養生の道しるべ Care of health
日々の養生のお手伝い・・・・
| 養生021 花粉症 | |
| 花粉症体質の方には、何とも憂うつな季節が近づいて参りました。症状を引き起こす原因に花粉の飛散量の増加、環境の変化といった外的要因の他にストレスの増加、偏食や運動不足等からくる体質の変化も深く関係しています。 私たちの身体は、日々ウィルスや雑菌、冬の寒さや乾燥等に晒されています。それでも必ずしも風邪をひいたり、病気になっている訳ではありません。それは外敵から身を守る為の機能が元々備わっているからです。 漢方の考え方では、健康を害する外敵を「外邪(がいじゃ)」私たちが元々備え持つ外敵と闘う力を「正気(せいき)」と言います。正気は、私たちが健康な状態を保てる様に常に身体を立て直してくれているのです。この正気の中で抵抗力∞免疫力≠ノ深く関係しているのが【衛気(えき)】と呼ばれる力です。衛気は皮膚を温めたり、潤したり、汗腺の開閉を調節し必要以上の汗が漏れるのを防いでいます。又体表面や鼻、口等を巡り、外邪の侵入を防ぐバリアの役目をしているのです。この衛気が不足している方は、外邪である花粉の侵入を防ぐ事が出来ず目や鼻、咽に炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、目や咽の痒みを発症させるのです。ですから、花粉症の根本治療は、衛気の不足を補う事が大切なのです。 | |
| 養生020 高コレステロール血症 | |
| コレステロール≠ヘ私たちの身体を形成する細胞の外壁や、ステロイドホルモンの原料となる物質で、コレステロールがある事で生命を営む事が出来るのです。しかし一方で血液中のコレステロールが過剰になると、長い期間を経て動脈の内壁にこびりつき、血管を塞いでしまいます。これが動脈硬化≠ナ、最も進行しやすいのが、心臓の血管です。その為、狭心症や心筋梗塞といった生命の危機に係わる重大な疾患を起こすのです。体内にあるコレステロールの供給源は食事から吸収された物以外に、体内で作り出される物もあります。そして使われなかったコレステロールは便を通して排泄されています。この供給と排泄のバランスの崩れが「高コレステロール血症」を引き起こし動脈硬化の原因となるのです。予防や治療には、食事の改善と適度な運動が大切ですが、体内でのコレテロール合成と排泄の調節も不可欠です。しかし、加齢や過労、ストレス等がこの調節機能を低下させてしまいます。漢方では、血液の流れが悪化して滞りが生じた状態を「血オ」又は「オ血」と言います。原因や、症状により処方は異なりますが、血府逐オ湯・冠心二号・折衝飲・冠元顆粒等があります。こうした漢方薬はコレステロール調節機能を回復させるように作用します。 | |
| 養生019 インフルエンザと「板藍根」 | |
| 風邪の季節に使われる生薬の中に「板藍根」(アブラナ科 藍又はキツネノゴマ科馬藍の根)があります。中国では昔から熱病や流行性疾患の薬として知られ、体内に侵入する外敵を取り除いたり、痛みや炎症等を鎮める働きを持ち、良く使われています。 例えば、風邪のひき始めに、咽の痛みや違和感を感じたら、すぐに煎じ液を、うがいをする要領でお飲み下さい。悪化を防ぐ事が出来ます。風邪をひいてしまった後には、もちろん症状に合わせた漢方薬が必要です。また、切り傷やおでき、発疹、結膜炎等の熱をもった様々な炎症にも、それぞれの治療薬と合わせてお使いになれば、患部の熱を冷ましてくれ、痛みや痒み、腫れ等の解消や悪化防止にも効果的です。用い方は、板藍根3〜5gを400〜500CCの水に入れ、半量になるまで煎じ、濾したものを数回に分けて服用します。お湯に溶かすだけの粉末の板藍もあります。さらに、最近になり板藍根に抗菌、抗ウィルス作用がある事が、科学的に解明されてきました。現在中国では、インフルエンザ、ウィル性肝炎、耳下腺炎、扁桃腺炎等の治療にも応用されています。今年の冬、皆さんのご家庭でも、イフルエンザ予防の常備健康茶≠ノしてみてはいかがでしょうか。 | |
