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泉質: |
単純硫化水素泉 ph 5.6 泉温68.0度 ラドン 1.65マッヘ |
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所在地: |
岩手県岩手郡松尾村 |
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訪れた時期: |
2002年9月末 |
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個人的評価: |
硫黄泉だが単純泉らしく、薄く感じられる。匂いも弱いので、強い湯が多い八幡平にあっては貴重な優しめの湯かもしれない |
思い違いだったかもしれないが、このあたりは松川温泉の湯を引いているとの事なので行ってみる事にした。
南花巻ICから高速を中速くらいで盛岡市を見ながら北上。岩手山SAで、サービスエリアだからまぁこんなもんだろうというような、とりたてて感動もない冷麺を食べた。それでも東京の多くの焼き肉屋で冷麺のふりをして出てくるチューインガムの出来損ないのような変わった食べ物とは比べものにならないくらいにちゃんとした冷麺だったのはSAとはいえさすが本場といった所か。似て非なるまがい物を出されたときの悲しみは、海外の変な日本食屋でみそ汁のような変わったスープを出された時のようななんとも言えない悲しみと同じで、生きるとは一体どういう事なのだろうかという根元的な人生の深い悲しみへと誘われてしまい、従って思わず目も遠くなりがちになるものなのである。そういえば、冷麺は韓国が本場だったと思ったがまぁいい。それよりも腹を満たした後は湯が欠かせないのだ。消化不良になろうが素行不良になろうが構うことはない。どうせ短い人生、欲望の赴くままに湯へと向かうのが吉なのである。
酒造りの神様である松尾様の名前が付く、酒飲みにとっては実に縁起の良い松尾八幡平ICを降りて走ると、そこはまだ雪の無い雪国だった。とにかくただただなだらかな東八幡平のすそ野にもうただただ広い道が続き、とにかくただただ走っていると、ただただどこか別の国に来たような気持ちになった。するとダダダダという音を立ててただただ走って行くが近づいてくるトラクターを見つけた。走っていくのだが車の速度とは比べものにならない。ぐんぐん近づくにつれて奇妙なことに気づいた。なんとトラクターの大きいことか。乗っているのは子供かと思ったらオッチャンだったし、近づくにつれて予想外に大きくなっていくトラクターに、ただただぽっかりと口を開けて追い抜く以外にすべはなかった。ううむ、恐るべし前沢牛の地。やがて牧場地らしき地域を抜けたら今度はやけに広い道に沿って並ぶ住宅地にさしかかった。どうしてこんなにゆったりとした造りなのか、雪が関係あるのだろうかと疑問に思いつつ、ただただ車を走らせたらいつの間にか到着していたのが次の目的地であった。この賃貸アパートのような名前がついたホテルは、実は時刻表のバス路線表などを見ていても出ている。名が体を表さないとはこの事。普通、賃貸アパートの名前がいきなり全国区の時刻表に乗るような停留所の名前になったりはしないのだ。
半分くらいまで書いて後も先もないので、ここらで断っておくが、ここの湯について実はあまり書くことはない。浸かればすぐにわかるのだが、湯は透明な硫黄泉で湯口では硫黄臭がするものの、浴槽からの匂いは希薄なのか全く匂いを感じることができなかった。
湯に浸って肌をすり合わせると、きゅっとした感じがするので、ただの沸かし湯というわけでもなさそうだが。が、断言こそできないが、浴槽からあふれるお湯だけを洗い場の廃湯とは混ざらないようにして回収する構造だったし、日本の正しい温泉地には不似合いな西洋風呂の装備である所のジャグジーも装備されていたので、もしかすると循環は行っているかもしれない。他の浴槽を見つける事はできなかったので、このジャグジー付きが唯一の浴槽なのだとすると、湯の使い方の詳しいところを問いつめてみたくなった。しかし問いつめる相手はいないので、ついぐずぐずと本当に循環だろうか、もしかすると思い違いかも知れない、と目を皿のようにして浴槽を観察してウロウロしてみたりもしたが、湯の回収とジャグジーの二点セットによって疑いは晴れるどころかますます深まっていき、ついには似て非なる冷麺のような変わった食べ物問題を思い出してしまった。ふぅむ。
窓が広く気持ちよい構造の風呂だけに、湯には思い残す点ができてしまった。しかしこれもまた修行。せっかく立ち寄ったのだからと湯に浸かり続けてみた。その間、全てのカランに張り付いたおとっつぁん達は無口なまま賢明に体をごしごしとやっているだけだった。何が彼らをそうさせるのかわからないが、これはもう親の敵といわんばかりの勢いで皆賢明に体や頭を洗っている。もしかして、時すでに3時前である事からして、これはゴルフ場でもあってそこから帰ってきた父ちゃん達なのだろうか。ジャグジーの泡に気持ちよさそうに足をあてているお父ちゃんは、もうすでにビールでも飲んできたのだろうかというように赤くなった顔で気持ちよさそうにしていた。ビールの事を考えたら、とにかくもうただただビールが飲みたくなったので、とにかく宿泊地に急がなければ...。湯上がりにミネラルウォーターをがぶ飲みしつつ、すばやく脱衣場を観察してみたが、ついに湯の使い方についての表示を見つけることはできなかった。結局、ここの湯はどこから引いているのか、それともここで湧出しているのかも、ちゃんとわからなかった。
駐車場も広いだろうからなどとホテルなどに立ち寄ったのが過ちであったかもしれないなぁと思いつつ、ホテルを後にして妙に広い道を走ってただただ山へ向かった。山にさしかかって狭くなった道になぜだかホッとしたのは、やはり日本的サイズの道になったからに違いなかった。なんだか牧場とか外国のような広い道や景色は、やっぱり落ち着かないのであった。次にくることがあったら、ぜひ共同浴場へ行ってみたいものである。一番いい湯が使われるのはだいたいにおいて共同浴場というのが鉄則なのである。
次の目的地は今夜の宿泊地、松川温泉の松楓荘。旅はまだ初日。さらに湯と酒を求めてひたすら八幡平を登っていくのであった。
後日談:ここの湯が松川温泉から引かれていたのは昭和46年に始まり、少し昔までの話で、今は地下1000m付近から湯が湧いているのだそうです。掘削したという事なのでしょう。
単純硫化水素泉 ph 5.6 泉温68.0度 ラドン 1.65マッヘ
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