青森県 酸ヶ湯温泉

泉質:

酸性・含二酸化炭素・鉄・硫黄 - アルミニウム - 硫酸・塩化物泉(硫化水素型)ph 1.9 泉源 52.3度

所在地:

青森県青森市大字荒川字南荒川山国有林小字酸ヶ湯沢50

訪れた時期:

2002年9月

個人的評価:

我が温泉の行、ここに極まれり

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青荷を発ち、地図でみた切明温泉へ行ってみたが、見つけた浴場は地元専用らしく時間も厳しかったので入浴は断念。道の駅に戻りおばちゃんに「鹿さん」呼ばわりされていた鹿肉の定食を食す。冷えたサラミをやわらかくしたような感じで旨い。馬刺よりもしまっていてサシの入っていない赤い中トロみたいな見た目だった。食後の一休みの後は一気に山へ入り、長年の憧れの地であった酸ヶ湯へあっけなく到着。エンジンを止めて車を降りると、酸ヶ湯の空は青く遠く澄み渡り、雲もまたいっそう白く輝いていた。山に重なる緑は重厚に深く、日の丸は風に気持ちよくたなびく。時折通り過ぎる車の他には風の音がそよぐだけで、風に漂う湯の香りに深い旅情を感じた。ついに酸ヶ湯の地に立ち、温泉巡りの行にも一区切りついたような心持になる。(いつから「行」になったのかは不明だが、そういう事にしておく。)内心感激に打ち震えながらも平静を装いつつ入館して受付に行くと、券売機で券を買ってくれといわれた。いかに歴史ある古い温泉とはいえ、敵は千人風呂を標榜する大浴場なのであるから、券売機ぐらい使わないとそれはもうやっておられないのであろうと一人納得。券売機にて入浴券を購入するにいたって平静を取り戻す。

正面ロビーの奥右手が問題の千人風呂である。脱衣場の張り紙ひとつひとつに感激しつつもすばやく入浴体勢を整え、一切の無駄を排した流れるような一連の動作にて浴場へするりともぐりこむと、風呂場は想像していたよりも狭くて意外だった。実際、広さは確かに稀に見る広さだが、本当に千人入ったらさぞかし窮屈だろうなと考えてしまった。もちろん風情としてはまったく申し分の無い上等なものだし、過剰な期待からだだっ広い風呂を想像していただけであり、むしろこれくらい広いだけでも湯の質、特に新鮮さが懸念されるわけであり、そう考えるとこれでも広すぎるのではなかろうかとさえ思うほどでもある。

湯船から離れた場所で最初に体を流してから湯船に近づく。さらに桶で湯をすくう。「む? こ、この手触りは一体...」さしずめマンガならこのような心の声が書かれている事であろう。きめが細かいのにとろみがある湯の手触りが独特であり不思議であり、記憶の中にはこういった類いの湯が思い当たらなかった。湯を観察している事を周囲に感激を悟られないように、細心の注意を払いつつ静かに身を沈める。遠目では一見ベタな青灰白色なのだが、よく見ると透き通り気味な白濁であり、微細な白い湯の花が大量に舞っており、案外見た目は荒い。顔が湯に近づくにつれ思い出したのは、万座でありまた草津の煮川であった。単に「似ている」わけではなくて、アルミか鉄のような金属的な匂いを含んだ硫黄の湯の香りがするところが似ていて、同じく効能の豊かさを連想させる。東北の酸性泉に対する先入観を打ち壊すのに充分なほど、今回通ってきた八幡平周辺の湯とは異なる印象。東北も互いに似ている湯が多いのではと思っていたが、強い個性を持った湯に出会えた事に深い満足を感じる。

湯は酸性泉の特徴が顕著で、髭剃りの後がぴりぴりして、うかつに目に入ると、きゅーっとしみる。あんまり目には良くはないのではなかろうか。湯船には名前がついていて、「熱の湯」の方がぬるく、「四分六分」の方が熱い。言うまでもなく、打たせ湯もよかったが、男女共用なので、油断していると隣におばちゃんが座ってたなんて事もあるので、うかつにタオルなどはずさないようにしたいものだ。いつの間にか隣に若いおねいさんでもきてくれればいいのにと思っていたら、本当にやってきた。いや、本当いうと、ずいぶん若くて10代前半くらいか。いくらなんでも歳の差がありすぎておじさんはちょっと... いやいや関東なら条例違反だが、もしや東北ではアリなのか?と心の中で激しく動揺してみたが、なんとまぁ実は家族そろっての入浴である事が判明。父ちゃん、母ちゃん、兄ちゃんと4人家族で微笑ましく仲良く打たせ湯に並んでいたのであった。その娘っことは下手したら親子ほどの歳の差なので、まぁ、冷静に考えてみればどうみてもお子さまなのではあったが... それにしても恐るべし千人風呂は家族風呂にもなる特大浴場なのだな。

湯上がりの仕上がりは、肌も滑らかでなんだか突然キメが細かくなった感じがして、明らかに他の湯とは違う仕上がりだった。

湯上がりの体を涼しい山の風にさらしながらぶらぶら出てきた。山は相変わらず深く。空は青くて気持ちの良い昼下がりなのであった。宿の前の道には「すかゆばし」という橋が架かっていて、やっぱりここは「すがゆ」ではなくて「すかゆ」なんだなと、なんだかアタリの湯だったのにハズレを引いてしまったような気分になった。駐車場には冷たい湧水を引いていて、これが飲めるのだが良く冷えておいしい。汲んで帰る人が多く。僕も小さいペットボトルにつめてその日の飲み水にした。駐車場には地元ナンバーのみならず関東関西のナンバーもちらほらいた。

旅はまだまだ続き、今日の宿までにまだ寄るべき湯があるので先を急ぐ事にしたが、実はここにはその後の話もある。この日、湯めぐりを終えた投宿後、夜になってから酸ヶ湯のことがどんどん気持ちの中で大きくなってきて、どうにもとまらないなくなった。しかたないので覚悟を決めて、翌日に予定していた他の湯をやめて(やめれば八甲田周辺を離脱する時間を遅らせる事ができる)、とにかく酸ヶ湯再訪を決めてしまった。もちろん翌朝は朝から酸ヶ湯に直行。朝からじっくりと湯を堪能してから、南下を始めたのであった。(風呂場が撮影禁止だったので、ここの風呂の写真がないのが無念です。かわりに公式ページのURL http://www1.odn.ne.jp/~sukayu/ を載せておきます。)

泉質

酸性・含二酸化炭素・鉄・硫黄 - アルミニウム - 硫酸・塩化物泉(硫化水素型)ph 1.9 泉源 52.3度

  


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