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ようこそ私のサイトへ。メディアの批評・研究と身辺雑記のページです。
だいたい朝起き抜けに書いています。
メディア界の一員にすぎない編集者のサイトですが、内実の見えにくいメディアの事情を理解したり、一緒に問題を感じたり、重要性を認識していただければ幸いです。
ただし、勤務先の業務については客観的に書くことが難しいので、できるだけ言及をさけています。
過去の日記は「過ぎし日々にあります。まとまった考えや分析は左欄に並べ、時期がたったものは編集日記に入れました。
メールはこちらです。
本が買いたくなったら、靴を履いて本屋に走るか、使いつけのWeb書店で。主なものを右に挙げておきました。


2002.12.26(木)

年末進行が終了。
今回は「よう体がもったなあ」と、寄る年波を感じました。
昨日は一日休みをとって家族サービス。年賀状のデザインも終わって、あとは住所録の整理です。
これが面倒で…。とはいえ、今年一年お世話になった方々や、ごぶさたしている方々の顔を思い浮かべるよい機会です。
そして、亡くなった人の恩を改めて感じることにも。

私にとっての2003年の大きな訃報は、仲人をしていただいた鈴木一雄先生と、『完本 文語文』などの本をださせていただいた山本夏彦先生。
夏彦さんの「お別れの会」は、先月28日に青山葬儀所で行われました。
こうしたとき、出版社では社内から「お手伝い」をつのるのですが、私の所にも当然話が回ってきた。
ところが校了の真っ只中で、残念ながら辞退。
申し訳なく、また寂しい気持ちでいたのですが、時間ぎりぎりに献花にうかがったところ、正面の写真が満面の笑みで迎えてくださいました。
それから数日後、工作社から電話。
「田中さん、山本がパパスの広告にでたときのカメラマンの方を覚えていらっしゃいますか」。
カジュアルウェアのパパスが、著名人の背広姿のONと、パパスを着たOFFの姿を対比的に掲載して好評の長期連載広告。その撮影にお供をしたことがあった。
先生、真っ赤なセーターを着せられて、「これは別人のようだね。別人山本夏彦だ」と喜んでおられた。
そのあと、銀座で晩御飯まで御馳走になったっけ。
今日、ご遺族から会葬御礼が届いたら、あのときの写真がテレホンカードになって入っていた。
いあ、これは絶対に使えません。
一生の宝です。

夏彦さんといえば、「年を歴た鰐の話」が「小説新潮」12月号に再録されています。
復刊ドットコムのココで投票を募っているそうですが、ちょっといまの時代に問題のある表現があって本人の了解がいまからとれないのと、短すぎてこれ単体では本になりづらいのをどうするかが関門ですかね。
夏彦ファンといえば、こんなファンサイトもあります。


年賀状の話に戻って、多くの人にはメール賀状で失礼しようと思っているのですが、「メール賀状整理ソフト」というのは、まだありませんね。
eカードは、いちいちアクセスしないといけないし時間がかかるので、個人的にはあまり感心しないです。
かといって、メールでBCCを大量に送るとトラブルの原因だしなあ。
ちょっと迷っています。


家族一緒に初めていってきました東京ミレナリオ
まあキレイですけど、あんなに歩かされるとはねえ。
東京駅からまっすぐは行けなくて、大きく迂回させられました。
丸の内側にでて、北口から横断歩道を渡る。旧JR東日本本社前から日本工業倶楽部側に渡って右折。
永代通りの東洋信託銀行角を左折。
日比谷通りに出て、左折。
お掘り沿いを延々歩いて、和田倉門をすぎて、三菱商事ビル別館と三井信託丸の内三井ビルの間を左折、丸ビルが左斜め前に見えてきたところで右折して、ようやく中通にはいるというコースです。
うちは妊婦が一緒だったので、思わぬ長距離にあわてました。
ファーストスクエアビルで晩御飯にしようかと思った。
これなら、東西線大手町駅から合流するか、タクシーで和田倉門にいくほうがいい。
あるいは丸の内地下駐車場に車でははいる手もあるかもしれません。
短いコースでよければ、京葉線東京駅、東京三菱本店に近いところで中通に入って、有楽町まで抜ける手もある。
昨夜は暖かい夜だからまだよかったけど、今夜は冷えるらしい。
もし計画している人がいたら、防寒しっかりなさってください。


