箱根・明神ヶ岳
2006年11月25日(土)

古期山体の明神ヶ岳に登りました。
強羅まで箱根登山鉄道で登り、そこから一旦宮城野まで下ってからの登山です。
別荘地を抜けていく登山道はとても気分が良く、初心者でも楽に行けます。


箱根登山鉄道


箱根湯本から登山電車に乗って強羅まで。
ここはスイッチバックで運転手と車掌が後退する場所です。
箱根登山鉄道の勾配は80‰。粘着式レール(アプト式のようなギアを使わない、通常の車輪とレールの摩擦だけで進 む方式)では世界第2位だそうです。
ちなみに1位はオーストリアのペストリングベルク登山鉄道で、勾配は105‰。1000m行くと105mも登ってしまうんですね。

宮城野


嬰寿の命水。
お菓子屋さんの前に湧き出ている清水ですが、ここのお菓子屋さんはこの水を使ってお菓子を作っているそうです。
この清水を口にすると子宝に恵まれ、福運がもたらされるそうです。

明神ヶ岳登山道


明神山腹から見る中央火口丘の早雲地獄です。
ここからの土石流が強羅の台地の一部をを形成しているのですが、遠くから見るとその跡が見て取れます。

明神ヶ岳登山道


明神ヶ岳は成層火山と言われており登るに連れて溶岩流と火砕流が交互に現れてきます。
こちらは溶岩流。
発泡による空隙がが引き延ばされ溶岩の流れが見て取れます。
これだけ見ると、走向、傾斜は確かに中央火口丘の方向に給源があると予測されます。

明神ヶ岳登山道


そしてこちらが火砕流堆積物です。

明神ヶ岳登山道


溶岩流。
岩石の角が丸くなっているのは、登山者によるものでしょうか。それとも流下時に丸くなった物でしょうか。

明神ヶ岳登山道


火砕流。
画像上部は再溶結していると思われるような堅さでした。

明神ヶ岳登山道


宮城野から1時間半ほど登ると鞍部に出ます。

明神ヶ岳登山道


笹で最初は気付かなかったのですが背伸びすると富士山が奇麗に見えました。

明神ヶ岳登山道


鞍部からの中央火口丘の眺めです。右側に大涌谷も見えてきました。

明神ヶ岳登山道


左に目を転じると、新規山体(浅間山、鷹巣山とその向こうに二子山ドーム、駒ヶ岳が見えます。

明神ヶ岳登山道


さかんに噴気をあげる大涌谷。
コントラストが悪いので、この画像からは神山からの山崩れ堆積物ははっきりと見えません

明神ヶ岳登山道


頂上はまもなくです。
眼下に強羅の扇状火砕流台地と早川に深くえぐられた崖がよく見えます。

明神ヶ岳登山道


山頂近くの溶岩塊。今にも崩れ落ちそうです。
内部がこれだけ白いのは何故でしょうか。箱根の岩石は安山岩と聞いていたのでこの色にはちょっと理解でき ませんでした。
パミスには見えませんが・・
手に取ってみたらそうなのかもしれません。

明神ヶ岳山頂


手前が足柄平野。国府津松田断層を目で追うことができます。
その向こうに大磯丘陵と画像では見づらいですが、江ノ島も見えました。

明神ヶ岳山頂


見事に晴れ渡り、富士山と金時山の共演が見事です。
富士山直下の金時山から左に長尾山、乙女峠、丸岳、長尾峠と続き、その向こうが愛鷹山。

この形状を見ると確かに単一の成層火山が落ち込んだカルデラと見えても不思議ではない気がします。
素人目には阿蘇の外輪山と同じ印象があり、単一火山の崩落ではないとしても、マグマだまりへの崩落を想像 させる形状です。

明神ヶ岳山頂


これが明神ヶ岳の有名な成層構造の露頭です。
この断面の成因がマグマだまりへのカルデラ崩壊ではないとしたら、一体なんでしょうか。
萬年・他(2006)(神奈川県温泉地学研究所報告、第38巻「箱根・強羅付近地下の地質構造−特に湖成堆積物の 分布とその堆積環境」)を見るとここは強羅カルデラと呼ばれる、一種の爆裂カルデラが存在するということら しいです。
ブーゲー異常の存在から強羅地区にその火口らしきものがあると考えられるそうで、箱根の古期山体にはこう いった小さめのカルデラが多数存在したであろうという推測がされております。

明神ヶ岳山頂


教科書のお手本になりそうな成層構造です。
走向、傾斜だけ見ると単一の成層火山の存在が思い浮かびます

明神ヶ岳山頂


山頂直下で間近に観察ができます。
風化、植生が強い箱根にしてこれだけの露出地形が残っていると言うことは、生成からそれほど時間が経っていないためか、 浸食スピードが速いかということになると思いますが、いずれじりじりと壁面が後退していくのは避けられないのでしょう。

明神ヶ岳山頂


秋の山は休息に寒くなってきます。早々と下山しました。
この画像の中心部あたりに強羅カルデラの中心部があるようです。そういった目で見ると確かにそう見えま す。

明神ヶ岳下山道


下山の途中で、テフラ屋さんが興味を引きそうな地層がありました。

明神ヶ岳下山道


これはなんでしょうか。
このあたりは中央火口丘の火砕流が何回か這い上がって襲っている場所なのですが、構成物の大きさや淘汰 の良さから火砕流や、サージでは無いようにも思えます。
上下のオレンジ色の堆積物は中央火口丘からの軽石層に見えますが、真ん中の地層はスコリアのような気が します。いつの時代のスコリア噴出でしょうか?


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