大阪のパン屋さん「ぽっぽ」
前列中央が代表の森本さん
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手づくり無添加パン ポッポ訪問
関西共同連の視察の3日目、宿泊地の京都を後に、京阪電鉄JR大阪環状線を乗り継ぎ大阪市西成区長橋に、手づくり無添加パンの店ポッポを訪ねました。今宮駅では、共同連の山野久恵さんが私たち一行を出迎えてくださいました。駅から歩いて10分足らずのところに、手づくり無添加パン
ポッポの工場と共同連大阪事務所がありました。1階がパン工房、2階がポッポの事務所と共同連大阪の事務所が同居しています。 2階にある事務所で、ポッポの代表を務める森本秀治さんにお話を伺いました。
ポッポの成り立ちは、20年前の1985年に遡ります。森本さんは四肢に障がいをおもちですが、ポッポ設立前は印刷関係の仕事をされていました。障がい者と健常者が共に生きることを目指し、「生活できる給料の出る仕事をしたい。」と、健常者人と一緒にポッポを立ち上げました。無添加パンの製造販売を実践していた名古屋にある「わっぱの会」で2週間の見習い修行を行い、当時はまだ珍しかった「無添加のパン屋」をうたい文句に事業を立ち上げました。
立ち上げ当初は、1人だった障がい者が5人に増え、健常者との割合が半々の10人前後で製パン、販売の業務を行っています。1ヶ月の事業高は約200万円。91年からは大阪市より作業所の助成も受け、現在の助成額は年間630万円となっています。設立当初からの共同購入会との取引から、地域の生活協同組合へと事業展開も広がり、学童保育のおやつの提供なども含め地域に根付いた経営となっています。ポッポでは複数種をブレンドした国産小麦に、生イースト、天然酵母を用いて15種類の生地から30種類の製品を生み出しています。「試食に」とご馳走になったパンの種類も複数に及び、ふっくらとした食感、風味豊かな味わいに舌鼓を打ちました。
森本さんは自らハンドルを握り午前中に製造したパンの配達や営業に、知的障がいを持つメンバーとペアで出かけます。一日の走行距離は100kmにも及ぶとか。また、森本さんはパンの製造を選んだ理由を、パンは食べてしまえばおしまいで、また売れるからと言います。また、「楽してもうける。」ことにこそ、障がい者の仕事の可能性や必要性があるとして、その人のペースを大事に、出来ることを出来る人が行う「役割分担」を明確にしています。重度の知的障がいをもつ人も、時間を掛けて経験をつめばパンの焼き色を見る仕事もできるようになるわけで、その人の特性を生かした役割分担が重要と話されます。
障がい者と健常者が共に生き、働くことを考える時、地域に多種類の仕事場や、小規模な事業所をつくることが大事であること。また、障がい児をもった親たちが事業所を立ち上げる時には、子どもの行く場所と親の行く場所をそれぞれにつくることが大事であると仰います。それは、障がい児も親と別の時間を過ごすことが必要であること、また共に働く事業所には健常者の力が必要とされるからです。
森本さんの明るく大らかな話しぶりとバイタリティ溢れる行動力に感嘆し、私たちはポッポを後にしました。
特定非営利活動法人互楽会 共働事業所 ごらく菓子舗
団子と日本茶 ごらく訪問
ポッポの森本さん、共同連事務局の山野さんに別れを告げ、次の訪問先、特定非営利活動法人互楽会を訪ねました。互楽は、相互扶助の精神と(苦)楽しく!働こうをモットーに自主・自立・連帯をめざしています。互楽会が運営する手作りおかきの製造直売の共働事業所・ごらく菓子舗と、販売店・団子と日本茶のごらくを訪問し、互楽会代表の鎌田三枝子さんと、「団子と日本茶
ごらく」代表の中谷政夫さんにお話を伺いました。
平野区東2丁目の商店街の中ほどにある「団子と日本茶 ごらく」は、和風喫茶のお店で、甘味と共に軽食もいただける落ち着いたお店です。代表を務める中谷さんは、中途障がい者で車椅子を利用されています。店内は車椅子で行き来できるようゆったりとした空間で、段差のないフラットな床張りが特徴です。店内にはおかきの他に、和風の民芸小物なども多数陳列され来店者の目を引きます。共働田んぼ会も運営する互楽では、おからのコロッケのおにぎりランチがおすすめメニューで、近所に暮らすお年よりもお昼ご飯を楽しんでおり、地域の人々の「居場所」でもあるようです。