2002.12.25(水)

再びYさんの話題ですが、Web上で日経新聞批判を展開されていますな。
おー、いいぞー。
私が2000年の春にやったアンケート「ビジネスマインドでみた日本のマスメディア」でも浮上した問題が、いまだに大きく巣くっている感じですね。
日経新聞が影響力の大きな新聞であり、情報量が豊富であることは認める。
しかし、その記事作成の過程に読者が知り得ない意図的な作業が入っているとしたら、多くの人に知られてしかるべきです。
安心して読めない。
食品の処理過程にはこんなに敏感な読者が情報の処理過程にはまったく無頓着ということはありえない。
ビジネスにおいては情報こそがメシノタネですからね。
なかなかアンチ日経を旗印にしたエコノミストとしては存在しにくいだろうけど、ぜひ愛と提言あふれる建設的な意見を続けていただきたいものです。


2002.12.14(土)

いろいろ、お祝いのメールをいただき恐縮です。
妻が「普通は安定期を迎えてから公表するものよ」。
すまぬ、すまぬ。ネタのためなら女房もつかう…。

Yさんからのメールに、はじめ感涙、のち苦笑。

宝物が一気に2つも。
どうか奥様を大切になさってください。

ひとこと年上の人間からのアドバイスです。
地方出身者がいい仕事をするためには、住宅ローンを早く終わらせることです。
そうしておけば、会社が経営統合になってもあんまり慌てることはありません。

あ、田中さんの場合は、物件がちょっと高すぎたか。
いや〜すいませんねえ。こりゃどうも。じゃんじゃん!


く〜っ。
まあ、我が家のローンもYさんの給料に転用されているかと思えば、支払いに意欲が湧くというものです。
欠陥住宅だったら、某北海道のホテル以上に詳細なレポートを掲載しますから覚悟しておくように。

昨日の朝日経済新聞1面「与党 少子化対策2500億円」
しかし、その内訳はというと、うち8割の2000億円で児童手当の対象外となっている小学校1〜3年生を支給対象にするというもの。
あれ〜、やっぱりバラマキかあ。
「現行の児童手当はサラリーマン世帯の場合、年収750万円未満を対象に小学校入学前の子供1人に月5千円、第3子以降は1万円が支給されている」
う〜ん、それが
「よし、子供をも授かろう!」
というインセンティブになるのかなあ。
それより、お母さんが外に出やすい環境を作るほうがいいかも…。

ドイツの税制について小耳にはさんだ話を書いたら、早速メールがきました。
そうそう、ヨーロッパ、特にドイツの経済や社会体制というえば、掲載の前にこの方に尋ねてみるべきでした。
私の生半可な知識をフォローしてくださっています。

ドイツの税制。「税制度について書かれた世界の本の90%はドイツの税制に関するもの」という冗談があるくらい、とにかく複雑怪奇なことで有名です。私は5万円くらい払って税理士に丸投げしてしまったので、詳しいことは知りません。

田中さんがHPで紹介した制度は多分、夫婦合算の申告制度のことではないかと思います。ドイツでは、夫婦の両方に所得がある場合、別々に申告・納税する(日本式)か、合算で申告・納税するか選択することができます。夫婦の一方に収入がない、あるいは収入が少ない時は合算が有利と聞いています。ちなみに日本で夫婦別々にしか申告・納税できない理由は、戦後の占領時代に米国が「夫婦のそれぞれの人格独立」のため導入させたということを聞いたことがありますが、真偽は定かではありません。

