現地発、クロアチア・サッカー報告(20)

ディナモ・ニュージェネレーション


2003/8/6 UEFAチャンピオンズリーグ予備戦2回戦第2レグ
「ディナモ・ザグレブvs.マリボル」
2003/7/20 スーパーカップ
「ディナモ・ザグレブvs.ハイドゥク・スプリト」


【写真:キャプテンは18歳のニコ・クラニチャール】

 綺麗なアドリア海に恵まれたクロアチアにおいて夏は特別な季節だ。国内外から海岸や島々へバカンスに訪れ、この世の悦楽を謳歌する。クロアチアサッカーにおいても夏という季節はちょっとばかりの悦楽がある。それは欧州最高峰の舞台チャンピオンズリーグへの挑戦だ。1998/99シーズンと1999/2000シーズンにディナモ・ザグレブは本選出場に成功したものの、ここ3シーズンはディナモ(vs.ミラン)、ハイドゥク(vs.マジョルカ)、ザグレブ(vs.ZTE)が立て続けに失敗。欧州ランクもずるずると下がり、かつては2つの枠を持っていたクロアチアはリーグ優勝したチームが予備戦2回戦からの戦いに挑むのみだ。これまで優勝クラブはオフになれば財政難のため主力を国外へと放出。力の劣る選手を他のクラブから寄せ集め、チーム作りがロクに出来ないまま予備戦へと突入、そして散っていった。本選グループへと出場すればUEFAから入る出場金は360万ユーロ、これに勝利金や入場料や放映料が加わる。本選グループに到達するとしないとでは財政面において雲泥の差なのだ。もしや本選グループへと進んだならば、サッカーファンは秋に渡っても他の欧州強豪クラブとの対戦という悦楽が続くこととなる。今年のチャレンジャーはディナモ・ザグレブ。主力放出はこれまでと同じ傾向だが、少しばかり期待出来る面がある。それはニュージェネレーションの台頭だ。


 昨季は優勝が至上命令だったがため、副会長ズドラヴコ・マミッチによる特別な補強が重ねられた。イヴィツァ・オリッチとボシュコ・バラバンという代表クラスのFWを二人獲得、MFエディン・ムイチンを復帰させ、カリスマ性のあるミロスラフ・ブラジェヴィッチを監督に迎え入れることで、リーグ後半から独走態勢。最後は2位ハイドゥクを勝点8の差を付け、3シーズンぶりのリーグ優勝を果たした。だがリーグ終了後にブラジェヴィッチはマミッチに三行半を突きつける。代理人業で成り上がったマミッチは自分のスポーツエージェンシーの選手達をもっと起用するようブラジェヴィッチに圧力を掛けていたのだ。ブラジェヴィッチはマミッチの仲人を務めたほど特別な関係にあったのだが、二人はマスコミを利用しての中傷合戦を始め、いずれは年俸を巡って裁判になるという。また給与未払いの問題でDFダリオ・スモイエが退団。チームの精神的支柱であったGKトミスラフ・ブティナはクラブ・ブルージュへ、MFシルヴィオ・マリッチはパナシナイコスへ移籍。1年ローンだったバラバンはアストン・ヴィラへと戻り、DFクリスティアン・ポロヴァネツ、MFマリオ・ユリッチといったレギュラークラスも給与の少ないディナモの契約を延長せずに退団の道を選んでいった。

