障害のある人もない人も共に働くカフェ
報告 木下美幸 (NPO法人市民シンクタンクひと・まち社)
「今があるのは普通学級でのふつうの生活の土台があったからです。息子が障害(ダウン症)を抱えていたのでシビアな経験もしましたが、ふつうが一番いい、ずっとふつうの中でやっていることが大切です」とコミュニティカフェ ひなたぼっこで穏やかな笑顔で語るのは、ちばMDエコネット代表の 山田晴子さん(写真右)。障害のある子も普通学級で学ぶための活動を20年位前から始め、息子のあきらさんも公立高校を卒業し、ひなたぼっこで働くひとりです。
知的障害のある子どもたちが学校を卒業したあとの社会参加の道は、なかなか見つからない。仲間で模索しているときに、住民・行政・企業が 協力し、地域の環境の再生創造していく「グランドワーク」に出会い1997年に、ちばMDエコネットを設立。知的障害の若者たちと地域住民と共に駅や公園清掃を始めました。1998年には、馬込児童遊園の月2回の清掃を船橋市から受託、1999年からは農園づくりや*映画制作・上映会へと知的障害の若者たちと共に活動がひろがっていきました。
その後、農園に続くもうひとつの場として、「障害のある人もない人も共に働くカフェ」を企画し、2002年度千葉県NPO提案募集事業に選ばれ、2002年9月に県の委託事業として、コミュニティカフェ<ひなたぼっこ>を船橋市御殿通り商店街の一角にオープンしました。
2003年4月からは 自主運営です。無農薬のラズベリーやブルーベリーなど農園でとれた作物をカフェで活かし、ボランティアスタッフがタイなどで仕入れてくる雑貨の販売も行い、地域住民の交流の場、市民活動の拠点となっています。開店準備の料理を手伝ったことがきっかけで参加したという若者たちの第二の母と慕われる椛田さんのつくる美味しいドライカレー、友幸農園のさつまいものスイートポテト(写真)などをおおきな木のテーブルに運んでくれたのが山本江美さん。江美さんのお姉さんの山本よし美さんは事務局長で、商店街活性化のためのイベントや情報誌づくりにも取り組んでいます。ひなたぼっこの2階は、NPOの協働事務所になっているために、市民活動のネットワークも拡がっています。
2004年からは、企画の初めの段階から参画の醍醐味を味わえたという千葉県とNPOとの協働事業の「次世代育成支援を展望するノーマライゼーション相談事業」を運営しています。障害のある子を持つ家族が経験を活かし相談員となり、専門家の協力も得て研修や事例検討を重ね、障害児・者、家族、一般県民を対象に無料相談を行っています。お茶を飲みながらのくつろいだ雰囲気の中での相談は好評です。協働事業費の約半分は自前で出すなど自律度を保っているとのこと。障害児教育に関しては千葉県と意見を異にするところもありましたが、ノーマライゼーションという大きな目的を共有し、セミナーやフォーラムの実施にあたっては、NPO活動推進課、健康福祉政策課、障害福祉課、雇用労働課、教育庁指導など担当課と企画の段階から意見交換や広報での協力を得ることができ、また県行政にとっても関係各課の横断的な連携や障害者やNPO活動への理解が深まるなどの効果もありました。 
●感想 知的障害のある人が、地域で共に学び、共に働くということで、障害のない人や行政、企業も、誰もが自分らしく地域で生きることの大切さに気づいていく。障害のある人も、障害があっても、行政サービスやボランティアにいつも手助けを受けるだけではなく、カフェやグランドワークなどで働くことで人に出会い成長していく。それが本人の自信になり、まわりのみんなの元気や勇気にもなっている。そのことがそこで働く皆さんのお話、笑顔やお店の空気からも感じられ、陽だまりの縁側で、ひなたぼっこしているようなひとときを私も過ごしました。
ふつうに暮らす、共に生きる、協働のあり方など、たくさんの示唆を頂きましたので、これからの活動に活かしていきたいと思います。 写真(ひなたぼっこの皆さんと参加メンバー)
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●映画「ひなたぼっこ」は、知的障害があっても生まれ育った町でふつうに暮らしていきたいと願い公立高校に進学した若者たちの学校生活や農園づくりなどの日常をつづった一年半のドキュメンタリー。ビデオも販売されています。
●コミュニュティカフェ(ひなたぼっこ)船橋市本町4-31-23 Tel・Fax047-426-8825
URL http://www.mdeconet-cit.org/
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