「つくばエクスプレス」(略称TX)が、2005年8月24日ついに開業しました。計画決定から20年、10年におよんだ建設期間。当初は「常磐新線」とも「第二常磐線」とも言われてました。いやいや、これは常磐線ではありません。新しい都市軸を結ぶ、まったく新しい鉄道なんです!

だいぶ熱の入った弁ですが、別にTXのまわし者ではありません。単なる鉄道ファンです。で、ファンたるものまずは乗るべし!ということで、開業2日目さっそく往復してきました。秋葉原に用事はなかったのですが。


 ■概要

秋葉原とつくば研究学園都市の間、58.3kmを最高時速130km、最速45分で結ぶ都市高速鉄道。運行は、ATC(自動列車制御装置)のもとでATO(自動列車運転装置)によるワンマン運転。つまり運転手は別に何もしなくても、居眠りしてても大丈夫! のはずないですね。運転手はいろいろやってます。で、全20駅のホーム上には列車運行と連動したホーム可動柵があるので、「人身事故のため不通」なんてこともまずないでしょう。高架とトンネルなので踏切もありません。平成5年に当時の日本鉄道建設公団、今の鉄道・運輸機構が建設をすることに決まる。環境影響評価、都市計画決定の手続きを経て、平成6年10月に秋葉原で起工式が行われる。それから12年ついに、とういうかやっと完成。2005年8月24日(水)に開業。



 ■路線

首都圏の北東部を縦断。東京都内に秋葉原から六町まで7駅、埼玉県に八潮、三郷中央の2駅、千葉県に南流山から柏たなかまでの5駅、そして茨城県に守谷からつくばまでの6駅。他路線との乗換駅も多い。たとえばつくばから新宿までは、新御徒町で大江戸線に乗り換えれば約60分、六本木だって北千住で日比谷線に乗り換えて約70分! もう陸の孤島なんて言わせません。
路線図や運賃などはつくばエクスプレス公式ページに詳しいですよ。



 ■川の時刻表

TXに乗って車窓の風景を眺めていると、大きな川を何度も越えることに気づく。川は昔から人の生活圏を隔てる働きをしますね。だからこの常総地区は、東京から距離は近いのに開発が遅れたのでしょう。まあ開発が是とは言いませんが。

ともかく、大きな川を越えるたびに「何ていう川?」とか「どこから流れてくるのかな?」と私は思ってしまう。そこで調べてみました。この駅を出て○分後に通ったこの川はどんな川? 名づけて「川の時刻表」。


秋葉原から各駅停車の列車に乗ってつくばに向かいます。しばらくは地下なので何も見えません。2分で新御徒町、2分で浅草、3分で南千住に到着。南千住を出て1分するといよいよ地上に出ます。それからわずか15秒で隅田川の鉄橋を越えます。

☆隅田川
桜咲く墨田区民の憩いの川
川の長さ23km
流域面積260平方km
かつては荒川の本流だったが、荒川放水路が通水してからは、新河岸川が隅田川流頭部に付け替えられ、北区岩渕水門から下流を墨田川と称するようになった。岩渕水門で荒川と別れ、鐘ヶ淵で大きく南に向きを変えて向島、両国を流れ晴海埠頭で東京湾に注ぐ。隅田川といえば夏の花火大会、「春の〜うら〜ら〜の す〜み〜だ〜が〜わ〜〜」、屋形船などで有名。

隅田川を越えると1分で北千住駅です。ここでは同じフロアで常磐線や東武線に乗り換えられるので便利。北千住を出ると1分で荒川

☆荒川
埼玉県民の心のふるさと
川の長さ173km(全国14位)
流域面積2940平方km
奥秩父山地の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ・標高2475m)に源を発し、秩父盆地の中央部を貫流したのち寄居市付近で関東平野に出て、熊谷市付近で東流していた流路を南に転じ、荒川放水路を経て、葛西臨海公園で東京湾へと注ぐ。埼玉県の面積の3分の2が荒川流域で、県南部や秩父地方はほぼすべてが荒川の流域になる。

荒川といえば、茨城県民にとっては常磐線の「荒川沖」が馴染みあり。土浦の一つ上野よりの駅です。でも荒川沖駅はこの荒川とは無関係。ではいったいなぜ荒川沖なんて言うんでしょうね。

そんなことを考えていると、荒川鉄橋の進行方向右側(下流川)に常磐線の鉄橋が見えます。ここで常磐線とはお別れ。再び出会うことはありません。荒川を越えるとすぐに地下に潜ってしまいます。荒川から2分で青井の駅を過ぎ、さらに2分で六町駅。六町駅を過ぎると、およそ2分で地上にでます。と同時に、ここはもう埼玉県。すぐに八潮駅に到着です。並行して走る首都高6号線は渋滞の常襲地帯。でもTXならスイスイ快適! 八潮駅を出ると2分弱で大きめの川、中川

