北海道えりもで過ごした夏の日々

写真 北海道襟裳にて

July -Aug. 1971
仙台から来ていた葛岡君(左)と

Special Thanks 「Yoshi's Jazz Midi」(BGM提供 曲名「別れ」jazzy035.mid)

 北海道・道東の襟裳(えりも)岬から百人浜へ向かう浜にコンブ小屋が点在します.そのコンブ小屋で過ごした1ヶ月半は,とても懐かしい想い出です.もともと,牧場でのアルバイトを目指したものの,希望者が多く溢れてしまい,漁村ならあるというので,結局のところ,漁村でバイトをすることになりました.泳げない私ですが,「どうせ泳げても,潮の流れが速く,海に落ちたら誰も助からないから大丈夫だっ!」のそこの親父さんからの暖かい励ましも...

 襟裳の夏は日中でも気温が低く,ほとんど一日中だるまストーブに薪をくべていました.朝5時から夕方5時まで,くたくたになるまで働き続けました.凪の日(なぎ:海が静か)はコンブ取り,時化の日(しけ:海が荒れた日)は,漁船に乗ってタラバガニ漁や延縄漁,そして冬の毛ガニ漁の準備などをします.

 もともと体力の無かった私は,えりもに着いてすぐ,逃げ出したいという気持ちになりましたが,帰る汽車賃はなく,とにかく,無心になって働くしか術はありませんでした.(毎年,何人かの学生が夜逃げするとのことでした)
 仕事と仕事の合間には,ただただ,海や空を眺めて過ごしました.夜になると必ずと言っていいほど霧が出て,霧笛の音を聞きながら,何も無い静かな夜を過ごします.ある晩,たった一日だけですが,湯船につかりながら,冷たい風が吹き込むドアのない風呂場の入り口から見た光景が今でも目に浮かびます.漆黒の空と,その下に拡がる静かな海の水面に,月の光が煌々と射し込みました.とても贅沢な一時でした.

 仕事はつらく厳しい毎日でしたが,そこにはきびしいけど雄大な海があり,そこで出会った人々の優しさ...いまでも感謝の気持ちでいっぱいです.襟裳は第二の故郷です.




だるまストーブに関する興味ある情報は「極楽プログラマの生活」(リンク)にあります