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本日は昼から講師をやってきた。尾張地方で知人が経営のする建設会社の安全大会だった。テーマは「名古屋人の気質を生かした安全」・・・うーん、自分で付けたタイトルながらわかりにくいなあ。
定刻の30分前に会場の津島勤労福祉会館に到着。しかし駐車場が満杯。隣接のサッカーグラウンドの一番端の方にしか停められなかった・・・。いかん、始まる前から体力消耗だ。それにしても他になんか大きな行事でもあるんだろか。人もやけにたくさんいたし。会場に入って係りの人に案内され、知人と挨拶を交わし・・・と、会場は? あれっ? 会議室かなんかじゃないんですか? 講堂? 聞いてないよ。聞いてないっていうか、勝手に決めてかかってた。2〜30人くらいかと。300人? マジっすか? マジみたいだ。まずは社長挨拶、安全表彰の後、労基署の署長がスピーチ。20分くらい話したかな。その次が私。「特別講演 本部先生」だって。順番は労基署の署長の後? ってことは、あっちは前座? 見てないだろな。見てたら怒られる。しかしこんなことは多分二度とないよ。さてと、登壇。定員は約500人、結構埋まってるぞ。それでは本部大先生、張り切ってまいりましょう!
(途中略)
なんとか終わりました。45〜50分くらいはしゃべったかな。
ということで、今日は「講演」について一講釈。「あがらないですか?」とよく聞かれるが、今はほとんどあがることはない。30人と思ってたら実は300人でも大丈夫。3000人でも多分OK。しかし昔はあがりました。それもかなり激しく、そして情けないほどに。みんなの前に立つと、比喩とかではなく、本当に足がガクガク震えたものだ。小学校中学校のときの朝礼台の上だとか、社労士の講座の講師をやり始めた頃だとか、震えた震えた、本当に震えた。始まる前はいつも激しい下痢になっていた。正露丸とは大親友になった。中学校のときに「本日朝、朝礼台の上に立たないといけない」なんて日には学校をズル休みしたことすらあった。えっへん。威張るな。とにかくそれくらい嫌だった。それが何で今はあがらなくなったのか? 答えは簡単。慣れ。場数。それ以外になし。15年近く、社労士の講座の講師をやり続けた。それプラス某団体でやたらと「挨拶」の多い役職を3年連続でやった。それだけこなせば何とかなる。それでもあがる人はいるが、それはかっこよくやろうとしているからだと思うよ。自分のかっこ悪いところを見られたくない、とか。そんな気持ちがなければ、回数をこなしてさえいけば絶対に「あがり」なんてなくなる。「人前で話すのはどうにも苦手だ」という人は、そういう場面をどんどん避け続けるからその状況はなかなか変わることはない。とにかくやり続けるしかないと思う。「そんなあなたは特殊です」なんてこという人は永遠にあがり続けるだけだ。
あがらないコツ? まあこれは人それぞれだと思う。手のひらに「人」と書いてなめるという話をよく聞くが、それやって吐いてた人を見たことがある。私の場合は、観客の中で反応の良い人、どんなにウケが悪くても一人や二人は必ずいるものだから、その人だけに話す感じで話す。常に会場を見渡しながら話せ、とよく言われるが、私の場合それはダメ。反応の悪い人、怒ってるような顔の人の方を見たときにはどうしても気になってしまうので。まあ会場の雰囲気にもよるけどね。完全身内(仲間)の中での講師ならほとんどが仲間なワケで視線も初めから概ね好意的なので思い切りリラックスしながら出来るから失敗することもほとんどない。笑いも取り放題もみたいな。しかし完全アウェイの場合なんかだとそう簡単にはいかない。初めて行く土地で観客も動員された人がほとんど、みたいな場合がそれだ。私に対して「なんだこいつは?」オーラが出まくっている。それをほぐすだけで時間だけがいたずらに経ってしまう。そんな失敗もあったな。今は、「聴衆に媚びない」、これだ。そんなのは時間の無駄。あえてKY、これも「オヤジ道」の特権だ。これが若いときにはわからなかった。時々、若い講師なんかで聴衆の反応が悪いと、あせってつまらないギャグを言ったり媚びに入ったりするものだが、大体において逆効果だ。さらに悲惨な状況に追い込まれていく。何人も見てきた。「聞きたくないヤツは寝てろ」・・・・これでよいのだ。もちろん本当に言ってはいけない。心の中でそう思いつつやる、ということだ。