 新たに監督に就任したのはニコラ・ユルチェヴィッチ。ユーロ96までクロアチア代表の右ウィングとしてプレーしていた彼は、怪我のために1998年に引退、その後はコーチへと転進していた。昨シーズン、財政難で主力がごっそり抜けたNKザグレブを6位へと留めた手腕が買われ、36歳という若さでディナモ・ザグレブの監督に就任した。補強選手としては、安定したリベロであるアンドレ・ミヤトヴィッチ(←リエカ)、蛇のようなドリブルが特徴のMFフルヴォイエ・シュトロク(←ザグレブ:育ちはディナモ)。また手薄となるFWを埋めるためにテクニシャンのFWムラデン・バルトロヴィッチをチバリアから獲得した。3人とも国外オファーの話があったのだが、ディナモでプレーすることがより良い移籍の早道でもあり、ディナモも移籍金を見込める若手の実力選手ということで両者の利害が一致した。更にレンタル移籍させていたディナモ・ユース出身の選手達を次々と戻す。下にまとめた選手リストを見て頂きたい。チームの半分以上がディナモのユース育ちで20歳前後の選手なのだ(太字がユース出身)。この多くがマミッチ・エージェンシーに所属しているという実情はあるものの、彼らが今の、そしてこれからのディナモを支えていく素材だ。厳しい財政状況下で選手が手薄だった2001/02シーズン、この世代の選手達はトップチームでリーグ出場を初経験。昨季は実績のある選手を重視するブラジェヴィッチのもと、出番の無い選手は他の一部や二部のクラブにレンタルして経験を積んだ。2年前はまだ稚魚だった選手が育ってディナモへと結集したのが今季のチームの特徴だ。そしてキャプテンは18歳のニコ・クラニチャール。司令塔の彼は既に大物の風格を見せている。逞しく育ったニュージェネレーションにムイチン、アギッチ、セドロスキ、ミトゥといったベテランを絡めた2003/04バージョンのディナモはヨーロッパの舞台でも何かしでかすのでは、との期待を誘うのだ。

 ディナモ・ザクレブ 2003/04シーズン
[理想布陣:3-4-1-2]
   
ヨジッチ
(トゥリーナ)
   
セドロスキ
ミヤトヴィッチ
ドルピッチ
(チェサール)

ミキッチ

トミッチ

(ポルドルガチュ)
アギッチ

ムイチン
   
クラニチャール
(シュトゥロク)
 
  ミトゥ
(ザホラ)
ダ・シルバ
(バルトロヴィッチ)
 
 

監督

ニコラ・ユルチェヴィッチ (Nikola Jurcevic)
選手
(★は新加入)
(★はレンタル戻り)
(太文字はディナモユース出身)
1 GK イヴァン・トゥリーナ (Ivan Turina)
2 DF スティペ・ラピッチ (Stipe Lapic)

3 DF マリオ・チュトゥラ (Mario Cutura)

4 DF ゴチェ・セドロスキ (Goce Sedloski)
5 DF アンドレ・ミヤトヴィッチ (Andre Mijatovic)

6 DF ボシュトヤン・チェサール (Bostjan Cesar)
7 MF フルヴォイエ・シュトロク (Hrvoje Strok)

8 MF ヤスミン・アギッチ (Jasmin Agic)
10 MF エディン・ムイチン (Edin Mujcin)
11 FW ダリオ・ザホラ (Dario Zahora)
12 GK マルコ・シャルリヤ (Marko Sarlija)

13 MF イヴァン・チョシッチ (Ivan Cosic)

14 MF ミハエル・ミキッチ (Mihael Mikic)
15 DF フルヴォイエ・チャレ (Hrvoje Cale)
16 MF
ダリボール・ポルドルガチュ (Dalibor Poldrigac)
17 MF ダミール・クルズナール (Damir Krznar)
18 MF パトリック・クウェディ (Patrice Kwedi)

19 MF ニコ・クラニチャール (Niko Kranjcar)
20 FW ドゥミトル・ミトゥ (Dumitru Mitu)
21 FW エネス・メシャノヴィッチ (Enes Mesanovic)

22 MF アンテ・トミッチ  (Ante Tomic)

23 FW ムラデン・バルトロヴィッチ (Mladen Bartolovic)

24 FW エドゥアルド・ダ・シルバ (Eduardo da Silva)

26 DF ディノ・ドルピッチ (Dino Drpic)
29 MF ドラゴ・パパ (Drago Papa)
30 GK マリオ・ヨジッチ (Mario Jozic)
  MF アルヴィン・ペラック (Albin Pelak)
1980生
1983
1978
1974
1979
1982
1980
1974
1970
1982
1982
1983
1980
1985
1975

1972
1983
1984
1975
1975
1983
1977
1983
1981
1984

1972
1981
去った人物 監督 ミロスラフ・ブラジェヴィッチ (→ムラ→ヴァルテクス)
GK トミスラフ・ブティナ (→クラブ・ブルージュ)
MF シルヴィオ・マリッチ (→パナシナイコス)
FW ボシュコ・バラバン (→アストン・ヴィラ)
FW イヴィツァ・オリッチ (→CSKAモスクワ)
DF ダリオ・スモイエ (→NKザグレブ)
DF クリスティアン・ポロヴァネツ (→ヴァルテクス)