一方、ドイツの合算申告で、子供がいる場合にも人数として計算されるかどうかは私には分かりません。夫婦2人+子供1人で、一家の全収入を3で割るのかどうか?。
私の場合、夫婦合算申告をしていて、滞在中に子供が生まれたのですが、その後の税額は「たいして変化がないな」という実感でした。

ドイツの金銭的な少子化対策では「児童扶養手当」でしょうか。日本では年収700万円程度を上限に、子供1人月5000円(第3子からは1万円)ですが、ドイツでは子供1人月154ユーロ(2万円弱)で、しかもだいたい成人するまで支払われる。子供が2−3人いると、全然違いますよね。ドイツではこのほか、子供を養育している間の夫婦の年金支払い(掛け金)を減額するといった案が検討されています。

でも、それにもかかわらず、少子化、人口の自然減はドイツでも続いています。特に旧東ドイツでは、東西統一後に出生率が激減した。これはロシアを含む旧共産圏すべての国の共通現象です。少子化対策は「カネ」では解決しない、というのが欧州の共通認識となっています。

その欧州で、出生率の上昇に成功した国がフランスです。98年くらいから子供の誕生数が増加しています。これについて詳しい分析を探しているものの、あまり出ていません。週35時間労働の導入で共働き家庭に時間的余裕ができたという社会党サイドの説明もあれば、サッカーW杯、欧州選手権での優勝による国民精神の高揚という説まであります。


ありがとうございます。
アメリカでも少子化問題が深刻でないのは移民が多いからだという話はときどき聞きます。白人に限って言えば、やはり少子化傾向のようですね。
まあ、あんなゲイとかレズの蔓延した国では仕方がないか(と、また無責任な決めつけを…)
豊かになれば種の保存欲求が希薄になるのも仕方がない。もちろん社会構造にも要因はあるのですが。
少子化対策は「カネ」では解決しない
うーん、そうかもしれません。少なくともバラマキでは。
やはり、心理面も含めた多角的な対策が必要なのでしょう。
どうするといいのかな…。


2002.12.13(金)

えーっと、久々に週刊誌実買部数のグラフを更新しました。

00年上期 00年下期 01年上期 01年下期 02年上期
週刊朝日 320127 309719 310299 305984 301875
サンデー毎日 130643 108383 109648 104296 114741
週刊新潮 522889 506786 496103 489206 565412
週刊文春 648106 630495 583837 602569 629387
週刊現代 654145 643731 618492 618161 606023
週刊ポスト 668258 657761 650851 682072 647452
週刊宝石 296647
週刊ダイヤモンド 122036 126058 121252 120938 120978
週刊東洋経済 79264 78648 80938 80368 82397
日経ビジネス 331855 335245 344321 344858 345184
ニューズウィーク日本版 117816 111396 103765 110131 100430
女性自身 434102 437483 419893 421631 393580
女性セブン 512763 480866 460408 475127 449633
週刊女性 362889 345592 313746 294069 265680
アサヒ芸能 227010 206656 232958 241060 239350
週刊大衆 364899 350678 346840 346375 324899
週刊実話 154804 151167 150680


「週刊新潮」
ムネオと真紀子で部数躍進
その前からだんだん面白くなってきていた
ムネオ、真紀子後も部数を維持できるかが注目点。地力はついてきていると思うが…。

「週刊文春」
部数を伸ばして、「週刊現代」を追い抜き「週刊ポスト」までもう一息。
誌面やや女性化。女性読者が多かったのは、「女性も読みやすい男性週刊誌」だったからで、「オヤジたちの理屈を読んでみたい」というニーズが人気の走りだった。「走り」と「大口顧客」となった現在では対応が違うのが当然にして微妙なさじ加減。昔に戻せば部数がのびる単純論ではいかない。
まあ、競合他誌にくらべればぜいたくな悩みかもしれないが。

「週刊ポスト」「週刊現代」
2誌の凋落は、ようやくヘアヌードの時代が終わりを告げつつある現れ。
しかし、編集部はヘアヌードで雑誌が売れていったために、取材記者がきちんと育っているのかどうか。
活版は付録、という意識なのか、記事を読んでも文章が甘く、面白くないものが多くなったのでは?