| 養生018 冷え症 | |
| 冬になると朝起きる時や、夜足先が冷えて寝付けない・・。こうした「冷え症」の症状があっても「自分の体質だから」とあきらめてしまっている方も多いのではないでしょうか。けれどそのまま放っておくと、いろいろな疾患の原因になる事も少なくありません。例えば、頭痛や肩こり、腰痛や関節痛、痛や下痢、むくみや繰り返す膀胱炎、ふくらはぎの引きつり等。又生理痛、生理不順、さらには生理の休止、不妊、流産等が挙げられます。特に出産前の女性にとっては重大な問題につながりかねません。「冷え症」と言うと、手足の冷えがあげられますが、他にも冬の寒さや夏の冷房でお小水の量や回数が増える方、風邪を引きやすくなる方、足は冷えるが顔はほてる方。このような方々も「冷え症」と考えられます。さらにストレス、心配事、悩みといった精神的な要因による冷え症も増えています。「冷え症」の予防には、第一に体温を逃がさないよう保温性の高いものを身に付けましょう。又身体を締め付け血行を悪くさせるような服装にも注意が必要です。食事は温かいものを中心に生野菜や水分の取り過ぎは禁物です。それでも改善しない時は漢方薬がお手伝いします。附子理中湯、真武湯、参茸補血丸、婦宝当帰膠、四逆散等お体の様子や症状に合わせて使います。 | |
| 養生017 更年期障害 | |
| 42歳頃から4〜5年間のプレ更年期に、崩れ易い体調を整え、衰えてくる「腎精」や「気血の不足」を補充し、更年期特有の症状を少なくする身体作りが大切な事は前回お話し致しましたが、何もせず更年期を迎えた方の中には、様々な愁訴に悩まされているケースも少なくありません。疲労感、めまい等の症状を始め、卵巣機能低下による、生理不順。冷えとのぼせ、汗かき、ホテリ、動悸等の自律神経の乱れによる症状。不安、落ち込み、焦燥感、不眠、気力がなくなる等精神的に不安定な症状を伴う事もあります。頭痛う、肩こり、腰痛、手足の冷え、等の血行障害による症状等、訴える内容や程度も千差万別です。漢方ではこの様な多岐にわたる愁訴を「肝」「心」「腎」の働きの低下やバランスの乱れにより起こると考えています。女性ホルモンの不足による生理不順は「腎の衰え」と捉える事から【腎を補う漢方薬】を、のぼせ、焦燥感、不眠、動悸等には、【心の働きを高める漢方薬】を、自律神経の乱れや精神的に不安定な状態の時に【肝の働きを調節をする漢方薬】をそれぞれ使い分けます。瀉火補腎丸、天王補心丹、帰脾湯等多くの処方がありますが、どこをどの様に調節し補うかが重要ですので詳しく相談される事をお勧め致します。 | |
| 養生016 プレ更年期 | |
| 中国医学では女性は35歳になると次第に肌のつや、髪が衰え始め、42歳で白髪が目立ち始め、49歳で閉経するという考え方があります。つまり女性の身体は7年周期で変化し、その変化は「腎精」と呼ばれる身体の成長・発達や衰退・老化に深く関わるものによってコントロールされています。女性は35歳から特に42歳を過ぎると、腎精の不足が加速し、性機能・生殖機能を始めとする身体機能が衰えてきます。これを「プレ更年期」と言います。症状は生理の出血量の減少、色が薄くなる、生理が早く終わる、周期が短くなったり不規則になる、不正出血がある等。又月経の変調以外にイライラ、怒りっぽい、不安感、落ち込み、くよくよ等の心の変調が表れる事もあります。何も気づかずに閉経した方は、前触れがないのではなく、見過ごしたか我慢している人が多いようです。40代を迎えたら身体の衰えの波を穏やかにして、更年期に入っても不快な症状を軽くし、49歳より早く閉経しないようにすること、それにはカギを握る「腎精」を前もって補充する事が大切です。腎精をしっかりした物にする為には「気・血」を補充する「婦宝当帰膠」を日頃からお茶代わりに服用するのも良い方法です。当帰、芍薬、阿膠(コラーゲンの一種)等が含まれ美肌作りにも効果的です。 | |
