地域福祉に関する東京政策2005
東京・生活クラブ運動グループ福祉協議会

 生活クラブ運動グループ福祉協議会では、子どもも高齢者も、障がいを持つ人も持たない人も、すべての人がその人らしく生活できる社会、ノーマライゼーションを理念として、自治と共同による地域づくりをすすめてきました。

 制度導入前から5年間にわたって実施してきた「介護保険制度検証のための基礎調査」を通して、高齢者の地域での生活を支えるためには、介護保険制度によるサービスだけでは不充分であり、医療と連携したサービスや様々な生活援助サービス、さらにはボランティアや地域住民などによるインフォーマルなサービスを作り出していくことが必要であると実感しました。
 この事は高齢者だけでなく、地域での生活を望み、何らかの支援を必要とする全ての人を支えるためにも必要です。そして、このような地域福祉をつくっていくためには、市民が公共サービスを含めた様々なサービスの担い手として参加し、コミュニティの再生や新たな公共空間の形成に積極的な役割を果たすことが期待されています。

 私たちの実践が牽引役となりながら、誰もが安心して暮らせる東京のまちづくりをすすめていくために、この福祉政策をまとめました。この政策をもって生活者ネットワークと政策協定を結び、都政に向けての代理人運動を展開します。

T.市民参加により地域福祉を進める
1)地域福祉の担い手をつくります
福祉を担う人材の質がますます問われるようになってきています。ホームヘルパー養成講習、ガイドヘルパー講習、保育スタッフ養成講習、市民相談員研修などの人材養成を独自に企画していきます。また、福祉事業に従事する人の社会的保障など労働条件を整えるために政策提案を行います。

2)利用者の立場に立った福祉サービスをつくり、行政との協働により、地域福祉を進めます。

3)運動グループの各団体の活動を共有しながら、多世代が共に住まい、暮らしのなかで助け合う新たな住まい方を提案していきます。

4)子育ての場面、介護の場面において、地域ごとに医療と福祉の連携を重ねながら、東京として活動や課題を共有し、さらに連携を深めていきます。

自治体における地域福祉計画づくりが、市民
参画によって進められるよう推進すると共に、計画の実行への参画を推進していきます。
U.高齢者福祉を充実させる
1) 健康を維持し、生きがいを持って暮らし続けられるよう、さまざまな活動を展開します。
介護が必要になった時に、その人らしく、自立した生活を続けられるように支えるしくみをつくる事が第一ですが、病気を予防し、健康を維持しながら、生きがいを持って暮らし続けられるよう、以下の様な様々な活動を展開します。
・ 健康維持、体力づくりに役立つ講座の開催。
・ 「転倒骨折予防」「オムツに頼らない排泄」「痴呆ケア」など、介護に役立つ講座の開催。
・ 定年退職後に、これまでの経験を活かして地域に貢献できる場。
・ 趣味などを通して生きがいや人との交流を図れる場。

2) 高齢者の住まい方の充実を図ります。

住み慣れた地域で安心して住み続けられるように、ケアハウス、グループホームなど多様な住まいを地域に作り出すとともに、在宅生活をサポートする体制づくりを進めます。

3) 介護保険に基づくサービスを、利用者の視点に立ってつくりだすことで、制度の充実に寄与します。

4) 介護保険適用外の福祉サービスの充実をはかります。
健康な身体づくりに寄与する、質の良い食事を提供する食事サービス、いきがいづくり、社会参加を支える移動サービス、ボランティアによる地域でのたすけあい活動など、介護保険ではカバーできないサービスを市民参加型でつくり出していきます。
V.障がい者福祉を充実させる
1)サービス内容の決定のための体制作りを進めます。
平成15年から支援費制度が導入されましたが、実際にはサービスの内容を行政が決める、ケアマネージャー制度も位置づけられていないなど、措置の時代の名残を引きずっている状況があります。ケアマネジメントを必要とする人には選べるような体制づくりを進めます。

2)障がいがある人も無い人も、地域で共に学ぶことを推進します。
現在障害児教育は分離教育が主流ですが、その事によって地域での育ちが閉ざされている状況にあります。「共に学ぶ」ことを都民のコンセンサスにし、教育の場の選択を保障するとともに、それを支える基盤整備を進めます。「特別支援教育」については、検証を行った上で成果を多くの自治体に広げるよう提案します。

3)啓発活動に取り組みます。
障がいを持つ人も、持たない人も共に地域で暮らしていくためには、社会の認識を変えていく必要があります。そのために、一般市民、企業・学校・施設職員などを対象に「共生」の考え方を広げていくための機会をつくる活動に取り組みます。また、運動グループの実践を活かし、学校教育における啓発のためのプログラムをつくり、導入を提案していきます。

4) 障がい者が地域でくらし、働くことを推進します。
障がい者も地域で働ける環境整備と都民のコンセンサスづくりを進めます。障がい者の就労を支えていくためには、業務委託を積極的に行うなどの行政支援が必要です。既存の制度に止まらない新たな実践を地域に展開しながら、積極的な行政委託を受け、行政の支援のあり方としても先駆的なモデルとして展開していきます。

5) 虐待・人権侵害を防ぐ活動を進めます。

障がい者施設での虐待や、人権侵害を未然に防ぐ対策として、職員への教育や本人への啓発を定期的に行うとともに、身近に相談できる窓口の設置、人権侵害があったあとに権利を回復できるための制度づくりを進めます。
W.地域での子育ち・子育てを支援する
1) 地域の子育てネットワークの充実をはかります。
運動グループの各団体の活動をはじめとして、地域には、子育て広場、子どもの預かり、保育室の運営など、子育てを支える様々な活動が展開されています。それぞれの活動の連携のなかで、トータルな支援をしていけるよう、ネットワークの充実をはかっていきます。

2) 市民参画により多様な保育サービスを充実させていきます。
働く親への支援としてだけでなく、家庭で子育てする親への支援としても、保育サービスは重要度を増し、地域のニーズに合った、柔軟な対応が求められています。保育所の民間委託も進むなか、保育の質を確保していくうえでも、営利を目的としない、地域で子育てを支えるという視点に立った市民参画による保育サービスの存在が重要になってきます。地域に根ざしたさまざまな保育サービスを市民参画でつくることを推進します。

3) 子どもの権利を守る
・「子どもの権利条例」を市民参画で東京都に制定する。
・子ども自身が自分の権利を大切にしていけるよう、年代に応じた権利教育を進めます。
・子どもの駆け込み場所の設置など、虐待を受けた子どもの救済のしくみづくりに取り組みます。
・電話相談、スクールカウンセラーなど子ども自身がアクセスできる専門家による多用な相談機能をつくる活動を進めます。

4) 子どもの居場所づくりを進めます。
冒険遊び場、中高生だけでも利用できる施設(児童館、学校の体育館)など、当事者の参加による子どもの居場所づくりを進め、運営に参加していきます。

5) 親への支援を進めます。
虐待問題を根本的に解決していくためには、親の生活不安を軽減し、親自身が自信をもって子育てを楽しめるように支えていくことが重要です。そのために、以下のことに取り組みます。
・ 親自身がリフレッシュするための保育事業。
・ ひとり親への就労支援ともなる働く場の創出。
・ 虐待もふくめて、親を精神面でもサポートできる相談機能づくり。
・ 子育ちをサポートするために異世代交流や赤ちゃんとの触れ合いを通した学習。


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