妙法蓮華経方便品第二

舎利弗のごとき利根の者に、仏の真実智と方便智を直ちに説く(法説)三乗は一乗の顕現に他ならないことを略示。(*IH)

 世尊が慇懃(おんごん)に方便を称歎され、舎利弗に諸仏の第一の方便たる甚深微妙にして解り難き法を称歎したもう。
大衆の諸々の声聞、阿羅漢などはなぜ慇懃に諸仏の第一の方便たる甚深微妙
にして解り難き法を称歎したまい、法華以前には三乗の人は真実の悟りを得ると
説かれたにも拘わらず、今に及んでそれらは皆、方便であると言われて、その意
味が分からず、不審に思っているのを舎利弗は知り、また自らも亦、未だ了(さと)
らずして「唯、願わくば世尊よ、斯(こ)の事を敷衍(ふえん)したまえ。」と請い、
仏は「やみなん、やみなん。また説くべからず」と言われた。

 仏の「やみなん、やみなん」が三度あり、舎利弗の「願わくは説きたまえ」も3回
あるので、これを「三止三請」と名づける。法華経の、軽々しく説くべきものでない
所以を表している。(*IH)

 世尊は答えられた。仏は一仏乗をもっての故にのみ、衆生のために法を説きた
もう。余乗の若しくは二、若しくは三あることなし。諸の衆生類のために分別して三
乗を説くなり。当来世の悪人は仏の一乗を説くを聞いて、迷惑して信受せず、法を
破して悪道に堕せん。当に、諸仏の法はかくの如く、万億の方便をもって宜しきに
随って法を説きたまう。

欲令衆生 開仏知見 使得清浄故 出現於世 欲示衆生
仏知見故 出現於世 欲令衆生  悟仏知見故 出現於世
欲令衆生 入仏知見道故 出現於世 舎利弗 是為諸仏
唯以一大事因縁故 出現於世 

(*IH)は法華経(岩波文庫)の解説から引用
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