「週刊朝日」
部数漸減止まらず。
社長の一声で編集長更迭となったのは気の毒だけど、この成績では応援に力が入らない。
やはり、週刊誌は部数あってこそ。厳しい。

「日経ビジネス」週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」
経済週刊誌の伸長にも歯止め。「週刊ダイヤモンド」のは、前期比わずか40冊増。かろうじてマイナスをくい止めた。
東洋経済関係者の話では、「週刊東洋経済」近頃のヒットは「うつ病」「大学」だそうな。普通に経済記事をやっても売れないという。読者に「改革脅迫感疲れ」がでているのか。日本のビジネスマンのそこの浅さを見る感じ。

雑誌広告激減
部数調査のABCではわかりませんが、今年の週刊誌業界で深刻だったのは、部数より広告の減少でしょう。
「絶頂だった『日経ビジネス』でも、16〜18%も落ち込んでいるらしい」
とは、業界雀の噂話。
今月発表された
博報堂・大広・読売広告社、共同持ち株会社設置による経営統合へ
も、こうした流れの影響でしょうか。
広告に関して明るい話題と言えば、昨日の日経新聞夕刊「米の広告需要回復 今年2.6%増 TV、料金4割上昇」。
あっちは、なんでも極端、現金ですねえ。
これが、外資の広告に結びついてくれるといいのですが。



日経ネットの記事。
青森銀・秋田銀・岩手銀、業務提携を拡大
いよいよ、県境を越えた地銀再編の時代でしょうか。


2002.12.12(木)

日帰りで大阪まで行ってきました。
車中、産経新聞を講読。2面に「観光振興で戦略会議 年明けにも新設 外国人客を誘致」とある。
「政府はここ数年、日本が取り組むべき重要な課題について戦略会議を作っており、IT(情報技術)やBT(バイオテクノロジー)に続く」ですって。
もー、遅いんですよ。ワールドカップ終わっちゃったじゃない。私がずいぶん前から主張しているのに(って、こんな弱小サイトじゃダメかな)。
それでも、ITやバイオテクノロジーと同等に扱うというなら、結構面白いことができるかも。お手並み拝見です。

おなじ紙面に配偶者特別控除をめぐって「少子化対策 増額要求へ」という記事も。
配偶者特別控除を廃止する条件として、公明党が少子化対策の充実を要求していることは各紙が書いているが、産経新聞は「少子化対策費の増額」とより具体的に記している。
うーん、どうなのかな。
公明党のいう少子化対策は、低所得者層に対する金銭的に手厚い保護に終わる可能性があるんじゃないだろうか。低所得者層に手厚いだけのバラマキならば、低所得層の生活防衛になるだけで、少子化と直接結びつかない可能性があって心配です。
むしろ、中高所得者が出産した場合、教育費や服飾など関連する消費も膨らむと思う。

少子化の問題は、実は中高所得家庭の出産敬遠が大きいのではないかと思う。
中高所得"者"ではなく中高所得"家庭"としたのには理由があって、一人一人の収入では低所得でも、共働きをすることによって中高所得層の生活を享受している家庭は多い。
特に男女雇用機会均等法以降の女性達には「寿退社」は夢でもなんでもなく、妻の収入が断たれると家計の運営に大きな負担がかかるという事情があるわけです。

