現地発、クロアチア・サッカー報告(7)

120回目のフルヴァツキ・デルビ
【試合編】


2001/10/14 クロアチア・リーグ第11節 
「ディナモ・ザグレブvs.ハイドゥク・スプリト」


【写真:ザグレブ駅に到着したトルツィダ】 

 クロアチア南部、ダルマチア地方に小旅行に出ていた僕は、試合前日、マルコ・ポーロの出生地と言われるコルチュラ島にいた。コルチュラからスプリトまでは陸地から細く突き出たペリエシャツ半島を越えるルートを取り、バス→フェリー→バス→フェリー→バスと乗り継ぐこと7時間。20時にようやくスプリトへと到着。スプリト駅は、21時10分発ザグレブ行の列車を待つトルツィダ(ハイドゥク・サポーター)と、暴動を警戒する警官隊で占められつつあった。普通ならばトルツィダは専用バスをチャーターするところなのだが、試合2日前になって準備に失敗したことが判明。バス8台分のトルツィダがザグレブ行きを希望していたものの、スプリトから海岸沿いに60km南の近いヴェプリッチ(Vepric)という町でカトリックの祭典が同日にあり、ダルマチア全体のバスがヴェプリッチに集結してしまうために、バスが確保出来なかったのが理由という。ダルマチア以外でバスを探したものの、どれもがサッカー・サポーターを乗せない方針であったために断念。BBB(バッド・ブルー・ボーイズ…ディナモ・サポーター)がスプリトに来る際はクロアチア国鉄から列車をチャーターするのだが、クロアチア国鉄はトルツィダに対して600人分で12万クーナを要求。バスならばその半額の経費で済むのだが、ザグレブ行きのが600人集まらなかったトルツィダはチャーター出来ず、結局は一般乗客が乗る通常列車を使うこととなる。これが僕にとって災難となった。

 ただでさえ風邪をこじらせつつあった。先に乗車していた二等席の車両には、ボディチェックを受けたトルツィダが次々に入ってくる。僕には昨年のU-21欧州選手権スロバキア大会で知合い、スプリトでの滞在でも世話になったドラジェンという友人がいる。彼はかつてトルツィダの一員として遠征していたものの、最近のフロントが右翼化していることに反発、一昨年からは一切ハイドゥクの試合には足を運ばないことをポリシーとしている。彼はこう語ってくれた。「ハイドゥクは本来ダルマチア人のためのチームであるのに、最近になって問題ある人物達の手に収まりつつある。移籍金なども着服しているという噂だ。シュティマッツ? 奴こそマフィア同然だよ。確かに優勝した昨シーズンは盛り上がったが、昔からのトルツィダは今季になって一層、スタジアムから離れつつある。よって今のトルツィダは若くて弱い奴等ばっかり。市民クラブに戻りつつあるBBBの方が、かつてのサポーターが戻ってきているんじゃないかな。喧嘩したらトルツィダが負けるのは目に見えてるよ。」

【写真:深夜に代替バスへと乗り込むトルツィダ】 

 ドラジェンの発言は的を得ていた。乗り込んでくるのはクソガキばっかりで、「この車両はトルツィダで占領するから、出て行ってくれ」と僕に迫る。アホらしい要求に難色を示し、「別にトルツィダが来ても構わない、俺もサッカーを見に行くんだから」と言うと、太鼓を抱えた一グループがコンパートメントに乗り込んできた。彼等については20代後半っぽい。宴会の雰囲気などは無く、バスが準備出来なかったことに文句を語り合う。「トルツィダの多くは応援をボイコットしてるんでしょ?」と聞くと、「うちらはトルツィダではなく新しいグループだからね」と交わされた。色々と事情を聞きたいところだが、体調を理由に眠り込むことに。すると日本人がいると聞きつけたガキが次から次とやってきて、眠ることが出来ない。ガキどもはビール片手に応援歌を歌って騒ぎ出し、結局は「寝るんだったら別の車両に行きな」と説得されて渋々移動することに。車掌に事情を訴えると、追加料金は要らないからと1等席に移らせてくれた。すると別の車掌が来て「君の切符は2等席だろ。1等席は追加料金がいる」と言い始め、更に向こうの2等席の車両へと連れていかれる。フラストレーションは溜まりに溜まっていたが、ようやく横になれることに安堵した。しかしその直後、不幸なことに線路が寸断されたことが告げられる。2時20分、ペルシッチ(Perusic)という駅で全員が降ろされ、代替バスを待つ。駅はアパートと隣接しているというのにトルツィダは大声で唄い出す。バスは幾らかしてやってきて、トルツィダと一般市民のオバサンの間で席を巡っての争いが始まった。バスは15kmほど北に行ったルチュコ・レシュチェ(Lucko Lesce)駅で停まり、ザグレブ側から来た列車に乗り込む。今度はトルツィダと絡まないコンパートメントを確保し、ザグレブには1時間15分遅れの7時45分に到着した。トラブルに次ぐトラブルで疲労はピークに達していたが、友人のジャーナリストの依頼もあってザグレブ駅でのトルツィダの模様を撮影。トルツィダは警察の指示を受けただけで一般用のトラムに乗り込み、野放し状態となって去っていく。僕は家へと戻り、メールで画像を送信しようにも、ネット環境の悪さから失敗。お昼にフロッピーに画像を落として届けに走り、またその後も所用も続いたことから、結局は一睡も出来ぬままマクシミールへと向うことになった。

