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U-21欧州選手権 (2000.5.27 in Trnava) |
10分前にはクロアチア、オランダの両チームが入場。オランダ国歌に引き続き、クロアチア国歌の斉唱が始まる。クロアチア・イレブンはメインスタンド右手のゴール裏に翻る国旗に向かって胸に手を当て、その右手ゴール裏には100人を超えるサポーター達からの歌声が響く。両チームの握手、クロアチアのレコとオランダのファン・ボンメルの両主将のペナント交換・コイントス。一旦、ピッチに散ったクロアチア代表はチーム写真を撮るのを忘れ、再び集まってカメラマンのフラッシュを浴びる。ここを本拠地とするスパルタク・トルナバのチームソングらしき歌が流れ、18時、ステファン・ブレ主審の笛と共にオランダのキックオフにて前半がスタートした。
クロアチアのシステムは3-4-3。左右ウィングのヨシップ・シミッチ、ボシュコ・バラバンは前線に張り出し、中央のトミスラフ・ショコタはクサビに入るポスト役。トップ下の主将イヴァン・レコは相手をスクリーニングしながら巧みにボールをキープしつつ左右に展開、もしくはショコタにぶつけてからスペースへと走りこむウィンガーに好パスを配球する。レコの後方に構えるユーリツァ・ヴラニェシュは相手の攻撃を摘みながら、レコとのダブル司令塔として攻撃に参加。左右MFのアンソニー・シェーリッチ、ダルコ・ミラディンはいまいち周囲とのコンビネーションに欠ける。ミラディンは後方のイゴール・ビシュツァンが積極的にオーバーラップすることから守備に追われ、またシェーリッチはボールコントロールに難がある割には1対1の相手を抜こうという意識が高いため、ここで潰されるケースが多い。DF陣には全て190cm台の長身を揃える。前述の右STビシュツァンが191cm、左STのダリオ・スモイエが192cm、リベロのイゴール・トゥドールが194cm。そしてゴールキーパーのスティプ・プレティコサがここ一年で8cm近く伸びて193cm。一方、オランダのシステムは4-3-3。DF陣はよく整備されており、3人がきちっと相手FWにマークを付け、残るSBの一人は一列上へ。そして時あらばラインを上げてオフサイドトラップを掛ける。クロアチアのFW陣は前線で突っ立っているケースが多く、そのトラップは効果的だ。ただしオランダは中盤から前線へのパスの精度が悪く、ことごとく遮断されたこともあって、ゲームの主導権はクロアチアが終始握った。時系列でゲーム展開を追う。
| 【4分 オランダ】 |
プレティコサのクリアボールを拾った左サイドのルールリングからフェネホール・オブ・ヘッセリングがワンタッチで繋いで、ペナルティエリアでフリーのシコラへ。GKと1対1の局面でシコラの右足から放たれたシュートはプレティコサの間一髪の飛び出しにより弾かれる。 | |
| 【6分 クロアチア】 |
右のビシュツァンからミドルパスを受けた中央のショコタがくさびとなって相手DFの裏へと走り込んだシミッチへ。角度の無いところから左足でシュートするが、ボールはエンドラインを流れていく。 | [写真]先制点に歓喜する![]() |
| 【19分 クロアチア】 |
ビシュツァンがハーフライン手前から相手DF裏へとロングフィード。DFがクリアし損ねたところを追いついたミラディンがかっさらい、すっぽり空いた左のスペースへ。利き足とは逆の左足でグラウンダーのシュートを放ち、右サイドネットに突き刺さる。クロアチア先制!! 1-0。 | |
| このあともクロアチアがゲームを支配。ビシュツァンの積極的なオーバーラップ、ヴラニェシュの攻守に渡る活躍が目立つ。必然的にオランダのファウルが多くなるが、クロアチアもFKからのセットプレイを活かせず。またシミッチ、バラバンはウィンガータイプの選手ではなくてペナルティエリア内で勝負するタイプのため、サイド攻撃に迫力が欠ける。特に右のバラバンはピッチから存在が消えていた。一方、オランダはリズムが悪くボールを回せない。 [写真]相手選手に倒される |
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| 【25分 クロアチア】 |