【写真:スーパーカップを掲げるディナモの選手達】

 スロベニアの高地ログラでのキャンプでユルチェビッチ率いるディナモは始動を開始。スイスで行った練習試合では6試合連続未勝利と厳しい結果を突きつけられた。正GKとなるべきイヴァン・トゥリーナは不安定な守りを見せたため信頼を失い、ディナモからシロキ・ブリイェグに移籍していた昨季の第3GKマリオ・ヨジッチを急遽呼び寄せるはめに。しかし中盤でのパスプレーを心掛けるサッカーは決して悪い内容ではなく、7月14日のアクアカップ初戦で地元スイスのクリエンス相手に初勝利。その2日後に行われたパルチザン・ベオグラードとの決勝でDFアンドレ・ミヤトヴィッチ、FWドミトゥル・ミトゥのゴールでは2-0と勝利を収めた(両サポーターがピッチで乱闘を始めたため68分で中断)。相手が因縁のあるセルビアのチームだっただけに、これまで不安視されたチームの評価とチーム内の雰囲気をがらりと変えることとなった。ユルチェヴィッチ監督は「我々にとって特別に意味のある勝利だ。これまで見たことのないパワーと闘争心を表に出し、このチームには個性というものがあることを全員が判ったのだ」と自信を伺わせた。

 だが、ディナモには一つクリアしなければならない問題を抱えていた。2シーズン続けてリーグ優勝プラス得点王・アシスト王の二冠となったFWイヴィツァ・オリッチの移籍問題である。彼が育ったマルソニアの会長で、同時に彼の代理人を務めるドラガン・マリッチの"迷走"は今季も再現され、7月が終わりに近付いてもオリッチの移籍先が決まらないままでいた。オリッチの心は既に国外でのプレーに移っており、7月20日のハイドゥク・スプリトとのスーパーカップがディナモで最後の試合になると明言。彼の爆発的なスプリントを活かしたディナモの攻撃スタイルもこれが最後となった。23分にルカビナのボレーシュートでハイドゥクに先制されるも、31分にクラニチャールの縦へのパスにオリッチがDFヴェイッチとヴコヴィッチを振り切ってエンドラインからグラウンダークロス。これをトミッチが押し込みディナモが同点。48分も同様にオリッチがDF2人を振り切り、中央フリーのDFセドロスキへラストパスを送り2-1。逆転に繋がる2アシストを記録した3日後、オリッチは移籍金500万ユーロでCSKAモスクワへの移籍が決定。移籍金配分でクラブとオリッチ側が大喧嘩する後味の悪さは残ってしまったものの、スーパーカップを置き土産を残してチームを去っていった(試合結果は4-1)。

【写真:新たな中盤の仕切り役、アンテ・トミッチ】
 この試合では二人の若手選手の活躍が注目を集めた。一人はディナモの一点目を奪ったMFアンテ・トミッチ(20)。昨季はインケルにレンタルされたディナモ・ユース出身の選手で、長い足から巧みにボールをコントロールしながら攻撃・守備両面に貢献する現代的MFだ。現ディナモ・キエフのイェルコ・レコに似たタイプである。もう一人は、74分にチームの3点目となる得点を決め、終了間際にはダホラのゴールをお膳立てしたFWエドゥアルド・ダ・シルバ(20)。17歳の時にリオ・デ・ジャネイロからディナモユースとやってきて、昨季はトミッチ同様にインケルにレンタル、一部リーグ昇格に貢献したブラジル人FWである。
 7月26日に行われたクロアチア・リーグ開幕戦対ザダールでダ・シルバは新たなディナモのスターとなった。チバリアから新加入のFWムラデン・バルトロヴィッチにスタメンの座は奪われたものの、後半途中交替で入ったダ・シルバはロスタイムにトミッチからのパスを受け、爪先のタッチで2人を交わしてから左足で25mミドルを一閃。GKが一歩も動けないまま、鋭い弾道のボールはバーを叩いてからネットへと沈んだ。このユーロゴールに観客はスタンディングオベーションで祝福、翌日から彼の絶賛が続くこととなったのだ。オットー・バリッチ代表監督は彼がクロアチア代表としてプレー出来るよう、クロアチア国籍の手続きをさせるべきだとまで発言している。

