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8月15日 はじめてのドイツ競馬体験
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| 今日はマリアなんちゃらとかいうカトリックの祭日で、バイエルン州では公式の祝日である。当然店も開いていないし、とても静かである。多少気分が良いので、Riemでやっていると思われる競馬に行ってみることにした。はっきりいって、競馬が本当にあるのかどうかもわからなかった。研究所のドイツ人に聞くのもなんかマズイかなと思ったりして結局聞かずじまいだし。でも、このままウダウダしていても絶対にいいことは起こらないし、今日は自分から動いてみようという気が起こってきたのだ。それで何もわからないままTagesKarteを握り締めてSバーンに乗った。
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S6でRiemへ。建物が切れ、人気がなくなってくるにつれてものすごく不安になる。列車は別に混んでいるわけでもないし、こんなんで大丈夫なのだろうか・・・。Riemに着いた。10人ほどが下りる。そのうちのほとんどがある一つの方向に歩きはじめた。これについて行けば・・・・あ、Gallop in Riemの大断幕がある!確かにこれで良いようだ。バイエルンの民族衣装を着たおじさんがTURFという明らかに競馬情報誌と思われるものを売り歩いている。1人が買った。自分も買ってみよう。・・・・やっぱり、競馬だ!"1Rennen 1200m"という文字とともに出馬表が・・・。入場料が9マルク・・高いなと思いつつ本当に競馬があることに胸が高鳴る。
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チケットを渡してゲートをくぐるとそこは頭に描いていた通り、いやそれ以上の素晴らしい世界だった。簡素な施設とスタンド・・・しかし素晴らしい馬場!地方競馬にありがちな小回りコースなどではなく、日本の中央競馬場以上の素晴らしい馬場だ。一周1800m、深く根づいた芝がきれいに手入れされ、一点の曇りもない。馬場は十分に広く、直線も長い。レースは左回りで行われるらしい。
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レース開始は14:00と遅く、13:00過ぎに着いた自分はゆっくりといろいろ調べる時間があった。早めに来た人は思い思いに過ごしている。バーでもう飲んだくれている人もいれば、レストランで食事を楽しんでいる人もいる。はたまた、情報誌に真剣に見入っている人も居る。自分も情報誌を開いてみる・・・すると3ページ目に明らかに分かるように馬券の買い方が書いてある!マークシート方式か・・・ふむふむ、これはSieg(勝利)っていうのが単勝、Platte(入着?)これは複勝だな。Zwitte(二つ?)これが馬連か・・もしかしたら馬単かもしれん(あとで調べてみて”正しい順番で予想する”という文言を見つけたので馬単であることがわかる)。そしてDritte(3つ)これは3連複か3連単だな。よし、これはできるぞ。だが・・・この情報誌全てドイツ語でかかれており、記号なども良く分からない。その辺の人に聞けば分かるのだろうが、ここに居る人のほとんどはドイツ語しかできないだろうから、質問の意図を伝えるのが大変だ。まあ、いい。これがわかったところで何の足しにもならん。とにかく、馬を見て決めよう、と決心した。
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一人の男性が声をかけてきた。良く分からないと言うのだが、しきりに情報誌をさしてこれをくれということを言う。どうやら、情報誌の後ろに附いているくじが欲しいらしい。どっちにせよ自分には良く分からないものなので、彼にあげることにした。
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この場に自分がいることが、自分でも信じられないという感覚が強い。なにか夢の中にでもいるようだ。周りの人たちも自分のことを珍しげに(不可思議な目?)で見る。なんでこんなところにJapanerが?という感じだな。一応日本人を捜してみたが、誰も居なかった(当然)。観客は1000人ぐらいだから。
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第1レースの馬がパドックに出てきた。パドックといっても大袈裟なものではなく、遊歩道に柵が着いているだけという感じだ。手を伸ばせば馬に触れそうだし、入れ込んだ馬がいると少し恐い。第一レースの1番Great Emotionという馬はその名の通りものすごい暴れ馬で、厩務員の人がひきづられるようにして周回していた。5番のアイルランド馬がとても良さそうに見えた。騎手もここのリーディングジョッキーらしい。わからないときは騎手で買えというのを信じてこの馬の単勝を10マルク買った。ポーンというジャンプのスタートと同じような音でスタートが知らされる。ファンファーレとか入場行進曲とかそういう華美なものは一切ない。わけわからないままゴール。あれ、5番はどん尻の方だったぞ・・・。うーむ。
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第2レースは1400m。どうやら、4番の馬と6番の馬が人気を分け合っているらしい。パドックで見たかぎりでは4番がやる気なさそうに見えたので(今日は嫌だなあ・・と目が言っていた)、4を切ることだけ考え、次に2番の馬が良さそうに見えた。騎手は・・さっきのリーディングジョッキーだ。よし、2の単勝5マルク、それと2から6番の対抗馬に馬単?5マルクだ。結果は・・・6番が1着。強かった。人気薄のMy Javaという馬が2着に突っ込み、4番が3着。どうした、リーディングジョッキー?