ショコタがペナルティエリア手前左で倒されFKのチャンス。セットプレイの遣り直しのあと、レコが直接シュートを狙うがオランダの壁に当たる。 | |
| 【37分 オランダ】 |
左のルールリングから右フリーのシコラへ速いサイドチェンジ。シコラのクロスはGKプレティコサがキャッチ。この1分後にもシコラを右のスペースに走らせ、彼がクロスを挙げさせる。左サイドのシェリッチは攻守の切り替えが遅く、また後ろのスモイエも足が速い選手ではないため、クロアチアの左サイドは一つの弱点といえる。 | |
| 【42分 オランダ】 |
その左サイドのハーフライン手前からファン・ボンメルが意表を突いた60mのロングシュート。前掛りのポジショニングを取っていたプレティコサはボールが向っているのに気付くのが遅れ、急いでバックするもボールはプレティコサの伸ばした手を超えてネットに吸い込まれる。1-1同点。 | |
| PSV所属ボンメルの機転を利かしたロングシュートだったが、それまでオランダに攻撃の形を作らせて来なかっただけに、決められた時間帯を含めて悔やまれる。 | ||
| 【44分 クロアチア】 |
レコの左CKからヴラニェシュがヘディングで叩きつけるもボールは左へ。 | |
| 【45分 クロアチア】 |
ヴラニェシュのヘディング・パスを受けたショコタがバラバンに落とし、そこから左のシミッチへ展開。シミッチから正確なクロスが上がるが、ショコタのヘディングは枠の外へ。 | |
| 前半は1-1で終了。スタジアム入口近くにある飲み物売場に集まっていたクロアチア・サポーター達は僕と同じく、煮え切らない同点ゴールにふてくされていた。「プレティコサ.......ふぅ」と僕が口にすると彼らは相槌を打ちながら苦笑いをする。ビールを求めた行列は一向に減りそうにもなく、喉の乾きを癒すのを諦めて席へと戻った。この試合の半券を失ったことをずーっと悔やんでいたことから、後ろの席に座る地元のオジサンに半券を譲ってくれないか頼むと、有り難いことに完全な状態のチケットを譲ってくれた。感謝感謝。ピッチではクロアチアの控え選手のみが練習をし、ハーフタイムが終わる共に両チームの選手がピッチに戻る。クロアチアのキックオフで後半スタート。 | ||
| 【48分 クロアチア】 |
ドリブルしながら相手選手を引き付けたショコタが中央オーバーラップのビシュツァンへ好パス、ビシュツァンは右フリーのミラディンへはたく。ミラディンから良いクロスが上がるが、ファーに飛び込んだショコタがファウルを取られる。 | |
| 【49分 クロアチア】 |
前半で足を負傷していたミラディンの大事を取って、ブライコビッチに交替。(ミラディンの怪我の状況は重く、残りの試合は出場出来ず) | |
| 【50分 オランダ】 |
激しいチェックの応酬から中盤のニューヴェンブルグが左を駆け上がったSBのボウマへスルーパス。ボウマのポスト目掛けた低いクロスはトゥドールがクリア。 | |
| 【54分 クロアチア】 |
ショコタが中央25mの距離から得意の左足でFKを蹴るが、オランダの壁に当たる。 | |
| 【55分 オランダ】 |
左サイドのブルールセがペナルティエリア内のフェネホール・オブ・ヘッセリングの頭目掛けて放り込み、ヘディングで競ったボールは左のルールリングへ。ルールリングが中央へ頭で落とし、シコラのダイビングヘッドは左に。 | |
| この後、クロアチア・サポーター内で喧嘩が始まり、棒を持った覆面の警官達によって取り押さえられて外へ摘み出される。その一件後、サポーターの周囲をぐるっと警官隊が囲んで監視。これぞクロアチア・サポーターにとってお馴染みのシチュエーション。近くに座る地元の子供達は危険を感じてゾゾッとクロアチア・サポーターから距離を置き始めた。 | ![]() |
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| 【56分 クロアチア】 |
ショコタが胸で落としたボールを左からシェリッチ、レコ、ヴラニェシュとつなぎ、ショコタが再びポストになって右フリーのバラバンへ。前線に何人も駆け込んだが、バラバンが相手DFを交わせずにクロス上がらず。 | |
| 【61分 クロアチア】 |