【写真:19歳同士のザホーラ(左)とスルナ(右)】 
 16時過ぎ、マクシミール・スタディオンの入口でカメラマンのパスを受け取り、トラックへと足を踏み入れた。まだ試合開始までは程遠い雰囲気であるが、両チームの選手がピッチのコンデションを確かめに現れた。両チームとも20歳前後の選手が多く、その殆どがU-18代表、U-16代表といったカテゴリーで同じだったこともあって、お互い握手をして仲良く談笑する。ディナモ側ではアブラモヴィッチ、ゴンジッチ、レコ、ザホーラ、トゥリーナといった面々。そしてハイドゥク側はスルナ、ツァレヴィッチ、アンドリッチといった面々が、ライバルチームといえども仲が良いようだ。僕はこの世代のディナモの選手と2年前のSBSカップで、そしてスルナは昨年のU-18欧州選手権プレーオフで知合いとなっていることもあり、彼等と挨拶がてら握手をする。こんな早くして、この伝統の一戦で彼等がプレーする姿が見られるとは.....。彼等には親心さえ感じてしまうため感激もひとしおだ。徐々に観客が入り、南側のゴール裏席にトルツィダが400人ほど陣取り、北側のゴール裏席、そして東側のバックスタンドにBBBがそれぞれ4000人から5000人が陣取る。一番チケットが高い西側のメインスタンドは素行に問題ない観客が集まる。試合開始30分前、ハイドゥクが最初に練習のためにピッチに現れ、続いてディナモが登場。20分間入念なアップをして、先にディナモがピッチを引き上げた。試合開始5分前、「DINAMO JA VOLIM」が流れ出し、BBBはスピーカーから流れる音楽よりも速いテンポで歌い上げる。北側のBBBの席でトルツィダの小さな横断幕が準備されており、掲げられたと同時に見せしめとして燃やされる。同じく南側のトルツィダもBBBの横断幕を準備して火が付けられる。一番熱狂的なBBBが集まる北側席では、スポンサーのビール会社「Ozujsko」が新たに用意した幅60mにも渡る巨大な横断幕が上から移動し、最後にはスタンド下にぶら下げられた。そこに大きく書かれた文字は「TI SI NASA LJUBAV, MI SMO TVOJA SNAGA」(貴方は私の愛だ、私達は君の力だ)。観客数は約1万8000人。満員とはいかないまでも、マクシミールで行われるディナモの試合では今季最高の観客数となるだろう。両チームの選手が南側のエンドラインにある地下階段からピッチへと登場。整列写真を撮り終えると、僕はトルツィダのいる南側へと走った。どちらのエンドラインで撮影するかはカメラマンにとって一つの賭けである。僕は後半にアブラモヴィッチが登場すると考え、前半はハイドゥクの攻撃を撮影しようと判断したのだ。

 ディナモの布陣は4-4-2システム。GKはクロアチア代表のブティナ。センターバックのスモイエ(前U-21代表)&ツェサール(スロベニアU-21代表)、右SBセドロスキ(マケドニア代表)、左SBポロバネツ(U-21代表)の4人でラインディフェンスを築く。ボランチにピリポヴィッチ(前U-21代表)、若干前にアギッチ(A代表)が配置され、右MFがレコ。ペトロヴィッチが左サイドにウィング的に張り出し、FWはミキッチ(U-21代表)がクラニチャール(U-19代表)より前のポジションを取る。一方、ハイドゥクは3-4-1-2システム。GKはクロアチア代表のプレティコサ。リベロにシュティマッツ(A代表)、左STがジョロンガ、右STがヴコヴィッチ(U-21代表)。中盤は左がレンデュリッチ、右がスルナ(U-21代表)、中央にツァレヴィッチ(U-21代表)とアンドリッチ(U-21代表)。ここは昨季同様、左利きと右利きの選手を2枚ずつ置いている。トップ下にボシュニャク(U-21代表)、そしてツートップはデラニャ(U-21代表)とエルチェグ(前A代表)である。

