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難病超えパソコン交流

福井の立石君、教科書に

「世界に仲間作りたい」

(以下の内容は,読売新聞記事データベースからの引用です)


98.05.25 東京読売夕刊14頁

◆来年度の高校英語
 生まれつきの難病で入院生活を続ける養護学校の生徒が、かすかに動く右手の指を使って、パソコンを習得し、病室から電子メールを通じて続けた人々との交流の様子やメッセージが、読売新聞の英字紙「ザ・デイリー・ヨミウリ」で報道され、それがきっかけで、来年度に使用される高校二、三年生用の英語の教科書で紹介されることになった。

◆本紙英字紙掲載きっかけ
 この生徒は、福井県立嶺南東養護学校高等部の立石郁雄君(16)(同県敦賀市若葉町)で、神経が侵され、全身の筋肉が衰えていく「ウェルドニッヒ・ホフマン病」のため、同市立敦賀病院に入院している。
 郁雄君は生後五か月から人工呼吸器を付けており、会話はできなかった。しかし、病院で訪問授業をしていた養護学校の教諭らが目や口の動き、かすかな舌の音などから読み取り、約十年前から教諭らとのわずかな会話ができるようになった。さらに、二年前にパソコンを覚え、画面を見ながら右手の親指でリモコンを操作、教諭らとパソコン通信を行ってきた。
 こうした様子が一九九六年五月二十八日の「ザ・デイリー・ヨミウリ」で報道され、京都市にある出版社「文英堂」の教科書担当者が「新しいことに挑戦する姿を同世代の子供たちに紹介したい」と教科書への掲載を申し入れた。
 教科書は「アプリコット」のイングリッシュコース2で、郁雄君用に特別のパソコンを開発した横浜市のリハビリテーションセンターの主任研究員との電子メールのやりとりや、目などを使った独特の会話法ができるまでの経緯などを六ページにわたって紹介している。さらに「世界中の友人を作りたい。自分のホームページを持ちたい」という郁雄君のメッセージも添えられている。
 同社によると、教科書は全国で約四万人の生徒が使う見込みで、郁雄君の母親あゆみさん(41)は「郁雄は自分の意思で何事にも取り組んでいる。いろんな人に頑張っている姿をわかってもらえれば励みになる」と喜び、郁雄君も「教科書を読んだ生徒とも友達になりたい」と話している。


 
 写真=母親のあゆみさんから教科書の見本を見せてもらう郁雄君
(福井県敦賀市の市立敦賀病院で) 

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