| 養生015 ひざ関節の痛み(その2) | |
| 変形性膝関節症は、初期の「こわばり感」から始まり、何年もかかって少しずつ症状が進行していきます。【初期】痛みより、関節の曲げ伸ばしがスムーズに行えず、歩き始めや、寝ていて起き上がる時等に重くこわばる感じがします。これらの症状は、動き始めの5〜10分程度で軽減し、日常生活でも気にならないまま過ごしている事も少なくありません。【中期】関節部分に炎症が起き、熱感を伴って腫れたり、水が貯まるようになってきます。痛みは、はっきり自覚できるものとなり、初期の頃ほど簡単には治りません。又この時期になると日常動作も不自由になります。【末期】膝の関節がO脚に変形し、曲げ伸ばしが辛く、歩行、階段の昇り降り、正座等が困難になります。【プロテオグリカン健康法】 軟骨の主な構成物質は「U型コラーゲン(普通のコラーゲンとは異なります)」と「プロテオグリカン」です。プロテオグリカンは、タンパク質と糖が結合した物質で、軟骨成分の2%しかなく、粘り気があり、軟骨の80%を占める水分を吸収保持し、スムーズな関節の動きを支えています。この健康法は、加齢により不足した軟骨の構成物質を、身体の中から補う事で軟骨の老化を防止する方法です。関節痛でお悩みの方は是非一度ご相談ください。 | |
| 養生014 ひざ関節の痛み(その1) | |
| 年齢を重ねていくと辛くなる症状に、膝関節痛があります。関節痛には主に、関節内にある「半月板」という軟骨が、けが等で損傷を受けた【半月板損傷】、全身性の疾患で、膝や全身の関節が痛む【慢性関節リウマチ】膝の上の骨の一部が壊死し、その部分がへこむ【大腿骨顆骨壊死】、膝関節の軟骨がすり減って痛みが起こる【変形性膝関節症】等があります。その中で特に多いのが【変形性膝関節症】です。 関節は、骨と骨が連結している部分で、体を動かす為に重要な働きを持っています。関節内では骨と骨はじかに接しているのではなく、間に「関節軟骨」があります。この関節軟骨は、3〜4oの厚さで骨の表面を薄く覆い、弾力性があり、表面がなめらかですべりが良い性質を持っています。歩いたり、走ったり、階段の昇り降り等の動作では、膝の関節に体重がかかって強い負担が加わります。しかし、関節軟骨のなめらかさやすべりの良さが、骨と骨が接する部分の摩擦を少なくし、弾力性が衝撃を和らげてくれます。しかし、加齢や激しい運動等で軟骨が徐々にすり減ると、その時に生じた軟骨の「磨耗物質」が関節に炎症を起こしたり、軟骨のすり減りで、じかに骨と骨が接触するようになり痛みが起きます。(関節症の症状と養生・健康法に続きます) | |
| 養生013 子宮筋腫 | |
| 子宮筋腫は、子宮の平滑筋部分に「しこり」が出来る疾患です。発生や増殖には女性ホルモンのエストロゲンとの関係が深く、筋腫が徐々に大きくなると子宮内膜に影響が現れ、不正子宮出血や生理痛、月経過多(出血量が多く期間が長い)、生理の時、レバー状の塊が認められる等の症状が現れます。又、不妊率も高くなる傾向があります。 漢方では、「イボ」や「腫瘤」等のように、身体にとって余計な物は「血」(血の滞りが原因で出来たもの)の一症状と考えて治療します。これらを取り除く為には、血行を良くする「活血」と言う治療方法を用います。対応方法も様々です。子宮内膜の近くに出来た筋腫の場合、出血が避けられないので、止血作用のある漢方薬を併用します。筋腫は小さくても、月経量が多く、めまい、動悸、疲れ易い等、貧血症状がある方は、日頃より「不足した血を補う」漢方薬を併用します。筋腫による不妊の方は、貧血症状が無くても、「血を補う」漢方薬でホルモンバランスを整え、妊娠し易い身体作りが大切です。妊娠した場合は、流産防止の漢方薬に切り変えます。このように子宮筋腫は「血」「出血」「血の不足」という病態が存在するので、治療方法も、生理の様子や時期、体質に合わせて行う必要があります。 | |
