棚瀬多喜雄さんを想う(2) 2008年5月
変なオヤジに案内され,後方の空いているイスにひとまず落ち着く。前方へ戻って行く変なオヤジの後ろ姿をながめながら,『この人が一番偉い人なのかなぁー?』『イヤ!そんなはずはない!神父だか牧師だか知らないけれど,普通はもっとこざっぱりとした身なりで,イイカッコして,いかにも“わたしは聖人君子です。あなたは?”みたいな顔つきで…(わたしの苦手なタイプだが〕』『わたしのような者は,きっとチクチク言われるんだろうなあ〜。』
それにしても真剣な顔つきで話していたかと思うと,あの顔に不釣り合いなほどニコニコと目を細めながら顔を崩して,皆を見渡す。(こっちが,はずかしいじゃねぇ〜か〜)
時折, 左手で長髪の毛を2度なでて(そんなにハネてねぇ〜って)。そして,必ずと言っていいほど次に来るのがヒゲを3度なでおろす。その3度目は,頭を気持ち後方へそらし,のどを伸ばして,ヒゲをなでおろすと完結する。『まあ,俺のヒゲより長くてリッパだが,だいぶ白いぜえ!』
他の人が説教(この言葉も後に知った)している時は,腕組みして,ず〜と目を閉じて居眠りしているのかと思ったら,そうでもないような… 時々みけんにシワよせて,むずかしい顔をして,どうやら話に聞き入っているようにも見える。
そして目を閉じたまま,例の髪とヒゲをなでおろすしぐさ。『あっ,やっぱり眠ってなかったんだなぁ〜』廻りの人々は,普通に目を開けて話し手を見ながらうなずいたり,ノートを取ったりしているのに。『あぁ〜,それにしても変なオヤジだなぁ〜』
その日のお話は,まったく覚えていない。今までかつて経験した事のない,一種独特なふんいきだ。教会からの帰り,アイツの事だけはとっても気がかりだった。
あの年で,何年か海外留学経験があり,英語もペラペラらしい。漢字もよく知っている(印刷屋のむすこだから…と言っていた)。それなのに,高ぶらない,誇らない。どこかの国会議員先生とはえらく違ったものだ。まあ,また来週でもアイツの不思議を発見しに行ってみるか…
(不適切な言葉などで,お気を悪くなさった方がいらしたら,ゴメンナサイ)
館野 直也
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