【写真:先制点を決めたシュティマッツを中心に、
トルツィダに向ってガッツポーズする選手達】 
 ディナモのボールでまずはキックオフ。最初は様子を探り合いながらの攻防であったが、戦闘意識の高いハイドゥクが次第にペースを握る。9分、エルチェグがペナルティエリアでボールを持つも、スモイエが直ぐに寄せてクリア。しかし12分、ツァレヴィッチの右CKのボールに、ニアに飛び込んだシュティマッツがヘディングで合わせてハイドゥクが先制する。さすがシュテマッツ、ここ一番で悪人としての、いやベテランとしてのパワーを炸裂させる。トルツィダの目の前でのゴールとあって、シュティマッツは南側のスタンドに向けて高々と拳を突き上げた。ゴール直後のピリポヴィッチのミドルシュートは右に、18分に左CKからスモイエがヘディングシュートを試みるもバーの上。ディナモの攻勢は終わり、再びハイドゥクが早い仕掛けで両サイドを支配。20分、左サイドでのパス交換で揺さぶり、ボシュニャクから中央フリーのアンドリッチがミドルシュートを試みるも右へ。21分、ミキッチの腕がシュティマッツの眼球に当たり、一時試合が中断。BBBのブーイングの中、シュティマッツにはドクターストップが掛かった。怒りのシュティマッツはベンチのガラスを蹴り上げて破壊、暴力魔ぶりを発揮した。ハイドゥクは途中交替のミシェが入る間もなく、23分にディナモが追い付く。アギッチの右サイドからのペナルティエリアへ放ったFKのボールにヴコヴィッチとセドロスキに競り合い、ハイドゥクのゴール右にポジションを取っていたスモイエのところへ。これをスモイエが右足で合わせてゴール。それを見届けたシュティマッツは右目を腫らしながら、南側のエンドラインへと向い、トルツィダの「イゴール・シュテマッツ!」のコールを浴びながら僕の横に位置する階段を降りていった。

【写真:ディナモが追い付き、BBBは発煙筒を焚く。
スタンド下の横断幕はこれが正常】

 26分、ツァレヴィッチの右サイド突破からのクロスはクリア。以後、2度に渡るハイドゥクのCKののち、カウンター攻撃にてクラニチャールのパスを受けたアギッチがシュートを試みた。BBBからは発煙筒がもくもくと焚かれ、北側のBBBが「ディナモ!」と叫ぶと、東側のBBBが「ザグレブ!」と応える。「ディナモ!」「ザグレブ!」、「ディナモ!」「ザグレブ!」 何度も繰り返され、その呼応振りに西側のメインスタンドからは拍手が起きるのだが、背後のトルツィダからは「ディナモ!」のあとに「ザグレブ」では無い言葉が飛び交う。その言葉は男性器を意味する「ナ クラツ(na kurac)」。野次における下ネタは当たり前で、東側のBBBが女性器を意味する「ピチュケ!」(picke…"意気地なし"といった意味合い)と叫べば、今度は北側で「トルツィデ!」と応える。もう一つ紹介すると、北側の「スティペ!」(プレティコサのファーストネーム)に対し、東側は「ペデル!」(peder…ホモの意)。「ペデル!」は定番中の定番の野次だ。プレティコサにホモ疑惑があるとは聞かないのだが、常に彼はBBBから「ペデル」のターゲットになっている。37分、アンドリッチのミドルシュートをブティナが弾き、こぼれ球にエルチェグがシュートを試みるが打てず。ディナモ守備陣はエルチェグとデラニャのツートップをしっかりマークしているが、その後ろのボシュニャクを捕らえきれず、また背後からもツァレビッチがダイナミックなドリブルでディナモ陣内を切り裂いていく。一方、ディナモの中盤には傑出したタレントがおらず、攻撃の形を作れない。40分にミキッチが右サイドを突破、クロスを上げるも合わせる選手なくプレティコサがキャッチ。42分、クラニチャールが中央ドリブル突破するが、シュートまでは繋がらない。ミキッチ、クラニチャール共にストライカータイプの選手ではなく、この組合わせでプレティコサをひざまずかせるのは至難の業だろう。前半は1-1で終了する。