| 養生012 生理痛 | |
| 生理痛は「当たり前」と勘違いし何もせず我慢したり、鎮痛剤の服用で、症状を抑えていませんか。月経は「生理」と呼ばれる様に、本来痛みは無く、あっても下腹部や腰が重く感じる程度です。強い生理痛は、子宮筋腫や子宮内膜症等につながる恐れもあり注意が必要です。検査でも異常が認められない生理痛は身体に穏やかな漢方療法がお手伝い致します。漢方では症状を大きく3つのタイプに分け、痛みの根本を改善させます。【 血タイプ】痛みは強く刺すように痛む、又は絞られる様に痛む。出血量が多くなると痛みも強くなり、塊も多く、色も黒ずみ、月経周期も遅れがちになる。【ストレスタイプ】月経周期や痛みが、月により変わり一定しない。月経前から胸やお腹、腰が張って痛む。人によっては月経量が多くなると、却って痛みが楽になる事もある。一般的には環境変化やストレス、緊張等で痛みが強くなる。【体力低下・貧血タイプ】月経の終わり頃から痛み始め、痛みは強くないが、月経後も数日続く事が多い。月経量は少なく、色も薄く水っぽい。遅い初潮や産後再開した月経に見られる事が多い。一口に生理痛と言っても症状は様々です。症状が軽いうちに「身体からのSOS」ととらえ治療する事をお勧めします。 | |
| 養生011 にきび | |
| 春は、入学・進学・就職・転勤等、生活環境の変化に加えて、三寒四温、春一番等の言葉のように自然環境がめまぐるしく変化する季節です。こうした環境が変化するこの時期に悪化しやすいのが「にきび」です。一言で「にきび」と言っても、色や形、大きさや、出来やすい場所、痛みや痒み等、症状も様々です。又その原因や治療方法も異なります。皆様のにきびは、どのタイプですか。【色・形】赤く腫れ、痛みや熱感のあるもの、赤黒いもの、肌の色と同じもの、表面が化膿しているもの、等。【出来やすい場所】顔の上、口の周りや顎、顔の両側面、胸や背中、症状が移動し場所が一定しない場合、等。【悪化しやすい時期】春、夏、秋〜冬、生理の前後、ストレスが加わった時、飲食の不摂生時、等。にきびをはじめ、お肌のトラブルは、一見皮膚表面の症状にとらわれがちですが、自然環境、生活環境、体質等に大きく影響されます。漢方では、にきびのタイプと体質に合わせ、原因を探し、原因を取り除く方法で治療します。また漢方での治療に加え、皮膚の再生力を高め、新しくにきびが出来る事を防ぎ、色素沈着やデコボコしたにきび痕を残さないように改善させていきます。もし痕が残っているようでしたら早めの漢方療法をお勧めします。 | |
| 養生010 不妊症と周期療法(その3) | |
| 今回は、周期療法の後半(排卵期と黄体期)についてお話し致します。【排卵期】は卵巣から成熟卵子を排出させ、低温期から高温期(黄体期)に移行させる時期です。漢方では、再び血流を促進させる処方を使いスムーズな排卵と黄体期への移行を助けます。【黄体期】は受精卵を着床・養育出来る環境を整える時期で、エネルギー代謝が高まり低温期より0.3〜0.5度高くなり、維持されます。漢方では、この代謝を支える力になる、鹿茸、海馬等配合された処方で安定した高温期の維持を助け、子宮内膜の着床・養育を支えます。妊娠していない場合は、次の生理周期の移行を楽にしてくれます。 | |
| 養生009 不妊症と周期療法(その2) | |