では、どうすればいいか。ドイツの税制が面白そうです。
先日聞いた話ですが、ドイツでは、家庭の総収入を家族の人数で割る。その額に対して所得税がかかってくるそうです。
もし夫と妻が600万ずつの収入があって、合計1200万円だったとします。
ここに子供が1人生まれると、1人あたり400万円の収入があるとみなされる。
2人目が生まれると、1人あたり300万円の収入。
3人目が生まれると、1人あたり240万円の収入。
子供が増えると税金は安くなる。仕事のある妻が一時的に子供を産んでも、
「キャリアの障害になる」とは考えずに、「これで税金が安くなる」と考えることができる。
これなら、子供が増えそうです。
しかも、夫の収入1200万円、妻の収入0円の家庭でも不公平にならない。
さすがドイツ人、ものすごく合理的じゃないですか。
配偶者控除とか、扶養家族の控除とか、屋上屋を重ねるような日本の制度とは大違いじゃないですか。


えー、あー、うー。
そう思っているところへ、我が田中家では、驚くべきニュースが明らかになりました。
順調にいけば、来夏に第2子が、そして間を置かず第3子が誕生する見込みです。
つまり双子なんですね。もう1人ほしいと思っていたら、2倍でやってきた。
いやー、これは面白そう。

しかし、家計の運営という点からいえば、もちろん不安がある。
20歳までに1人1000万円かかるとして、1年で50万円。これが2人だと100万円。
家計の負担がまるっきり違います。
食費、病院代、学費、すべて2倍。
来年からは、新しいマンションのローンで、ただでさえ支払いが増えるというのに…。

かといって、生活を切り詰めればいいというわけにはいかない。
編集者は人づきあいのなかで情報を得たり、仕事のヒントを得る。
ある、地方出身の先輩社員が、しみじみと言っていたことを思い出します。
「田中さあ、本当は俺達みたいな地方出身で、東京に家もなければ、親の財産もないような人間は雑誌編集者には向いてないよね」
それを聞きながら心の中で、
「いやいや、そんなことはありませんよ。それでもソコソコのことはできるって私が証をたててみせましょう」
って思ったのですが、はて果たせるかどうか。
いや、果たさねばなるまいて。

にしても、ドイツ式はうらやましい。


2002.12.11(水)

「少年ジャンプ」のアメリカ版、どうなのかと思っていたら、こんなところに関連レポートが。
この前まで東京にいたと思ったのに、もうニューヨークに帰って更新していたんですね。
そうか、アメリカで漫画を買うには一苦労しそうですね。


2002.12.10(火)

「BS局への出資規制 緩和を正式表明 総務省 地方局同士も」(日本経済新聞 朝刊)
ほらほら、いわないことじゃない。「放送業界研究2002」で指摘した地方局の問題が、具体的になってきました。
「地方局が破たんした場合、同一県内の放送局などが例外的に吸収できる特例も設ける」
すでにメディアの破綻が具体的に想定できる状態になってきたということです。法律の成立を待って経営危機を表明するテレビ局が出てくるでしょう。
旧郵政省の定見のない多チャンネル化の産物です。いつの時代の誰が決めたのか、一度誰かに聞いてみたい。

しかしまあ、テレビ局の存続より深刻なのは活字ジャーナリズムの存続です。
朝日新聞の件は、その後も同社内の人から色々と憤懣やる方ない声をききました。
どうも、朝日社内で私のサイトのURLが飛び交ったらしい…。
「松下との対立よりも、実はSONYとの対立のほうが深刻なんだよ」
「今後一切SONY批判しないという詫び状を出したという話もある」
「今まで企業が怒って対立した事例は幾つもある。そこを踏ん張ってきた歴史をどう考えているんだろう」
「箱島さんは軸がぶれやすい人なんだよ」
「週刊文春が書いていた内容はほぼその通りだね」
などなど。

朝日新聞は戦前の反省から強烈な反権力の体制をとった。
時には行き過ぎて、世論を過たせたことも繰り返しある。
しかし、反体制反権力のメディアは絶対に必要であって、多少の行き過ぎは民主主義のコストに含まれると思う。
メディアは社会にその特殊性を受容されて存続してきた存在です。
そのトップにある朝日新聞が毎日流通させる情報が、読者である我々のまったく知らないフィルターによって濾過されたものばかりであるとしたら…、ちょっと背筋が寒くなります。