右斜めからレコのFKのボールがファーポストに飛び、ビシュツァンがヘディングで合わせようと飛び込むもファウルの判定。 | |
| 【62分 オランダ】 |
ニューヴェンブルグに替えて、"リトマネンの後継者"と言われるクノッパー(アヤックス)を投入。しかしゲームの流れは変えれず。 | |
| 【64分 クロアチア】 |
今日はさっぱりだったバラバンを変えて右ウィンガーにミキッチを投入。彼のスピードに勝負を託し、ディナモによる3トップが形成される。 | |
| 【70分 クロアチア】 |
中盤キープのレコから再びオーバーラップのビシュツァン経由でボールは右サイドのブライコビッチへ。クロスに合わせたシミッチのヘディングのシュートは力無く枠の外へ。 | |
| 【76分 オランダ】 |
MFクノッパーのミドルシュートはゴールの左へ。 | |
| オランダの相手ボールへの寄せ、取り囲みは速いのだが、奪ったボールが前線へと繋がらない。クロアチアは残り10分となり、前へ前へとボールを運ぶことで状況打破を試みるが、前線へのラストパスが相手のオフサイドの網に捕まる。83分にFWのショコタをMFピリポビッチに交替し、2トップの形へ。引分けも視野に入れたと思えるその交替直後に状況の中、再びプレティコサの下に災難が訪れるのだ....。 | ||
| 【83分 オランダ】 |
何でもないGKへのロングボールを処理すべくプレティコサがペナルティエリアの前へ。蹴って処理すればいいものをトラップミス。太股に当たって大きく跳ね返ったところをフェネホール・オブ・ヘッセリングがかっさらい、無人のゴールへ流し込む。痛恨の逆転ゴールで1-2。プレティコサ....またお前か。 | [写真]厄日のGKプレティコサ![]() |
| 【85分 オランダ】 |
クロアチアはレコのCKに殆どの選手がペナルティエリアに。こぼれ球をキープしていたピリポビッチが奪われたことから、オランダのカウンターが始まる。ボールを繋がれながら独走を許し、最後にボールを持ったMFファン・ボンメルのシュートは左へ。 | |
| クロアチアは監督の指示でストッパーのビシュツァンを前線中央に上げてのスクランブル体制。早いアーリークロスからビシュツァンの高さとパワーを活かそうとする。 | ||
| 【94分 クロアチア】 |
中央でボールを受けたビシュツァンが絶妙のリフティングからミキッチにスルーパスを出す。ミキッチはペナルティエリア内で倒されるがPKにならず。結局、ロスタイムの4分間も封じられてクロアチア万事休す。 | |
| 結局、試合内容とは全く正反対の1-2の敗戦。マン・オブ・ザ・マッチにヴラニェシュが選出された辺り、その状況を物語っている。思い掛けない勝利にオランダ一同は喜び、悪夢を味わったクロアチアはサポーターへの挨拶も忘れてピッチを去る。2度にも渡るプレティコサのミスが紛れも無い敗戦原因だ。しかし、攻撃力あるビシュツァンを右ストッパーの位置に押し込んで置くのはどうだったろうか。そして3トップにして両ウィンガーにシミッチ、バラバンを置くのも適材配置に程遠い。そしてショコタがポスト役に徹している限り、最終的なフィニッシャー、それもスピードあるFWが必要なのだ。エースストライカーのズボニミール・デラニャの怪我による不在....。この試合だけでも彼の貴重さが窺い知れた。
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[写真] MoMのヴラニェシュ ![]() |
思い掛けない敗北にすっかりうなだれて僕はバックスタンドを跡にする。出口付近に集まっているクロアチアのサポーターも同様にトーンダウン。バビロンが「一杯飲もうぜ」とコホルタ(オシエク・サポーター)の面々と共にスタジアム隣接のバーに僕を連れて行く。試合中全く水分を取っておらず喉はカラカラ。しかしショックからアルコールを飲む気はさらさら無く、スプライトを頼む。「プレティコサ...はあ」−溜息しか出て来ない。バビロンも元気は無いが、アルコールを飲めと進めた上に、「俺達5人分のビールを奢ってくれよ」と言う。僕は敗北にヘコんでいるだけでなく、試合前にビールを6人に奢っていることもあって、わざと彼の言葉を理解出来ない振りをする。するとバビロンは「俺はクロアチア人だ。日本人のお前とはどうせ違うんだよ」と文句を垂れ、もう一人の男性は指を差し出し"逆・指きりげんまん"のような仕草をした。「僕は疲れているから帰るよ。また二日後のスペイン戦で」と、スプライトを飲み干し、バーを去った。バーの外に出ても別のサポーターから「飲みに行こうぜ」と誘われるが、同様の理由で断る。サポーターと距離を置いてしまったことに後ろめたさを感じたが、それを上回る試合結果の無念さが僕の心をどんよりと覆っていたのだった。