| 今回は、周期療法の前半(月経期と卵胞期)についてお話し致します。【月経期】は、子宮内膜を再生する前段階として、粘膜層を一度全て剥がし、月経血として体外に排出させる期間です。漢方では、丹参、センキュウ、紅花、延胡索等の血行を促進させる処方で、子宮内膜を徹底的に清浄します。また気の流れを良くさせる香附子、木香、枳実等の併用で、月経血の排出を助け、無理なく子宮内を清浄します。月経血としてきちんと排出させる事は、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫等の予防や生理痛の緩和を助ける意味もあります。【卵胞期】は、子宮内膜に新しい粘膜層を再生・増殖させると共に、卵巣内で卵胞を成熟させる期間です。この頃から粘膜層への血流量も増え、卵胞の発育も促進されます。漢方では、当帰、熟地黄、芍薬等が配合された処方を使用し、月経期で失われた血液量の回復を促し、末梢血管の血流量を増やし、子宮と卵巣への栄養素やホルモンの供給不足を防ぎます。次回は、後半(排卵期と黄体期)についてお話し致します。 | |
| 養生008 不妊症と周期療法(その1) | |
| 最近の漢方相談の中に、不妊症でお悩みの方が増えています。原因は女性の側だけとは限らず、男性の側に原因がある場合も少なくありません、特にストレス、食生活の乱れや疲労、環境ホルモン等の影響による精子の数の減少や活動率の低下等も原因と言われています。中国漢方では、不妊症治療の基本的な考え方として「妊娠しやすい身体を作る」「子宮の温度を一定に保つ」事を第一としております。そうする事で卵巣や子宮の血流が改善され、質の良い卵子や、柔らかい子宮内膜が作られます。現在中国では、中国医学と西洋医学の理論を合体させ、より優れた治療法を開発する研究が盛んに行われています。その中に「不妊症周期療法」があります。周期療法は、西洋医学の月経周期(月経期、低温期、排卵期、高温期)の変化を見ながら、月経の状態、月経サイクルを調べ、その人の体質や症状に合わせた漢方薬を使う身体にやさしい不妊治療法です。女性に原因がある場合はその原因を探し出す為に、基礎体温表を活用しています。漢方薬を選ぶ時も参考になりますので、必ずつける事をお勧めします。これからお話します不妊症周期療法の考え方は、不妊症の治療だけでなく、生理痛、生理不順、子宮内膜症等の改善や予防にも役立つ方法です。(次回に続く) | |
| 養生007 インフルエンザと「板藍根」 | |
| 風邪の季節に使われる生薬の中に「板藍根」(アブラナ科 藍又はキツネノゴマ科馬藍の根)があります。中国では昔から熱病や流行性疾患の薬として知られ、体内に侵入する外敵を取り除いたり、痛みや炎症等を鎮める働きを持ち、良く使われています。 例えば、風邪のひき始めに、咽の痛みや違和感を感じたら、すぐに煎じ液を、うがいをする要領でお飲み下さい。悪化を防ぐ事が出来ます。風邪をひいてしまった後には、もちろん症状に合わせた漢方薬が必要です。また、切り傷やおでき、発疹、結膜炎等の熱をもった様々な炎症にも、それぞれの治療薬と合わせてお使いになれば、患部の熱を冷ましてくれ、痛みや痒み、腫れ等の解消や悪化防止にも効果的です。用い方は、板藍根3〜5gを400〜500CCの水に入れ、半量になるまで煎じ、濾したものを数回に分けて服用します。お湯に溶かすだけの粉末の板藍もあります。さらに、最近になり板藍根に抗菌、抗ウィルス作用がある事が、科学的に解明されてきました。現在中国では、インフルエンザ、ウィル性肝炎、耳下腺炎、扁桃腺炎等の治療にも応用されています。今年の冬、皆さんのご家庭でも、イフルエンザ予防の常備健康茶≠ノしてみてはいかがでしょうか。 | |
| 養生006 関節痛(2) | |
