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ほぼ毎日更新しているサイト・オーナー 4人が酒を酌み交わしつつ放談・酔談。 個人サイトの可能性などを語り明かした 第1回「爆笑! 四酔人 サイト問答」に 引き続き、山にこもった。 もとい、白金の秘密の石鍋屋へ結集! マスメディアは社会変革の力となりうるか。 ネットではまだ対抗しきれない既存 マスメディアの強さと、ますます深刻に なってきた時代後れの弊害を語り明かした。 題して、「爆笑! 四酔人 マスメディアの逆襲」。 日本のメディアの未来はいかに。 |
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「師匠」伊藤洋一 Ycaster 為替市場、IT、野球と幅広い話題の人気サイト |
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「かんべえ」吉崎達彦 溜池通信 政治経済にユニークな視点を提供 |
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「エセ茶人」岡本呻也 日本のカイシャ、いかがなものか! 日本の会社が抱える問題を追求 |
「門前の小僧」田中裕士 thinking about media メディアの可能性と問題を思考 |
※ なお、この座談会はあまりにも過激なため、本人以外の発言には一切の責任を負わないものとします。
※ thinking about media の日記はココに掲載しています。
(5) 情報の三遊間がスコーンと抜けている
田中 通信社だけに限らず、自分の反省をこめて言うと、僕らのやっている仕事って、前任者からの引き継ぎじゃないですか。「何のためにやっているのか」が分からなくてパーツのエキスパートになっているんですよ。根本的な部分の教育が不足しているんじゃないですかね。
伊藤 通信社の教育は、「より多くの新聞に載るように」だよ。それは無機質になるよな。なぜそうするかといえば、有機質の記事は新聞が書くから。朝日だって、社会面を通信社の配信ダネにはしないだろう。分かっているから、そう書く。
吉崎 配信社が記事を書く値打ちというのもあって、これは神保哲生の受け売りなんだけど、アメリカのジャーナリストにはこういう教育があるんですって。どっかの奥地に行って、新聞記者が5人いて、全員が知っているすごい特ダネがあるんだけど、電話は一台しかない。こういうとき誰が先に最初に電話をかけるか。「APにかけさせろ」というのが答なんです。
田中 ファクトを先に、ということ?
吉崎 そうそう。
岡本 そうかな。みんな通信社の電話の横でメモ取っていたりして(笑)。
(爆笑)
伊藤 ホワイトハウスの記者会見で最初に質問するのはUPIのオバチャンかAPって決まっているんだよ。最初は彼らなんだよ。そこからワシントンタイムスやニューヨーク・タイムスなんだよ。
岡本 彼らは教育が行き届いているから、的を外さない。これ、大事。
伊藤 新聞社にどう配信するかということを考えているから、共通ダネを聞くわけだよ。後はインディヴィジュアルな質問があるんだよ。
田中 朝日の記事みていると、ファクトかイデオロギーか分からないようなのが出てくるじゃないですか。あれをえり分けながら読むのはつらいなあ。
伊藤 あれはね、ゴチャマゼになっているの。だから、一つのやり方として、ファクトを通信社の記事で流して、コメントとして新聞社の記者が書くのはいい。新聞社の社会ダネって嫌いなんだけど、それはエモーションしかないから。
田中 なんで、そうなったと思います?
伊藤 それが売れるから。間違いないよ。だって800万売るんだよ。どうする。政治部、経済部だけだよな。三遊間がスポーンと抜けるわけだよ。政治部の中でも、何々派閥担当、何々派閥担当となっていて、編集委員が上で見なきゃいけないのに、彼らも見れていない。
岡本 編集委員も記者の延長ですから。
田中 10年前、20年前と比べてどうですか。
伊藤 明らかにヒドイ。IT社会になったけどITが分からない。相変わらず「俺は政治の専門家だ」って威張っている。だけど世の中って全部リンクしてるはずだろ。たとえば森首相がIT、ITって、どういうタイミングで言ったのかわからない。そのころ経済部のには、「もうITって終わりなのにな」って言っている人間がいる。同じ経済部でもインダストリアルばかりやっている連中はITが分からない。つまり全体で見ている人間っていない。俺はそれをやろうと思っているわけ。
田中 あえて聞きますけど、昔はできていたんですか。
伊藤 できていた。だって、世の中狭かったから。
田中 じゃあ、メディアが以前より駄目になったのではなくて、世の中の動きについていけてないと。
伊藤 そう。
岡本 そう思う。
伊藤 だって、新聞社の部が増えたって話、聞いたことがある? 政治部、経済部、社会部…。みんな三遊間、抜けているだろ。
田中 科学記者でも、昔みたいに学術論文を読まないらしいですね。
伊藤 だってバイオは知ってるけど、IT知らない人間、いっぱいいるんだから。立花隆がIT一生懸命読んでITの 記事書く。バイオ一生懸命読んで、バイオの記事書く。彼は昔、政治畑にいましたよね、なんでここにいるんですか。でも、一生懸命書いているから読みましょう。そういう読者がいるわけだよ。
田中 それで、「知の巨人」と言われるわけだ。
吉崎 アメリカのデイビッド・アッシャーという人がおりましてですね、今度、米国大使館の政務担当公使になるんです。肩書きはエコノミストなんだけど、もともと軍事畑の人なんです。
岡本 ジョゼフ・ナイの下にいたんですよ。オックスフォードで論文書いてた時に訪ねて行った。昭和恐慌について研究してましたね。その後原稿も頼んだっけ。英語が難しくて誰も訳せなかった。
吉崎 そのデイビッド・アッシャーに会って「日本ではエコノミストは安全保障のことは分からないし、安全保障のことをやっている人は経済のことが分からない」という話をしたら、彼は「アメリカでもそうだ」というんですね。「バランスシートが読める奴はバランス・オブ・パワーが分からない。バランス・オブ・パワーが分かる人は、バランスシートが読めない」。
伊藤 ブッシュ政権というのは、アーミテージとリンゼーを両方わかって、半分わかる。あんたアーミテージ訳したでしょ、俺はリンゼー訳したけど、この二人がわかって、やっと半分わかるんだよ。環境政策誰が決めているの?