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ここで、気づいたことはパドックで見て良いなあと思った馬が、返し馬で重たい動きだったこと。よし、次は返し馬で決めようとここで決心する。ここのレースは基本的にハンデ戦なので、騎手が乗ったときの動きで見ないとね。
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| 第3レースはマイル戦。ここまで全然外していたので、ちょっと買い控えることにした。パドックは1番、2番の馬がやっぱり良さそうに見える。この両馬はハンデ59.5Kgということで結構嫌われているみたいだ。だが、特に1番のアメリカ馬は、他の馬が太く見える中で、きりりと締まっており毛ヅヤも最高だ。また、普段ここで乗らない騎手が乗りに来ているらしい。勝負気配が見える。1番はトップハンデでも堅いと思った。10番の馬がとても賢そうな良い馬に見える。というか好きなタイプだ。牝馬でこれまでの成績も良く、一応パドックでは1ー10ー2かなと思う。10番は人気にもなっている。馬番はだいたいハンデ順になっているので、わかりやすい。
返し馬に入って、1番の馬は素晴らしい、素軽い動きだったのでこれは大丈夫と思う。2番の馬がとても重く見えたので、2は止め。10番・・・うーん、よくわからん。もう一つのような気も。あれ、あの馬凄い良い感じだ・・8番か。人気もハンデも手ごろだし、よし、1ー8一点、5マルク購入。
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レースが始まって・・良く分からない。ターフビジョンも双眼鏡もないから・・・でも1番が1着だったことは確かだ。内側で残っていた馬は・・8番じゃないのか?もしかして的中?急いで室内のモニターを見る。やっぱり8番だ。でも外の10番が最後差したかもしれん。まわりではeins-achtという声がする。このまま確定してくれ・・日本のようにすぐに確定しない。じりじりとした時間が過ぎる。確定・・・やった!1ー8だ。そしてZw.1107の文字。これは10マルクに対する払い戻しが1107マルクであることを示す。つまり、日本式に言えば11070円の万馬券だ!体が震える。一点で万馬券を当てたことなど、日本でもないこと。あまりの幸運に夢じゃないかと思う。
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| しかし、どうやって払い戻すのだろう。売り場のお姉さんに馬券を見せてみる。これ、的中?機械に通して・・表情が変わる。5マルクにたいし553マルク50ペニヒ。100マルク札できちんと数えて渡してくれた。ものすごく驚いた様子で(ちょっと悔しい感じで)アイコンタクト。こちらは笑みを隠そうとしてしきれない。
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しかし、なんで10マルク買わんかったかなあ。それに、10番が3着だったのだから、3連単でも当たっていたんじゃないのか?という思いがふつふつと・・。人間の欲は底知れず。
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4レースは1番のトップハンデが良い馬で明らかに勝つだろうと思った。だが、オッズを見ると単勝1倍だ。こりゃ買えないなあ。懐もあったかいので、良さそうに見えた2.3.5に1から10マルクづつ流した。結果は1番が3コーナー先頭から押し切り、2番人気の4番が2着、3着が3番人気の3ということで3連単でも12倍というものすごい堅い決着になってしまった。
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5レース、5番がとても良く見え、また、トップハンデの1番がものすごい大型馬だったのでハンデは関係ないだろうと思い5番の単勝と1ー5の馬単を買う。しかし、結果は人気の軽ハンデ馬の決着となってしまった。
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もう運も下降線みたいだし、もとからあんまり遅くまでいるつもりもなかったので今日はここらで帰ることにしようと家路についた。それにしても、経費を引いても450マルクは儲けた。これは、1ヶ月の生活費に匹敵する。むぅーー凄いな。
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総括してみると、競馬場の雰囲気は素晴らしく、牧歌的でもあり、非常に居心地が良かった。家族連れ、老夫婦、競馬オヤジがほとんどで、若い人は少ない。危惧していたような危険な感じは微塵もなかった。定期的に1ヶ月に2日ぐらい開催されるようだ。また来よう!
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ここでの勝負の傾向についてまず感じたのは、人気は結構信用できるということである。少なくとも、単勝が2倍以下の馬は必ず来ている感じだ。一方、1番人気が4倍以上の時は、20倍までの馬全てに勝機があるようだ。そういうレースでは1番人気を外して、調子の良さそうな10倍前後の馬で勝負するのが良いだろう。あと、人気が2頭に集中したとき、返し馬を見てどっちかを落とすというのは良い手だろう。
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返し馬では、どちらかというとピッチ走法の素軽い感じの馬が好走しているように思う。まあ、まだわからないが。あと、思ったより差し届かない印象だ。重たい馬場が影響しているのか、切れる馬が居ないだけなのかわからないのだが・・・。タイムを見ても、マイルで1分40秒ぐらいかかっている。日本じゃ1分35秒は楽に切るので、馬場が重いことは確かだと思う。レベルはあまり高くないのかもしれない。
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しかし、今日はとても気分が良い。何よりも、自分から未知の世界へ足を踏み入れたこと。それを誉めたい。それに対して、神様が御褒美をくれたような気がする。これからもいろいろなことに自分から踏み込んで行けるような気がしてきた。よい日だったと思う。
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