 チームの目処が充分に立った7月30日、チャンピオンズリーグ予備戦2回戦第1レグ、マリボル対ディナモ・ザグレブが行われた。ベストメンバーで挑んだディナモは個々の能力で勝るものの、組織的で屈強なマリボルDFをこじ開けるのに苦しんだ。33分、右からミキッチが高いクロスを上げて、これをクラニチャールがGKクズマが届かないところ右へとシュートを決めて先制。しかし4分後にはチェヒからボールを受けたペキッチが決めてマリボルが同点に追い付かれる。バルトロヴィッチが負傷で前半で欠場したのち、ダ・シルバを後半頭から投入。74分に彼はペナルティエリアでボールを頭上に浮かしてからDFをかわし、GKを頭上を抜くヘディングシュートを放つがバーの上に。89分にも20mの距離からダ・シルバがシュートを放つも右ポストに当って逸れた。失敗したとはいえ、クロアチア人が好む意外性のプレーは常に賞賛される。試合結果は1-1のドローだが、アドバンテージはディナモ。8月2日のクロアチアリーグ第2節、対マルソニア戦ではダ・シルバ、ミトゥ、ザホラがそれぞれ2ゴールを決めて7-0と快勝したことから、マリボルとの第2レグは軽く勝てるだろうとの楽観ムードが漂っていた。

【写真:人文字でクロアチア国旗を描くBBB】

 8月6日、折り返しの第2戦レグ、ディナモ・ザグレブvs.マリボルがマクシミール・スタディオンで行われた。マリボルはエースストライカーのラコヴィッチが復帰、一方ディナモは先のマルソニア戦と全く同じメンバーで挑んだ。ディナモのシステムは3-4-1-2。GKヨジッチ、DFが左からドルピッチ、ミヤトヴィッチ、セドロスキ。MFが左からミキッチ、トミッチ、アギッチ、ムイチン。トップ下にクラニチャール、2トップがミトゥとダ・シルバ。
マリボルは3-5-2。GKクズマ、DFが左からヴクサンノヴィッチ、バライッチ、ピタミッツ。左MFがフィレコヴィッチ、中央にカーリッチ、A.チェフ、テイノヴィッチを3枚並べ、右MFがゴロブ。2トップはラコヴィッチとペキッチ。
開始3分、左サイドからダ・シルバがマークのいないファーサイドにクロスを上げ、これにムイチンがダイビングヘッド。決定的チャンスだったものの、ムイチンには慣れないプレーだったかボールはバーの上に。これが決まればディナモの楽勝展開だったのだが。逆にマリボルは10分にカーリッチの右コーナーキックからバライッチのヘディングシュートが左に突き刺して先制、俄然雲行きが怪しくなった。リードを奪われて攻めざるを得ないディナモはゴール近くまでは攻め込むも、マリボルはファウルを冒してまでペナルティエリア手前で食い止める。ディナモはFKを上背のあるセドロスキやミヤトヴィッチに合わせて放り込むも、マリボルの高いディフェンスの壁を打破れず、逆に何度も速いカウンターに肝を冷やされる。27分にはピタミッツの強烈なFKが放たれ、GKヨジッチが素早く反応してパンチング。41分にもピタミッツのFKをGKヨジッチがセーブ。キプロスの主審カピタニスは次々とマリボルの手荒いファウルにイエローカードを出すが、判定が曖昧のためディナモの選手も不満を表にし、43分にはムイチンが主審への抗議でイエローカードを受けた。ミトゥもアギッチもそうだが、チーム状態をコントロールすべきベテランがいらついており、チームとしての歯車は狂っていた。一方でマリボルはこの試合の乗り切り方を熟知するベテランが多く(バライッチやA.チェヒ)、ディナモの焦りを充分に引き出す。ハーフタイムにユルチェヴィッチ監督は「審判には抗議をするな」との命令を出して集中力を維持させようとした。