☆中川
下町風情を今に伝える憩いの川
川の長さ81km
流域面積810平方km
埼玉県羽生市を起点とし、大落利根川、新方川、元荒川、大場川など多くの支川の流れを集めながら南下する。途中、葛飾区高砂付近で新中川と分かれ、中川本流は荒川に合流、新中川は旧江戸川と合流した後、東京ディズニーリゾート付近で東京湾に注ぐ。  中川が流れる地域は主に低平地で、しばしば洪水被害が繰り返されてきた。そのため人々は、かつては洪水の危険の少ない台地部分に暮らし、低地は水田などに利用されていた。しかし、1960年代後半から下流部を中心に急速な都市化が進行し、現在では市街地の中を流れている。

川の進行方向右側(下流側)にはなにやら水門が見えます。これは三郷放水路といって、次に出てくる江戸川との間を結ぶ1.5kmの多目的放水路。洪水時などに主に中川から江戸川に水を流すための水路の入り口です。中川を越えるとすぐに頭の上を大きな橋がまたいでます。これは2005年現在まだ建設中の外環自動車道です。そうこうしているうちに三郷中央駅にすべり込みます。三郷中央駅を出るとおよそ1分半で埼玉県と千葉県の県境となっている江戸川

☆江戸川
下町を潤す水の道
川の長さ60km
流域面積200平方km
江戸川は茨城県五霞町、千葉県野田市関宿町で利根川から分かれ、千葉県と埼玉県の境、次に千葉県と東京都の境を南下する。葛飾柴又を通り東京湾に注ぐ。首都圏への生活用水の水源として、また大雨の際に大量の雨水を早く海へと運ぶ都市河川としての役割を担っている。現在の江戸川の流れは、利根川の河川改修工事に伴い江戸時代初期に誕生したもので、当時から「江戸の運河」として舟運に盛んに利用された。太平洋から利根川をさかのぼり、分岐点から江戸川に入るルートは、太平洋から江戸への主要な水上交通路として賑わった。鬼怒川から利根川に入り江戸に達するルートもよく使われ、河川沿いには河岸集落が栄えた。醤油産業で名高い千葉県野田市や銚子市は、この船運で繁栄を極めた。

柴又の地名は聞いたことがあってもどこにあるかよく分からなかった方、そう柴又ってもう千葉県との境、東京の東のはずれなんですね。私もよく知りませんでした。それを言っちゃあおしまいよ...と聞こえてきそうです。

江戸川を過ぎ千葉県に入るとすぐに地下に潜ってしまいます。およそ1分で南流山駅。千葉県内ではここだけ地下駅。JR武蔵野線に乗り換えできます。南流山駅を出ると1分少々で地上へ。すぐに流山セントラルパーク駅。13文字もある長い名前です。駅を出て2分半走ると流山おおたかの森駅。こちらも12文字もある! まっ、鹿島臨海鉄道の「長者ケ浜潮騒はまなす公園前」駅には負けますが・・・

流山おおたかの森では東武野田線と結節してます。3分乗ると柏の葉キャンパス駅。駅の左側には広大な土地が広がってます。千葉大学付属農場や東大柏キャンパスなどの緑が豊富です。ここを出るとおよそ2分で柏たなか駅。駅を出るとすぐに車窓には突然、広々とした水田地帯が一面に。これは利根川の堤外地(堤防の川側)。毎年秋の台風シーズンには利根川の濁流にのみ込まれるところなんです。ということは、次に現れるのは、そう利根川。柏たかな駅を出て2分少々です。

☆利根川
関東の歴史を支える大河
川の長さ322km(全国2位)
流域面積16840平方km(全国1位)
利根川は、またの名を「坂東太郎(ばんどうたろう)」という。これは坂東、すなわち関東で最も大きな川で、日本の川の“長男”、日本の川の代表であることを意味している。
その利根川は、江戸時代には関東平野を自由気ままに南下し、荒川や入間川と合流して、下流では浅草川、隅田川と呼ばれて東京湾に注いでいた。江戸の町はたびたび洪水に見舞われていたので、徳川家康は水路や支派川、堤防などを築いて流れを東に移し、銚子で海に注ぐように大規模な河川改修をおこなった。これを「利根川の東遷(とうせん)」と呼ぶ。この東遷の結果、利根川は鬼怒川や小貝川を合流させることになり、流域面積がぐっと広がった。鬼怒川は利根川で最大の支流。

利根川を一緒に越える鉄橋が左側に見えます。これは常磐高速道。また、利根川の堤外地には大野川など何本かの小河川がありますが、あまり目立たないのでとりあえずパス。利根川を越えて2分強で守谷駅です。車窓には新興住宅地が目立ちます。守谷は2002年2月2日に町制から市政に変わった、いま伸び盛りの市です。ここ守谷駅では、関東鉄道常総線に乗り換えができます。常総線は、取手から守谷を通り水海道、下妻を経て下館(現在の筑西市)に至る私鉄です。

