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ホームネットワークに望むこと 畠山 卓朗 ■20年前から...
すでに20年以上前から,ホームネットワークという考え方はあった.
ひとつは,各部屋に情報コンセントを設け,家庭内をケーブルでネットワーク化することで,例えば,別の部屋の照明を点けたり,あるいは外出先から電話を介して,エアコンの電源を入れたり.
もうひとつは,もう少し簡易な装置としてBSR X-10というシステムが日本に紹介され,実際に販売されたこともある.
こういった装置は,確かに便利そう,私たちの暮らしを快適にしてくれそうという予感を私たちに与えたが,しかし,実際に購入して活用するかというと,必ずしもそうではないということを感じてしまった.
その状況は,今でも,さほど変わっていない.■医療が発達し...
一方,救急救命医療が発達し,その結果として,高位頚髄損傷などの四肢マヒのある方が増えてきた.
その人々に対して,可能な限り自立した生活を支援することを目的として,環境制御装置が1960年代の初頭にイギリスで開発された.
わが国でも昭和56年に国内研究機関の有志が集まり,協議会を発足させ,日本の実情に合わせた環境制御装置の製品化に漕ぎ着けた.
しかし,民生機器に較べて,圧倒的に市場が狭く,社会貢献として製品化してくださっても,なかなか採算に合わないという実情がある.■ホームネットワークの障害者利用...
私たちは,障害のある人に対して,ホームネットワークの有効性を感じながら,しかし,すでに一般向けに作られたネットワークシステムを障害のある人のために改造することの困難さを何度となく味わってきました.
ここまでが,私たちの歩んできた歴史である.■そして,MAPプロジェクト...
障害のある人の利用を最初から配慮してネットワークを考えようというのが,このMAPプロジェクトの取り組みではないかと認識している
もちろんこのプロジェクトは障害者利用だけではなく,一般利用も可能なシステムであり,従来の取り組みと根本的に違うのは,最初から障害者のことをきちんと位置付けていることである.■これからのこと...
これまで,私自身,「障害者用...」,「障害のある人のための...装置」というスタンスでモノ作りをしてきた.
でも,最近,本当にこれだけで良いのかという疑問が自分自身の中に湧いてきている.
誰かのために役立つ装置を開発しようという気持ちに偽りはないが,正直,その装置を自分で使うことは毛頭考えていない.使いたいとは思っていない.できれば使いたくないとさえ.
最近,これではいけないのではないかと思い始めている.
本当は開発している本人も使いたくなるような機器でなければ,相手の人にも使ってもらえないのではないかということ.
そうでないと,やはり手頃なところで目標設定し,ここまでできるのだから,この程度で我慢してくださいという気持ちがどうしても出てくるような気がする.■使いたくなる装置,人を使う気にさせる技術とは...
???
いくつかのキーワードをあげることができる
最初のキーワードは「人と人をつなぐ」
最近,私自身反省したことあり
「見守りホットライン」(象印マホービン)というのがあるのをご存知?
高齢者はお茶を好んで飲む...という特性に着目し,ポットの電源の入り切り,給湯などの操作状況を電話回線を介して遠隔地に住む家族がモニターするというシステム.
この取り組みが紹介されたとき,果たしてポットだけでひとり暮らしのお年寄りの生活状態をモニターできるのかといった疑問が投げかけられた.私も同様に感じた一人であった.
しかし,実際このポットが使われ始めると,必ずしもそうではないことが少しずつ分かってきた.
それまで,四六時中お茶を飲む習慣が無かったお年寄りも,このポットの向こうで息子や娘が自分の身体を気遣ってくれているのだという気持ちから,自然とポットに気持ちが向かうようになったというエピソードを聞いて,私の認識が必ずしも正しくはなかったと認識するに至った.
■二つ目のキーワードは「ワクワク感」を満足
最近,10年以上ぶりにチャットをしてみた.
チャットのための環境も少しずつ改善されているものの,それほど大きな違いは感ぜずに操作できた.
その中で「まるさん」という人と知り合い,「ところでまるさんは何歳ぐらいの人ですか」と聞くと,「25歳ッス」という答えが戻ってきた.
私はそれに対して透かさず「52歳ッス」と返した.
チャットは比較的単純な会話のやりとりですが,ネットワークを介して未知の人と世代を越えて,言うなれば未知の世界と出会うということから,人の気持ちをワクワクさせるものがある.
でも,チャットシステムには改善すべき要素は多々あるように思う.
素早いキー入力ができないと,話の輪に入っていけないこと.
相手の挙動が見えにくい,とくに相手からしばらく応答がないと,どうしてしまったのだろうという,心を不安にさせる側面もあります.
特に,キー操作が早く出来ないような重度障害がある人や高齢の方にとっては参加することが難しい.
対象となる人やモノの「気配が感じられる」というのも一つのキーワードではないか.その他のキーワードとしては「生きる力」「安心感」「誇り」「新たな出会い」等々
以上いろいろと述べてきたが, MAPプロジェクトが成功することを心から願っている.
(MAPプロトコルセミナー,2001.1.18,東京・調布・クレストンホテル) ![]()
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