【写真:この日は厳しいマークに苦しんだが、
存在感は示したFWエドゥアルド・ダ・シルバ】

 後半に入るとクラニチャールが最前列近くに上がり、中盤においてはパスタッチを速めようとしたが、マリボルの早いプレスにトミッチが狙われる。55分にユルチェヴィッチ監督は一つの賭けに出た。怪我明けの新加入選手シュトロクをトミッチに代えてピッチに送り出したのだ。シュトゥロクがトップ下に入り、クラニチャールが中盤へ。昨シーズンのNKザグレブではシュトゥロクを起用していたユルチェヴィッチ監督だけに、ボールを持たせると捕まえ辛い彼の特性を知っての起用だった。この判断がズバリと当る。59分、シュトロクはハーフウェーラインでフェイントで一人交わすとドリブルで一気に前線へ。バライッチのタックルに上手く倒れ込み、ペナルティエリア手前23m付近でFKを得る。これをDFミヤトヴィッチが壁の右側を抜けて左カーブを掛ける芸術的なFKを放ち、ボールはマリボルのネットを揺らす。同点。シュトロク投入で流れが傾いたディナモはこの直後も怒涛の攻撃を見せた。62分、シュトゥロクが右サイドで相手選手を引付けながら、左からフリーで飛び出したクラニチャールへ絶好のパス。クラニチャールはGKと一対一となるが、GKクズマをかわし損ねてシュートに失敗。更にミトゥが右サイドから得意のミドルを放つも、これはクロスバーに弾かれる。1点目から4分が経過した63分、ディフェンスラインから上がっていたドルピッチが30mの距離から強烈なロングシュート。低い弾道のシュートはGKクズマの視界がDFバライッチで遮られ、そのままネットへと突き刺さってついに逆転。しかし67分には主審に抗議したミトゥが一発レッドを喰らい、立場が逆転する。マリボルのケク監督はブレジッチ、フランチを投入し、両サイドを幅広く使って速いクロスを放り込み始めた。マリボルが1点を加えたらアウェーゴール2倍ルールで結果は引っくり返る。そんな緊張感の中、ピッチに残された若い選手達は集中力が切れることは無かった。ミヤトヴィッチのハンドが見逃されるという幸運も手伝い、5分のロスタイムも乗り越えてディナモが2-1、トータルスコア3-2で難敵マリボルを退けた。

   

【先制点となるミヤトヴィッチのFK】

   【得点に喜ぶイレブン。中央の7番がシュトロク】

 

【写真:記者会見でのユルチェヴィッチ監督】

 試合後の記者会見でディナモのユルチェヴィッチ監督は「非常に大きなプレッシャーのもとでプレーすることになった。なぜならこの試合に勝たなければならないというのが命令形のように周囲で言われていたからだ。我々は思うように動けなかったが、今後はもっと良いプレーが出来るだろう。シュトロクの投入が良い形をもたらし、最後には我々が勝利に値いした。前半は余りにも神経質になっていて、ハーフタイムにそれを注意した。とりわけ審判と遣り合うことは禁止したのだ。残念ながらミトゥはそれを聞き入れなかった。彼には罰が与えられるだろう。もし我々が負けていたなら、彼が敗戦の責任を負うことになるのだから。シュトロクのことは良く解っていたのでベンチの中に入れていた。怪我で20日間離脱し、2度しかチーム練習をしていなかったとはいえね。彼を投入したことは非常に良い判断だったと思うし、それがチームプレーを変えての喜びをもたらすことになったのだから。」とコメント。またマリボルのケク監督は「スロベニア王者に相応しいプレーをした選手達を誇りに思う。若干の運が欠けたことと、ディナモに二度のGKの判断ミスをものにされたことは勿体無かった。しかし選手達はスピリットとハートをピッチに残していった。ディナモは個人個人で上回っていたが、我々も初戦より良いプレーが出来た。心からディナモを祝福するし、多くの幸運がキエフ戦でもあることを願っている。」とコメントを残している。

 チームの課題は残る。DFとGKの連携の悪さ、中盤における攻撃の遅さにより、カウンター攻撃で慌てふためく場面はこれまでの試合で何度も見られた。それでも、相手に物怖じせずに挑んでいくニュージェネレーションに期待せずにはいられない。チャンピオンズリーグ出場の最後の壁となるのはウクライナの雄ディナモ・キエフ。注目のディナモ対決は第1レグが8月12日(キエフ)、第2レグは8月26日(ザグレブ)に行われる。


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