7月( 第13~17週)
あぐりの店に、辰子がやってくる。チェリーにあぐりの右腕となって働くように言われたのだと言う。今度は太田とめという若い女性が逃げ込んでくる。家業を継ぐのが嫌で東京に飛び出してきたのだ。あぐりはとめを内弟子にする。あぐりはパーマネント機を購入し、とめにパーマをかけてみたところ、結果は大成功だった。 (13)美容院開店(6月30~7月5日)
あぐりの店がいよいよ開店した。ところが、集まってくるのは野次馬ばかり。光代は、自分の髪を洋髪にして、パーマネントの良さを宣伝する。
伯爵夫人が来店し、先にやってほしいと言うが、あぐりは順番厳守だと言って断る。それを見ていた客の平山真佐子はあぐりの姿勢を気に入る。真佐子は有名な女流さっかだった。
(14)母からの贈り物(7月9~14日) かつて美佐から金をだまし取った岩見が、あぐりの家を訪ねる。岩見はエイスケに大量の昆布を売りつけ、来年には値がはね上がるという。ところが、美佐と五喜がやってきて、岩見の正体がばれる。世津子が調べたところ、昆布はただ同然という。しかし、岩見が突然大金を持って戻ってきた。昆布の相場が急騰したと言う。
入学は再来年だというのに、美佐が淳之介の小学校の制服を買ってきた。不振に思ったあぐりが五喜に聞くと、美佐は癌で、長くないという。美佐が明るく振る舞うほど、あぐりはつらい。
あぐりの店に思いがけない客が来た。女学校時代の親友、民子だ。民子は陸軍小差の妻となっていた。エイスケは作家として文壇で注目を集める。そして民子は燐太郎を好きになってしまったとあぐりに告白する。 (15)男と女の間には(7月16~21日)
岡山から光代が出てきてしばらく暮らすという。光代は突然バイオリンを始める。バイオリン教室の片桐に好意を持ったらしい。
民子は燐太郎に会いに世津子の店に行くが、夫の五十嵐少佐にばれて外出禁止に。ところが民子は夜、家を飛び出して燐太郎に会いに行く。燐太郎は民子に、もう自分に関わらないでほしいと言う。
昭和8年、美容院は順調だった。警察の思想弾圧が厳しくなり、プロレタリア文学の作家たちが次々と取り締まりを受ける。多くの才能が抹殺される中、エイスケは苦しむ。
(16)別れの曲(7月23~18日) 美佐の様態悪化の知らせに、あぐりは岡山に急行。美佐は喉に癌が広がってしゃべれない。美佐が五喜の結婚を楽しみにしていることを知ったあぐりは、五喜に花嫁衣装を着せて美佐の病院に連れていく。あぐりはエイスケと結婚して良かったと美佐に語りかける。美佐は静かに息を引き取る。
あぐりは女の子を出産。エイスケは和子と命名する。エイスケは人が変わったように子煩悩になり、和子を可愛がる。
警察の思想弾圧が激しくなり、悩むエイスケ。森が訪ねてきて、エイスケに闇のような世界をあざ笑いながら書き続けるべきだと言う。国家など幻想に過ぎないと言う論文を残して森は姿を消す。森の逃亡を助けた世津子にも警察の手が延びる。(17)受験生の母(7月28~8月2日) 小学6年生の淳之介は、同級生の尚久に頼まれて学校中の人気者、池田諒子へのラブレターを代筆する。手紙が先生の手に渡り、あぐりは学校に呼び出されるが、エイスケは淳之介を褒める。
涼子が転校。淳之介、尚久、南の3人は模擬試験をサボって安吉に誘われて涼子の引っ越し先に行く。先生や父母は乱暴者で有名な安吉が皆を脅して連れて行ったと決めてかかる。淳之介たちは安吉の名誉を守るためにエイスケの書斎に立てこもる。
淳之介の受験が始まる。最初の試験日に二・二六事件が発生。民子の別居中の夫・五十嵐が責任を取って自決した。エイスケは時代に絶望し、ものを書くことをやめてしまう。
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