、いろんなことを考えながら聞いた。

学習指導要領の中では、小学校には特に規定がなく、中学校、高等学校では進路指導は「特別活動」の中で行うと明記されている。「特別活動」といえば、学校行事などで授業時間が削られるような時に、真っ先に削る対象になった、あの時間のことだ。
また、進路指導と言っても、中学校で実際に行われているのは進学指導であることは誰もが経験的に知っている。進学するためにどんな勉強をするか考えることは必要だが、そもそも何のために進学するのかを考える指導が抜けている。

中学校の業者テストが平成5年に廃止され(私は業者テスト廃止元年の高校受験生だった)、文部科学白書では
「平成10年に実施した『中学校における進路指導に関する総合的実態調査』では、業者テストを廃止した平成5年と比較して、教師の進路指導に対する意識変革や指導計画の見直しなど、中学校における進路指導の改善が確実に進んでいることが明らかになりました。」
と自画自賛されている。が、実態はそこまで明るくないだろう。だいたい調査で「改善したか」と聞かれたら現場教師は「いいえ」とは答えられない。

今年、半年間就職活動をしてきた中で気付いたことがある。
書店の就職本コーナーに沢山の本が並んでいるが、書いてあることはそう変わらず、大事なのは「自己分析」「業界研究」「志望理由」だということになっている。
「自己分析」とは、「私はどんなタイプの人間か」ということもあるが、「仕事に何を求めるか」、「どんな意識を持って仕事をしていきたいか」ということだ。日本の大学生の中には3年生になってからこの手の本を初めて読む人も多い。それまでの20年間、仕事に対する意識などを考える機会がないからだ。

偉そうに書いているが、私もコアな該当者である。

「業界研究」もしかり。総合商社というのはどんな業務をするところで、日本の高度成長でどんな役割を担ってきたのか、大学4年になるまで知らなかった。保険業とは。広告代理店とは。海運・倉庫とは。通産省とは。1年前に聞かれても全く答えられなかった。

とりあえず大学に入り、仕事のことはそれから考える。ゼネラリストが育ちやすく、つぶしが利きやすいというメリットもあるが、弊害も多い。そのまま何も意識せずに就職してしまう学生も少なくないだろう。何をするために入ったのか分からない学生が溢れていることが、大学教育の形骸化にもつながっている。
就職した1社で最後まで雇われていた時代はそれで良かったわけだが、今やアメリカ式の経営が席巻する時代、仕事に対しても何らかの意識を持っていないと通用しない時代である。大学入学前からの職業教育は必須だ。

近年、高校生が企業で職場体験をするインターンシップが増えている。実施状況を見ると職業に関する学科の実施が多く、普通科は少ない。それは当然の流れだと思うが、普通科の約半数は体験日数が1年間に1日だけであり、職業に関する学科でも1日だけというのが10%を占める。これは、インターンというより「見学」に近いのではないだろうか。
インターンというからには、本気で実習に取り組むプログラムがほしい。実際に給料を払った方が生徒は真剣に責任を持って実習できる。企業の側も、社員だと思って厳しく扱えばいい。3年間のうち数日くらい、本気で仕事に取り組み、どんなことを考えながら仕事をする人がいるのかを知る機会があったほうが良いと思う。

普段、勉強もスポーツもバリバリできている生徒が、優秀すぎるゆえに職場で他の社員との協調に苦しみ、「仕事の社会は難しい」と実感する機会があれば、それだけで価値観は大きく広がるだろう。

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