とは言うものの、呼んでくれた人、団体への配慮は忘れてはいけない。これも別に「媚びる」ということではない。何のために呼ばれたのか、理由(大体の場合は講演のテーマ)があるはずだから、それに即して進めていけばよい。それが最も「義理立て」することになる。そして私の場合は、「今日はどんな人が来ていますか?」という点を必ず確認する。動員であれなんであれ、わざわざ来てくれた人たちの気分を好き好んで害することはない。というか、してはいけないと思っているので。一時は、どんな集まりでも、どんな内容でも、必ずと言っていいほど「トヨタ系」の人が混ざっていたものだが、最近はすっかり見かけなくなった。やはり、錦同様、こういうのの出席を「自粛」してるんだろうか。
さて、肝心の話・スピーチの方だが、私の場合は専門性などないから、もう本当にいろいろなことを話させられる。本が出た最近でこそ「名古屋モノ」も少なくないが、やはり基本的には本業部分の講演が多い。頼まれればなんでも話す。まさに講師芸者だ。だから、竹村健一や野村監督のように、どこでも同じような手垢にまみれた話をして高額な講師料をせしめる、という技が通用しない。講師料? 時価。安いッスよ。一昔前、「日本の講師250人」という本に載せてもらったことがあるが、講演料は下から2番目だった。まあ安いとよく呼んでもらえるからそれでいいと思っている。グスン。あっそうそう、話の方、スピーチの方ね。私の場合は、出だしのワンフレーズと締めのワンフレーズ、これだけは必ずバッチリ決めておく。出だしも大事だが、やはり大事なのは締め。それまでうまく話しても、最後がグダグダになって終わってしまえばすべてが台無しになる。「こうやって終わる」というのだけはキチンと決めておかないといけないと思う。途中は、本の段落のように大まかにだけは考えておく。でないと、まさに「話があっちへ行きこっちへ行き」状態で散漫になるので。それは紙に書いておいて堂々と時々見ても全然良いと思う。講師で食ってるみたいな人以外では、60分90分の講演を筋道立てて時間一杯続けるのは本当に至難の業だと思うので。途中の細かい話はすべてアドリブで十分。っていうか、そんなもの書いてたら厚さが電話帳くらいになっちゃうし、何より聞いてる方も興醒め間違いなしだ。
そして一番心がけていること。それは・・・「ガツガツ笑いを取りにいかないこと」・・・すべったときこれ以上惨めなことはない。その後の修復もほとんど不可能。去年TBSに出たとき、昔のスタッフからメールが来て、こんなことが書いてあった。「〜略〜 くれぐれもイジリー岡田みたいにガツガツ笑いを取りにいかないでくださいよ〜」と。イジリー岡田には悪いが、本当にその通りだと思った。講演において、笑いを取ろうと思って取れる人は本当にすごいと思う。あと、途中でキレるのも最悪ですな。当たり前だが。偉そうなのもたまらん。そんな風にだけはなりたくないと思っている。昔聞いた、俵孝太郎の講演はその両者を満たしていてまさに最悪だった。上から目線の語りももちろんだが、なんか突然ある観衆にものすごい勢いで怒り出した。どうも話をテープで録ってたみたいで。深い意味はなかったと思うのだがそれが許せなかったらしく、「貴様は知識の泥棒だ!」とか言ってた。そもそもテープに録るような値打ち,のある話とは到底思えなかったけど。自意識だけは相当お高いようで・・・。ちなみに、聞いてて例外なく「面白い」と思えるのは、大体自民党の議員達。ハッキリ言って上手。今ボロクソ言われている人たちもみんなそう。官僚上がりはちょっと、という感じだが、それ以外は抜群。民主党などの野党は、ちょっと硬過ぎて面白くないかな。組合の偉いさんは官僚上がりと同じ。自民党の議員達はやはり「場数」、「慣れ」が桁違いなのだと思う。この人の話を聞いていると引き込まれるなあ、と感じたのは、小泉純一郎、田中真紀子、石田(愛知県知事選挙で惜敗した人)とかかなあ、実際に聞いたことがある中で言うなら。
まあ何と言っても言葉は心、コミュニケーションの基本、こんな私でもなんとかかんとか「人前で話すのは楽しい」と思えるところまでせっかく来たので、残りの人生、「書くこと」、「話すこと」の比重を少しでも増やしていきたいと思っている。そんな機会があればどこへでも行きまっせ。ギャラ? だから「時価」だって。なきゃただでもやります。ただし上手に頼んだらね。
いやいやいや〜、(センスでぺんぺん頭を叩きながら)、K建設のK社長、本日は呼んでいただいて誠にありがとうございました。と、依頼者にはとことん腰の低い私であったとさ。
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