言論の絶対的中立がいかにモロいものであるか。
ぜひ一読いただきたい文章があります。
月刊誌「文藝春秋」1月号の立花隆連載『私の東大論』(42)「狂信右翼・蓑田胸喜と滝川事件」です。
蓑田は東京大学法学部卒で慶応大学教授、のち国士館大学教授となりますが、狂信的な反共産主義活動を行い、国体明徴を唱えます。
大正末から昭和初期の言論界において、思想家や学者、時には官僚や政治家にまでマルクス主義信奉者、共産主義者のレッテルを貼り、機関紙で攻撃する。政界、官界、学会に、その主張を宣伝して回る。

論文中に引用された資料にこうあります。
「蓑田胸喜とその一派、すなわち『原理日本社』は、その『思想』『哲学』においては、ほとんどとるにたりないが、しかし、かれらの思想検察官としての行動は、昭和思想史上のすべての事件の黒幕となっている。吉野作造攻撃にはじまり、京大(滝川事件)、美濃部達吉の天皇機関説事件、津田左右吉事件、大内兵衛、有沢広巳らの人民戦線事件、河合英治郎事件、かれらの背後にはすべて蓑田とその一派の黒い手がはたらいている」

その様は、決して「80年も前の出来事だよ」と笑い飛ばすわけにはいかない不気味さをもっています。
伊藤洋一さんは、バブル経済と大恐慌は100年ごとに訪れる。それは世代を越えて体験を共有できないからだ、と過去に言ったと思う。

ここ数年の検察の世論に対するパフォーマンスを重視した身勝手な法解釈や裁判官の身内のコンセンサスによる判決の誘導も、なんとなく不吉な要素のひとつです。

思想と言論の敗北も、その痛切な必要性を歴史から学べない時代にきているのではないか…という気がしてなりません。


2002.12.01(日)

アリーリータイムスのボトル型をした変な怪獣の名前は「イチラ」。
ながく主宰してきた「1の会」の最終回で、お礼にいただきました。
これとおなじ絵柄のTシャツも。
デザインは田代卓さん。
フジテレビの青木美枝さんが企画してくれて、ボトルにかぶせた怪獣の顔は読売PCの後藤裕子さんがつくってくれた。朝の5時までかかったんですと。
全然知らなかったので、ビックリデス。
なんか、高校の体育祭で女の子に鉢巻きもらった時を思い出しました。
そのあと、シャンペンと特大ボトルで乾杯。

最終回は70余名の参加があり、3次会でも20人くらいが朝までカラオケを歌っていた。
最後までよろこんでもらえてよかったです。

岡本呻也さんの卓越したノウハウがなければ、この会はここまで盛り上がらなかった。
そして二人が始めた時からの重要なテーマのひとつが、「いつ、どんな形で終わらせるか」でした。

「1の会」はメディア関係者限定と枠をはめた会であり、利害を越えた交流ができたところが貴重だった。4年間でできた仲間は、まるで学生時代の友人のように分かり合え、信頼関係ができていると思う。
ただ、だらだらと続ければ馴れ合い、遊びの会で終わってしまう。
大学生は「いつか卒業しなければならない」という背景があるからこそ、短い学生時代を謳歌できる。「1の会」もこれで一応の卒業をみた形です。
キレイに終われて何よりよかった。余剰金も2次会の飲み代でさっぱりと消えてしまった。

人の世話をするのは好きなんだけど、皆で作業を分担しながら盛り上がっていくほうが好きで、人さまから持ち上げられたりすると妙に居心地が悪くなってしまう。
個人的な反省点をあげると、ちょっと人に対して受け身になってしまったかも。
これからまた違った貪欲さで、色々な人に会いに行きたいと思っているところです。


2002年11月

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