【写真:アンドリッチのゴール直後の写真。
スタンド下の横断幕が割かれている】 
 後半の最初10分は前半同様に五分五分の展開。53分、レコの右クロスからミキッチがいいタイミングでヘディングでシュートするも、ボールはプレティコサの正面。その直後にはツァレビッチの左CKからエルチェグがヘディングシュート、ボールはブティナが足元でクリア。58分、クラニチャールがCKからのボールに右からシュートをするが、ボールはバーの上に。59分、まずはディナモのロンチャレビッチ監督が動く。アギッチに代えて1.5列目のポジションを得意とするゴンジッチを投入。62分、中央にてゴンジッチとクラニチャールのパス交換から、レコがシュートするもボールはまたしてプレティコサの正面。63分にはピリポヴィッチの25mのFKを放つが、これも正面。ボールを蹴り上げたあと、プレティコサは大きく咆えた。今日の彼のテンションはいつになく高い。65分、ディナモは2枚目のカードとしてザホーラをペトロヴィッチに代えて投入。ザホーラ、クラニチャールの2トップにして、トップ下にゴンジッチ、右MFにミキッチ、左MFにピリポヴィッチ、ボランチにレコという布陣に変形させる。66分、ハイドゥクのグラチャン監督は怪我上がりで動きの鈍かったデラニャに代えてラドチェンコを投入。67分、再び均衡が破れた。やや右寄り25mの位置からアンドリッチが右足で強烈なFKを放つと、ボールはチェサールの右肩に当たって軌道が変わり、ブティナが反応出来ないままディナモゴールへと突き刺さった。背後で大騒ぎするトルツィダに対して、プレティコサはユニフォームにキスをして応える。ちょうど階段を降りようとしたデラニャにも笑顔がこぼれた。この直後に僕は一つ異変に気付いた。北側のBBBのゴール裏席の下に掲げられていた巨大な横断幕が真ん中からパックリと剥がれているのだ。誰かが怒って取り外したのだろうか。北側席のBBBは応援をやめ、次から次へと帰って行く。まだ20分もあるというのに諦めるには余りにも早いのではないか......。今のディナモは若いチームだから、同点に追い付くとは思えないというのか? この時はBBBの非情さに腹立たしささえ感じた。

【写真:9年ぶりのマクシミールでの勝利に
抱き合うハイドゥクの選手達】

 74分にレコのFK、78分に中盤のパス交換からザホーラにシュートチャンスがあるも打ち切れず。3枚目のカードとして、ロンチャレヴィッチ監督がアブラモヴィッチをピッチに送り込むことを僕は待ち構えていた。しかしロンチャレヴィッチは動く気配が無く、ベンチの外でアップしている選手はいない。なぜだ? 80分、ザホーラの右CKのボールがハイドゥクの選手の手に当たるもコヴァチッチ主審はPKを取らない。81分に再びアンドリッチが放った強烈なFKを、今度はブティナがパンチングで防ぐ。84分、クラニチャールのシュートはヴコヴィッチに当たって右へ。85分、ザホーラの右CKのボールにセドロスキがヘディングシュート、これもプレティコサがキャッチ。89分、中央からパスを受けたボシュニャクがシュートするがプティナの正面。「Suti, samo suti! Suti moj djecace plavi! (黙れ、黙りやがれ! この青いガキどもめ!)」−トルツィダの声援だけがスタジアムに反響する。ロスタイムに入り、ようやく東側スタンドに残るBBBから「ディナモ!」の声援が始まる。しかしチャンスを作ったのはハイドゥクの方で、91分に右CKからレンデュリッチがボレーシュート。ボールはバーを叩く。92分、ディナモはFKのチャンスを得るも活かせず、コヴァチッチ主審の試合終了の笛が鳴ると同時に、プレティコサはキャッチングしていたボールを高く蹴り上げ、ハイドゥクの選手全員がトルツィダが構える南側スタンドへと勢いよく走り出した。ハイドゥク・スプリト、敵地マクシミールでの9年ぶりの勝利! 選手は抱き合い、そして大きくガッツポーズ。眼帯をしたシュティマッツも含めて何度も万歳をする。インタビューを受けたアンドリッチも、遅れてトルツィダの元に駆け付け、ユニフォームをスタンドへと投げ込んだ。マクシミールは南側の一角を除けば、誰もが足早に帰途についてしまっていた。