実は分からないんだよ。経済戦略はリンゼーが決めいてますよ。それで、二正面戦略を放棄するとかの話はラムズフェルドとか、その辺が決めているわけ。じゃあ、環境は誰が決めているの?
わかんないんだよ。
これは大きな問題だよ。幅広に全体のバランスを分かる人がいなくなった。世界的に。
田中 グリーンスパンはそこが強かった?
伊藤 グリーンスパンは、テクノロジーのことはよく知っている。彼はビジネスエコノミストだったから、ビジネスに関わることは全部集めるわけ。自動車部品の在庫まで。驚いたことに、グリーンスパンが議長になるまで、FRBは株式市場のことを全く考えていなかったんだよ。これはみんな、今度だす『
グリーンスパンは神か』(TBSブリタニカ刊)に書いてあるから。
岡本 他にはどんなことが書いてあるんです?
伊藤 音楽好きでジュリアード音楽院に行ったとか、ジャズバンド組んで一年間歩いていたとかさ。人間には、かならずその人の背景が影響しているんだよ。
吉崎 政治オタクの世界では、最近では公明党まで見ていないといけない。昔は自民党と民主党にある程度お友達がいたらまあわかるかな、というところがあったけど、最近の政治オタクは公明党の秘書まで仲良くしちゃうわけ。
岡本 公明党はね、接触したいと思わないね、私は。
吉崎 でも、実際に公明党の人に話聞くと、目からウロコということがありますよ。創価学会婦人部って小泉支持なんですね。一般大衆の感情とそんなに外れないんだって。だから公明党は小泉政権についていく。
岡本 政治の話で言うと、この前のハンセン病関連の報道はひどかった。ハンセン病患者のじいさんが「認めてくれた」って喜んでる映像流して同情しているのがテレビのスタンスですよね。でも、これって「小泉内閣では政治家がきちんと役所をコントロールしますよ」と宣言した、また今までその独立性が疑わしかった司法制度が機能したきわめて珍しいケースだと受け取るべきなんですよ。ところが「小泉首相がハンセン病の上告を阻止することによって役人をいじめている」、というニュースを作る。でも、その解釈は違うんですよ。小泉首相というのは役人のトップなんだから。その人がダメって言ったら、ダメなんですよ。みんなが投票して、選んでいるわけだから。メディアの人間は統治機構が分かっていない。現代社会とかで習っているはずなのに、我々の統治機構を知らず記事を書いたり報道したりしているんですよ。
伊藤 それはそうだったけど、日本の歴史をみると官僚主導で政治をしてきた時期があったわけだから、政治家ってのはどこかのゴロツキのようなところもあったわけ。知的レベルも官僚のほうが高かったわけ。今は転換点にあるわけだから。そういうプロセスを確立するために小泉さんが動き田中真紀子がやるのはいいんだよ。ただし、政治家全体が高いレベルに達していますかというと、そうではないわけだよ。
岡本 国民の政治家にたいする不信というのはもっともなことなんですよ。なぜならば官僚によってコントロールされてきたことがあり、国民にとっては政治家はサンドバックだったわけですよ。何かあったら政治家を叩けばいい。官僚は見えないわけだから。
吉崎 岡本さんのその見方は一面的すぎると思います。日本の戦後政治の重要な判断はほとんど官僚ではなくて政治がやっていますよ。サンフランシスコ講和会議がその一例です。官僚機構というのは、あまりにも重大な問題や複数の省庁にまたがる決断は下せないようになっているんですもの。
伊藤 俺は官僚機構というのは日常だと思うわけ。政治というのは非日常なんだよ。非日常になると政治が決めざるを得なくなるんだよ。デイリーのガバメントのランニングは官僚がやればいいんだよ。
岡本 そもそもね、複数の役所にまたがる判断を巧みに避け続けて今日に至ってますからね。執行は官僚にやらせればいい。しかし、企画立案あるいは政策の決定は議会でやらなければならない。それが立法府の本旨でしょう。それを徐々に権限を拡大した官僚が勝手にやってきたのに、そこに国民の目が向かないシステムがあった。いまだにメディアの意識が低くてだまされていると思うんですよ。
| 「爆笑! 四酔人 マスメディアの逆襲」 連載内容 |
| 私が会社を辞めた理由 |
| みんな「この人の一言」を求めている |
| 商業ネットの一極集中が始まる |
| 新聞を読まない人間は後悔する |
| 情報の三遊間がスコーンと抜けている |
| 日本のマスメディアはなぜ軸足がブレるのか |
| 経済評論家は正体不明の人ばかり |
| ジャーナリストは未だイデオロギーの世界 |
| 迷うからこそ新たな価値が生まれる |