| 腰痛や膝の痛み等、足腰の衰えを感じる事はありませんか。長い時間歩くと疲れたり、イスを見つけると座りたくなったり、足腰に力が入らなくなったり、つまずきやすくなったり、腰の曲げ伸ばしがスムーズにいかなくなる等、症状も様々です。腰や背骨、膝関節等は周囲の筋肉で支えられていますが、この筋肉が衰えると、少しの負担でも痛みが起こるようになります。又関節には、骨の表面を薄く覆い、弾力性に富んだ「関節軟骨」があります。関節軟骨は歩いたり、階段の上り下り等の時に、関節に加わる衝撃や負担を和らげ、動きをスムーズにする働きがあり、骨そのものがすり減ることを防いでいます。しかし関節軟骨が徐々にすり減ると、すり減った時に生じる「磨耗物質」で炎症を起こしたり、じかに骨がぶつかり、痛みが生じるようになります。 漢方では、痛みは自然環境や生活習慣、身体の機能低下により起こると考えている事は、前回(漢方講座D)でもお話しましたが、合わせて、足腰の筋力を強くし、関節や軟骨を丈夫にさせる「補腎薬」と呼ばれる漢方薬の服用も効果的です。参茸丸、至宝三鞭丸、鹿茸大補丸、海馬補腎丸等があり、状態に合わせたものを選択する事が大切です。 足腰に力をつけ、元気な毎日をお過ごしください。 | |
| 養生005 関節痛(1) | |
| 日ごとに気温が下がるこの時期、関節痛のご相談を受ける事が多くなります。首、肩、腕、肘、腰、膝、足首等、部位も様々。時には関節から筋肉まで及ぶ事もあります。 症状も慢性化すると、「痛みが強くなる」「痛む場所が広がる」「痛み止めが効かなくなる」、という事や、年齢により関節を支えている軟骨の消耗も激しくなり、痛みも強くなります。 一度、ご自身の痛みを観察してみませんか。△関節や筋肉の痛む場所はいつも同じか△痛みは激しいか、鈍いか△温めると楽か、冷やすと楽か△他にどんな時に悪化するか(例えば、冷えた時、雨の日、長く歩いた時、階段の上り下り等)△一日のうちで特に辛いのはいつ頃か(朝、夕方、夜間等)△痛む部位は腫れやこわばり、シビレ感があるか。 漢方では、痛みは自然環境や生活習慣、身体の機能低下により起こると考えています。まずは原因と思われる環境や習慣の改善をしてみて下さい。例えば、痛みが雨の日に悪化するなら布団を干したり、部屋の湿度を下げる工夫を。冬に悪化するなら患部を保温させる事により軽い症状は楽になります。しかし根本から治療する為には、漢方療法で、痛みの原因を積極的に排除し、痛みを起こさない身体作りが大切です。痛みを克服し、健康な毎日をお手伝いします。 | |
| 養生004 長引く咳と肺の関係 | |
| 「咳」は肺の機能が低下した時に現れる症状の一つです。慢性的に咳が続く状態は「肺の機能に何らかのトラブルが発生している」というサインなのです。肺の機能失調が長引くと、風邪をひきやすくなったり、慢性気管支炎、喘息等の疾患に移行しかねません。「咳」と言う信号に注意深く耳を傾ける事が大切です。咳が長く続いている方は、どの様な咳が出ているのか観察をしてみて下さい。寒くなると悪化する咳は、肺の温める力が不足した状態。空気が乾燥すると悪化する咳や、痰がからむのは、肺の潤い分が不足した為で、秋から冬にかけて多く見られる症状です。又、痰の量が多くゼロゼロした咳は、余分な水分が代謝されずに肺に溜まった状態で、咳を鎮めるだけでなく、余分な水分を取り除く事が必要です。その他、疲れると悪化する咳は、普段から肺の機能が低下している為。緊張やストレスで悪化する咳は、ストレスを一番受けやすい「肝」の働きが乱れ、これが「肺」の機能に影響して起こる為です。この様に「咳」と言っても原因は様々で治療方法や使用される漢方薬も全く異なります。西洋医学の咳止めは、一時的に咳を鎮める事を主としますが、漢方薬は肺の機能を改善し強化する事を特徴とします。つまり肺の機能を強化する事は、免疫力や抵抗力を高め、様々な呼吸器疾患の予防にもつながるのです | |
| 養生003 夏ばてと胃腸症状 | |