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団子の店「互楽」
中央が店長の中谷さん
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中谷さんは細やかな心配りで店内を見回し、知的障がいをもった会員の販売の清算や喫茶の注文、配膳などがスムーズに行えるよう的確にサポートします。また、厨房で立ち働く健常者との連携も円滑で、中谷さんの穏やかな物腰と気配りが店内に温かい雰囲気をもたらしているようです。
昼食を済ませ、鎌田さんの案内で、特定非営利活動法人互楽会
共働事業所 ごらく菓子舗に向かいました。介助派遣の互楽会の事務所と併設のおかきの製造は、高い天井の倉庫を改修した工房で行われています。おかきの製造工程には餅米の浸水、蒸す、搗く、固めて切る(3日)、乾燥(3日)、焼く、味付などがありますが、健常者1人に障がい者が5〜6人で運営しており、工場長の竹本さんを中心に受注数に合わせて製品づくりを行っているということです。私たちが訪問した時間帯には、知的障がいをもった方たちが出来上がった製品の袋詰めを行っていました。
代表の鎌田さんは、脳性まひの女性と2人で、95年に起業支援の融資を受けて事業を立ち上げました。生命の維持だけでなく、生活文化や人間性を培う上でも大切な農業を守ることに通じて、日本の風土と伝統の中で生まれ愛されてきた「かき餅」の製造を思い立ったということです。共同事業所や小規模作業所ではクッキーやパンづくりが一般的で和風のテイストは珍しかったこと、「かき餅」は作りおきが出来て、流通の面からの利便性も高いことから、埼玉県の鴻巣市の製菓会社の見学を経て事業のスタートを切りました。地域の生活協同組合が主な取引先となっていますが、販路の拡大が課題となっているということでした。工場の設備投資に多額の資金が必要ですが、作業所助成と雇用助成を活用して運営に当たっています。また、併設の介助派遣業務では、30人のヘルパーを擁し、14人の利用者にサービスの提供を行っています。
大阪障害者労働センター・マツサク リサイクルショップ訪問
互楽会から車で5分足らずの、平野区加美北8丁目のマツサク
リサイクルショップを訪ねました。昨年12月にオープンした工務店跡地の広い倉庫のような店舗には、所狭しと中古家具や生活雑貨が並んでいます。店内では健常者と障がい者が複数で商品の陳列や整備の業務を行っています。急な階段を上がった2階にある事務所で説明を受けました。2階の事務所スペースは、自然食品の在庫スペースも加え活用しています。4〜5人が事務に従事していました。
21年前にスタートした大阪障害者労働センター・マツサクは、障がい者も労働者として健常者と同様に働くことを目指して活動してきました。リサイクルショップの運営は、健常者は正職員3人とパートのスタッフ、障がい者は身体、知的の障がいをもった人で、精神の障がいをもった方は休業中だということでした。
リサイクル事業は、市民の提供品を中心に展開しており、毎週水曜日トラック2台で提供品の回収に回っています。集められた提供品は不用品の選別を行い、商品とならないものは不用品として資源ごみ、不燃ごみとして業者への販売を行っており、リサイクルショップの売上げと合わせて店舗の家賃26万円を賄っているそうです。また、自主製品として扱っている梅干は和歌山県産で、現地で草むしりや枝打ちを行い、紫蘇と塩だけでつくった手作りの梅干を製造販売しています。 近くにある旧事業所跡の別棟では、身体、知的、精神の障がいをもつ人たちのグループホームの運営も行っており、重度の知的障がいをもつ人の自立支援のサポートをしています。
JRの平野駅を中心に共同連の仲間として活動を共にしている3ヶ所の事業所を見学しましたが、ここでは障がい者と健常者の協働に向けた事業所相互の連携が見られました。
製造、販売の事業面、組織の運営を、資金の調達、運営に関わる人の確保、地域住民の理解協力などの課題を見据えながら、日々の業務に取り組む共同連の方たちの元気を目の当たりにして、その姿勢とガッツから学ぶものは多くありました。
東京という地域で、私たちのできることを、当事者として考えていく必要を痛感する貴重な機会となりました。
共同連(名古屋)視察報告
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