U-21
EUROPIAN CHMPIONSHIP A-Group |
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| CROATIA | NETHERLANDS | ||
| position | name(club) | position | name(club) |
| GK | 1. Pretikosa(Hajduk) | GK | 1. Zegers(Excelsior) |
| DF | 5. Tudor(Juventus) | DF | 4. Bouma(PSV) ['69-3.Bosschaart(Utrecht)] |
| DF | 4. Biscan(Dinamo) | DF | 6. Cornelisse(RKC) ['46-20.Wisgerhof(Vitesse)] |
| DF | 6. Smoje(Monza) | DF | 7. Broerse(Groningen) |
| MF | 8. Vranjes(Leverkusen) | DF | 17. Rudge(Roda JC)■ |
| MF | 2. Miladin(Hajduk) ['49-16.Brajkovic(Rijeka)] |
MF | 2. Van Bommel(PSV) |
| MF | 3. Seric(Verona) | MF | 11. Van Der Legte(RKC) |
| MF | 10. Leko(Hajduk) | MF | 14. Nieuwenburg(Ajax) ['62-9.Knopper(Ajax)■] |
| FW | 7. Balaban(Rijeka) ['64-17.Mikic(Dinamo)] |
FW | 12. Lurling(Heerenveen) |
| FW | 9. Sokota(Dinamo) ['83-14.Pilipovic(Dinamo)] |
FW | 18. Sikora(Vitesse) |
| FW | 11. Simic(Dinamo) | FW | 19. Vennegoor of Hesselink(Twente)■ |
| 【Croatia 1−2 Netherlands】 | |||
| GOAL '20 | Miladin (Croatia) | ||
| GOAL '42 | Van Bommel (Netherlands) | ||
| GOAL '84 | Vennegoor of Hesselink (Netherlands) | ||
| Team | P | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | |
1 |
Netherlands |
3 |
1 |
0 |
0 |
2 |
1 |
2 |
Spain |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
1 |
3 |
Czech Rep. |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
1 |
4 |
Croatia |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
2 |
他の試合結果 |
Spain
1-1 Czech Rep. [A] |
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試合の写真画像についてはSport-Netから許可を頂いた上で、利用させて頂いています。THANKS!