さて、各駅停車の列車は守谷駅で終点です。ここからは区間快速に乗り換えましょう。区間快速は、この先すべての駅に停車していきます。守谷駅を出ると1分少々で小貝川

☆小貝川
筑波の平野を流れる恵みの川
川の長さ112km
流域面積1043平方km
栃木県那須烏山市(2005年9月までは南那須町)に源を発し、関東平野をのんびりと南下する。源流部から下流まで勾配が少ないため、大雨が降ると氾濫しやすい。1986年8月に起きた氾濫では、複数箇所での破堤および内水氾濫により死者4名、浸水家屋1万棟以上という甚大な被害が出たのが記憶に新しい。小貝川の氾濫原は流路に対して広い。これは以前は鬼怒川がこの流路を通っていたため。鬼怒川は今の下妻市で小貝川の流路に移っていた。この広い氾濫原は、江戸時代に始まった新田開発によりただの湿地帯から大規模稲作地帯へと変貌を遂げたもの。

小貝川の河川敷は雑草の宝庫。自然が豊かなんですね。小貝川を越えると、車窓には信じられないほど一面の水田地帯が広がっています。東京都心からわずか30分少々で地平線まで続く水田風景を見られるなんて、信じられるでしょうか。小貝川の水を利用して江戸時代に開墾された稲作地帯です。そんな風景を眺めていると、いきなり視界が遮られます。低地の上の高架橋から、台地内の切り通しに移ったからです。すぐにみらい平駅に着きます。ここはTX唯一の切り通し上の地上平面駅です。

みらい平駅をすぎると1分ほどで短いトンネルに入りますが、これは常磐高速をくぐるため。地上に出てしばらくするとみどりの駅。駅前は開発ラッシュです。みどりの駅を出てすぐ、細長く延びる水田地帯を越えます。これは沖積低地。あまり目立ちませんが、西谷田川が台地を削って流れます。しばらく進むとまた切り通しに入ります。これは路線が洪積台地を横切っているのです。切り通しを出るとすぐに万博記念公園駅。谷田川の沖積低地内にある駅です。駅とは言っても、駅前にはまだ何にもなくて、さびしい感じです。

さて万博記念公園駅を出てしばらくは谷田川の作った低地のへりを進み、大きく右にカーブするあたりで6車線の広々した道路を越えます。これは県道土浦板東線で、つくばの人はふつう土浦学園線と言っています。車窓右手の道路沿いには、巨大な家具店(山新)が開店に向け工事を進めています。と、こんどは左手に広大な駐車場が現れ、すぐに研究学園駅に到着。ここもまだ駅前はさびしい感じです。駅を出て1分ほどで、地下に潜ってしまいます。するともう終点のつくば駅はすぐ。県内で地下駅はここだけなんです。

いばらきって、いなか...なんて一笑に付さないでくださいね。「とかいなか」とか言って、都会的な田舎、つまり「いなかで都会の生活を」を売りにしてるんですから。

以上、茨城ひいきのTX川の時刻表でした。



秋葉原駅からさあ出発


ホーム上に可動柵があるので安全


この先に線路はない。東京駅まで延伸する計画も?


路線図で乗換駅をチェック


多くの路線と接続してるから乗り換えも便利


地上に上がり、最初の川は隅田川


北千住はびっくりする都会


北千住駅のTXコンコースはピカピカ


次に現れた川は荒川


次の川は中川です


さらに次の川は江戸川


沿線最大の利根川を越えれば茨城県


利根川を並行して越える道路は常磐高速


その常磐道から鉄道橋を見る


守谷市は新興住宅の多い街


守谷駅前はすっかり整備されてリニューアル


小貝川が都市軸道路(建設中)の向こうに


谷和原村の水田地帯を高架橋で一気に越える


みどりの駅周辺は槌音がひびく


上り列車とすれ違い・・・東京までお気をつけて


万博記念公園駅周辺の今後の変化も楽しみ


正面にはつくばのシンボル筑波山


谷田川などの台地を切る小河川を越え


6車線の土浦学園線を越えると


移転廃止になった自動車研究所のテストコース


そして広大な駐車場のある研究学園駅


研究学園駅の外観


内装もきれい。バリアフリーかつシンプル


ドーム状の屋根はヨーロッパの駅を彷彿させる


研究学園駅に列車がすべり込む


目指すはつくばの摩天楼(?!)


研究学園駅の開発風景を眼下に見て


地下にもぐれば


つくばはすぐそこ


あっという間にもう終点


茨城県初の地下駅は未来の駅みたいです


発展しつつあるつくば
県内2位の人口を抱える都会になりました


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