外国人に詩吟を紹介するには?    国際交流会におよばれして           



2006年12月12日 横浜市中区生涯学習支援センターから一本の電話が! 
「なかく街の先生」に生涯学習ボランティアとして、市内の国際交流会・婦人部のパーティで日本文化を紹介してほしい、
という依頼がありました。。

私の他には、大正琴・茶道・和服着付けの方が予定されていました。
ときは、年明け2007年1月18日(木) 乾杯前のひとときを、詩吟と大正琴の組み合わせ、詩吟20分大正琴20分、その後
みんなで歌うコラボレーションで計60分のプログラム。

はてさて、総勢約50名のうちあけは、日本人2割、アメリカ・カナダ4割・ヨーロッパ3割・アジア(香港)一割位でしょうか・・・。
漢字圏の方は半数以下なので、どうやって詩吟を紹介したらいいのか、除夜の鐘を聞きながらお正月中もずっと考えてしまいました。詩吟って、日本人も知らない人がほとんどですよね? うーーん、まずはこんなやりかたで。 

会場は横浜山の手の丘にある、YCAC・アスレチック倶楽部の体育館。
新年にふさわしい華やかな会場設定。

おっと!その前に峰風は日本語しか話せません。
CDで英会話を2年間独習したけれど、3年前に西区国際交流会で着付け講師にお呼ばれししたとき、ぜんぜん話せなかった。でもなぜか、実技なので日本語ですべて事足りたのですが・・・こんどはそうはいきません・・・・。

ということで、交流会代表であり司会をしてくださる、アーミーさんに通訳をお願いすることができたのでひと安心。


←左の方が代表のアーミーさん(ハワイ出身)。

さいわい香港出身の方がいたので、中国語と英訳と日本訳を朗読してもらい、そのあと私が朗詠をするという形にしました。  


@  山中(さんちゅう)問答(もんどう)        李 白 (701〜762)

  余(よ)に問(と)う 何(なん)の意(い)あってか碧山(へきざん)に棲(す)むと     門余何意棲碧山
  笑(わら)って答(こた)えず 心(こころ) 自(おのずか)ら閑(かん)なり        桃花流水杳然去
  桃花(とうか) 流水(りゅうすい) 杳(よう)然(ぜん)として去(さ)る          笑而不答心自閑
  別(べつ)に 天地(てんち)の 人間(じんかん)に非(あら)ざる有(あ)り        別有天地非人間

 You asked me what my reason is for lodging in the grey hills;
 I smiled but made no reply, for my thoughts were idling on their own;
 Like the flowers of the peach-tree borne by the stream,they had sauntered far away
 To other climes,to other lands that are not in the World of Man.                  (Arthur David Waley)


李白の英訳の本を私がたまたま所持していたのでたすかりました。著者であり、翻訳者のアーサー・デービッドウェイリーは
独学で中国語を学んだそうです。大英博物館に勤務していました。


この日は風邪と疲労で声がでませんでした。このあとに少壮コンクール東日本選出大会があるので、無理はできません。あ・・・トキドキするなぁ・・・。
音程5本でしっかりとやるっきゃない、内心はヒヤヒヤ。

「あまり難しい説明はいりません」と主催者側との打ち合わせでほっとしました。

←まずは、ご挨拶

ここは一発楽しみましょう。スマイルスマイルで♪

ちょど三日前の1月15日 皇居では宮中歌会始(うたかいはじめ)の儀が行われたとのニュースあり。
今年の御題は「月」  あった!ウェイリーの訳で 「天の原ふりさけみれば・・・」の訳が!!
召人(めしうど)は元住宅金融公庫総裁・大津留温(おおつるおん)さん
                    「天の原 かがやきわたるこの月を 異境にひとり君 みつらんか」

 の歌はまさにイラク派遣や北朝鮮にいる日本人など、
異境にいるいる人のこころは、奈良時代の阿部仲麻呂から、望郷の絶唱の感動はいまも詠いつがれていますね。



 短 歌  天(あま)の原(はら)    阿部(あべの)仲麻呂(なかまろ) (701〜770)

天(あま)の原 ふりさけ見れば春日(かすが)なる 三笠(みかさ)の山に いでし月かも


  Across the field of Heaven
  Castihg my gaze I wonder
  Whether over the hills of Mikasa also,
  That is by kasuga
  The moon has risen.                  (Arthur David Waley)

よくよく気がついてみると、
李白は阿部仲麻呂と同じ年(701年)に生まれてるんですね。

なかなか華やいだ雰囲気の会場でしょ? 峰風は日本髪風のヘアがうけてました。



←手前のコンダクターの上には、伊藤園のペットボトルのお茶がちょこんと座ってます


  俳 句      横山岳精

春ここに 天にも地に 情けあり



   寒 梅                新島 襄 (1843〜1890)

   庭上一寒梅       庭上(ていじょう)の一(いち)寒梅(かんばい)
   笑侵風雪開       笑(わら)って風雪(ふうせつ)を侵(おか)して開(ひら)く
   不爭又不力       争(あらそ)わず 又(また) 力(つと)めず
   自占百花魁       自(おのずか)ら百花(ひゃっか)の魁(さきがけ)を占(し)む


海外ではいま俳句がブームなのだそうです。代表者の花城さんも日本にきてペットボトルに一般人の俳句がのっているのをみて
感動し、英語に翻訳するボランティアをしているそうです。日本人は老いも若きも自然に親しみ、詩をつくったりうたったりするのが
大好きな国民性を強調しました。

日本人として国際的に活躍した、阿部仲麻呂や新島 襄(ジョーゼフとアメリカ人に親しまれていたことからジョーとなのった)を
説明しました。



青いドレスの三人は大正琴のグループさん。現在の大正琴は色々な音響機能がついて幅広い演奏ができます。最後に「川の流れのように」をみんなで歌ってお開きに

→感謝状をいただいてご機嫌のエンターティナー達。



このあと乾杯。花型に盛ったお寿司とフライドチキンにドレッシングをかけた
インターナショナルなご馳走にはまるで外国にいるような錯覚になりました。



嗜好が異なる各国の人々との共通献立のなかから、リーズナブルなお値段を考慮して作られたそうです。デザートもアイルクリームとフルーツは、ちょっと日本人のつくる発想とは違ったおいしさがありました。

昼食のあとは茶道のお点前と振袖着付け体験がありました。振袖を着付けてもらって、女性達はうれしくないわけないですよね?
国際交流会の皆さんとともに、すっかり楽しませていただきました。とても思い出にのこる一日でした。
御呼びいただいて、私のほうこそ楽しませて頂きました。ほんとうにありがとうございました。



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