| 今年は早くから猛暑が続き夏ばての方も多いようです。エアコンの効いた部屋で、冷たい飲み物や食べ物を摂る事が多くありませんか。食べ過ぎ、飲み過ぎ、偏った食事が良くない事はご承知の事と思いますが、この「冷たい物」の摂り過ぎも胃腸に大きな負担となります。エアコンで冷えた身体にさらに冷たい物が入ってくるのですから、胃腸の働きが著しく低下して、倦怠、無気力、食欲不振、食味の低下、胃のもたれ、腹痛下痢等の症状が現れます。このような症状は日頃のちょっとした工夫で防ぐ事が出来ます。例えば、冷蔵庫から出した物を少し室温に戻してから食べる、冷たい物を一気に多量に摂り過ぎないようにする等です。胃腸がもともと弱い方、冷え症の方は特に注意が必要です。もし症状が現れてしまった時は漢方薬がお手伝い致します。参苓白朮散、香砂六君子湯、人参湯、建理湯、平胃散、五苓散、?香正気散等あり、急性症状や慢性胃弱の体質改善等、たくさんの処方が用意されています。これらの漢方薬は、体質に合わせて服用する事が大切です。日頃からこの様な症状でお悩みの方は是非一度ご相談ください。 | |
| 養生002 湿度と辛い症状 | |
| 蒸し暑いこの時期になると持病が悪化する方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。例えば関節の痛み、身体や手足の重だるさ、腰痛、頭重、めまい、食欲減退、もたれ、ジクジクする湿疹、軟便下痢、むくみ、倦怠感、無気力など。 梅雨時期に悪化したり、曇りや天気が崩れる日に症状が現れたり、悪化したりする事もあります。 実は湿度が高くなると体調が悪くなりがちな方は、もともと体内に水分を取り込みやすい体質の方や、水分が代謝されずに溜まり易い体質が考えられます。このような体質≠フ原因には、水分や冷たい物の取り過ぎや、胃腸の働きの低下による「内的要因」、水を使う職場で働く方や湿気の多い場所に住んでいる方などの「外的要因」等が関係しています。一度ご自分の舌を鏡で観察をしてみて下さい。全体又は一部が白色や黄色の苔が付いているようでしたら、要注意! 身体に過剰な水分が溜まっている状態です。一度溜まった水分を出す事は難しく、胃腸の機能を活発にしながら水分代謝を調整しなければなりません。少し時間はかかりますが、天気や湿度に左右される症状はなくなり、前に述べた「舌の苔」も薄くなります。 漢方薬も体質や症状により、たくさん用意されています。本格的な夏を迎える前に体質を改善し、曇りや雨の日の不安から解放される身体作りをなさってみてはいかがでしょうか。 | |
| 養生001 「症状」の考え方とその捉え方 | |
| 漢方薬にまつわるお話や、ふだん気になる「痛み」や「繰り返す」症状、養生方法等について、漢方の考え方に基づいて分かりやすく、お話してゆきたいと思います。宜しくお願い致します。今回は、「症状」の捉え方についてです。私たちは病気に罹る時、又はその前に自身に「信号」を発します。特に慢性の病気や重い病気の場合は、長い期間「信号」を発しています。この信号の事をいわゆる「症状」と言っています。日頃気にならない程度のものもあれば、辛く重いものと様々です。しかしその症状の裏に重い病気が潜んでいる事も少なくないのです。鎮痛剤や感冒薬等の一般薬は、その時の症状のみを取るので「対症療法」と言いますが、漢方はこの症状の原因部分を根本的に改善させるで「病因療法」と言っています。つまり症状の根本を治す事で病気を未然に防ぐ事ができるのです。例えば、季節の変わり目によく風邪をひく方がいるとしましょう。感冒剤を使う事で「風邪」の症状は改善されるでしょう、また風邪をひけば感冒剤の服用・・・しかし「風邪をひきやすい」は変わりません。一方、漢方では「風邪をひきやすい」と言う原因部分を根本的に改善させる事により、「風邪」と言う症状を起こさないようにします。つまり、漢方薬で「症状」が消えたと言う事は、病気の原因が治った事の証なのです。症状とは、身体から発信された「信号」である事には変わりないのですが、それを見逃す事が、後で重大な結果を招く事になるかもしれない、と言う事をしっかり覚えておいて頂きたいと思います。このコーナーが、皆様の健康、元気な毎日を送れるよう、少しでもお役に立てれば幸いです。 | |