【写真:試合後の記者会見の模様】

 試合後、記者会見に足を踏み入れた。場に現れたのはロンチャレヴィッチ、グラツァンの両監督にブティナとアンドリッチ。雰囲気は非常に重たい。僕はクロアチア語を聞き取れない上に体調も優れないことから、会見途中で帰ることにした。プレス口を出てトラム乗り場へと向う途中、友人のナターシャから携帯電話にメールが届く。「貴方をテレビの画面で見たわ。ところでスタンドから落ちた人はどうなったの?」 えっ、何のことだ? 僕はすかさず打ち返す。"落ちたのはBBB、それともトルツィダのどっちだい?" ナターシャは直ぐに返事をくれた。「BBBの一人が落ちたのよ。40mの高さから(注・実際は10mほど)。貴方、もしかして見なかったの?」 ようやく辻褄が合い始めた。BBBが足早に去ってしまったのは、転落事故が余りにも衝撃的だったからか。最後の20分間に見られたロンチェレヴィッチ監督の消極的な采配とディナモの乗り切れないプレー内容、試合後の記者会見での重いムードもそれが原因だったのか。記者会見で常に下を向いていたブティナはこうコメントしていた。「サポーターが北側席から落ちてから、プレーへの集中が出来ずに後方ばかりを見ていた。この出来事は完全に我々を機能不全とさせた。」 Sportske Novosti紙はこう綴る。「昨夜のマクシミールでのダービーマッチは本当に重苦しい雰囲気で終った。そしてスタジアムにいた誰もが一つの疑問を抱いたことだろう。あの男はまだ生きているのか?」
 "僕はトルツィダ側にずっといたから転落は見なかったよ" 僕はナターシャの携帯にメールをする。するとハイドゥク・ファンの彼女からブラックな返事が届いた。「神が人生への警告を彼に与えたんじゃないの。まだ生きているみたいだけど、この先どれだけ長く生きられるのかしらねえ。」
 転落した男はズラトコ・クラヴァルシュチャク、26歳。病院に運び込まれた翌々日には、ベッドの上での写真が掲載され、インタビューを受けていた。「大丈夫だよ。頭が少し痛むけどね。ジュースとラジオがビールに置き換わらないことだけが私の神経に障るよ。」 クラヴァルシュチャクは、FKを決めたアンドリッチがBBBに向かってユニフォームを脱いで振り回したことに怒りを感じ、スタンド下の横断幕をつたって降りようとした。これまで8度人を殺そうと思ったことがあったという彼は、この時に9度目となる殺意を感じたそうだ。しかし重さに耐えきれず横断幕が切れ、地面に叩き付けられたという。こんな馬鹿な男一人が伝統のフルヴァツキ・デルビの結果を少なからず左右し、観客そしてテレビ視聴者を無駄な心配をさせてしまったとは.....。天罰として9年ほど命が短くなっても仕方ないだろう。彼がベッドで安静を必要としたように、完全に風邪をこじらせてしまった僕も丸一日ベッドで寝込むハメになった。

CROATIA LEAGUE 2001-2002
11th leg
DINAMO ZAGREB vs. HAJDUK SPLIT

2001.10.14  Maksimir Stadion

DINAMO ZAGREB HAJDUK SPLIT
position name position name
GK 1. Tomislav Butina GK 1. Stipe Pletikosa
DF 2. Dario Smoje DF 4. Igor Stimac
DF 4. Goce Sedloski DF 6. Vlatko Djolonga
DF 5. Kristijan Polovanec DF 17. Hrvoje Vukovic
['24-22. Ante Mise]
DF 6. Bostjan Cesar MF 3. Krunoslav Reudulic
MF 8. Jasmin Agic
['59-25.Tomislav Gondzic].
MF 14.Srdjan Andric
MF 16. Jerko Leko MF 18. Dario Srna
MF 18. Vladimir Petrovic
['65-11.Dario Zahora]
MF 26.Mario Carevic
MF 27. Renato Pilipovic MF 12. Ivan Bosnjak
FW 7. Mihael Mikic FW 9. Tomislav Erceg
['89-5. Hrvoje Vejic]
FW 19. Niko Keanjcar FW 11. Zvonimir Deranja
['65-16.Dmitrij Radcenko]
COACH Ilija Loncarevic COACH Nenad Gracan
【DINAMO ZAGREB 1−2 HAJDUK SPLIT】
GOAL '12  Igor Stimac (Hajduk)
GOAL '23  Dario Smoje (Dinamo)
GOAL '67  Srdjan Andric (Hajduk)

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