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2003/8/14

私はソロの時ナニを考えているのか?(9)


<私はソロの時何を考えていたのか(3)>

【2コーラス目(2:01-3:00)】

さて、何事もなかったかのように2コーラス目の解説だ。

2コーラス目冒頭の7小節半、タイムで言うと2:01-2:13位のフレーズは、もしかするとこのソロの中で私が後から聞き直して一番気に入っている部分かもしれない。半音下がってまた戻る3つの音をひとつの固まりとして、次は3度下がって、次はさっきの全音下に行って・・・ああ、まどろっこしい。しょうがないからまた譜面でも書くか(B♭表記)。

改めて説明。譜面を見ると、2小節目の頭から、3つの八分音符をひとつの単位としたパターンを上下させ、5回繰り返してフレーズにしているのがわかる。私がここのフレーズを気に入っている理由は、「いわゆるジャズの教則本などに出てくる『パターン』を極めて自然に使っている」ということにつきる。そこに至る1小節目からのつなぎ、このパターンの後の決着の付け方(4小節目)も大変自然であり、しかも、フレーズ全体として、個々の音のアーティキュレーションも含めてそれなりに唄っている。

このフレーズ(あるいはパターン)は私の中で自動化されているわけではない(フレーズ全体としてメモリーに入っていてこれだと思えば自動的に吹けるという意味)ので、その場の試行錯誤の中から自然に出てきた可能性が極めて高い。恐らく、2小節目の初めの3つの音を吹いたあたりで急に考えて、探り探り演奏してるんだと思う。アーティキュレーション的にも、そこら辺の自信のなさが出ているような気もする。但し、自動化されておらず、自信がなかったからこそひとつひとつの音を丁寧に吹いたのではないかとも思える。いままで使っていたCPUの比喩で言えば、これを吹いている間、CPUはこのフレーズを探って実現することににフル回転していたもといえる。

自動化されてはいなかったが、私がこのような機械的なパターンをこの演奏以前に教則本などで練習していた可能性は高い。そうじゃないとその場で思いついても急には吹けない。というわけで、教則本などに載っている機械的なパターンの練習というのは、試行錯誤で演奏を続けていく中で、@「こんなフレーズを前聞いたことが(あるいは吹いたことが)あって今使えそうだ」と思いつくため、A思いついた瞬間に実現する(実際に演奏する)ことができるようにしておくため、に必要であると後付けで考えられる。ここで採り上げたフレーズはそれが上手く実現できた例だ。このパターン練習の意味づけというのは、アドリブの練習論としてなかなか重要だと思う。ここらへんの視点についてはまた後で書きたい(何年後になることやら)。

その後2コーラス目はなんとなく進んでいく。なにかあるとすれば、音量、音数とも、1コーラス目に比べれば増加しているモノの、まだなんとなく控えめであるということだ。行き当たりばったりの試行錯誤的な部分と、自動化されたフレーズをちょっと遠慮がちに吹いている部分がちょっとづつ現れており、まだソロの序盤だと言うことをそれなりに意識しているようだ。そんななかで、2:38あたりで、急にテーマそのまま吹いたりしている。きっとネタが続かなくて試しに吹いてみましたくらいのことなんだろう。効果としては悪くはないかなとも思う。

【3コーラス目(2:58-3:56)】

あれ、1コーラスの時間が短くなってる。走ってるのかな(笑)。

さて、3コーラス目になって外部環境が変わった。と大げさなことを書いてしまったが、要は、ドラムが前のコーラスまではブラシと弱いリムショットを使ってビートを出していたのが、ちょっとしたフィルに導かれてライドシンバルを鳴らし始め、音量もちょっと上がったということだ。

ソリストは(少なくとも私は)以外とこういう変化をよく聞いていて、「よし、いくか」という気になったりするモノだ。多分この変化を感じてだと思うが、私は明らかにサックスの音量・音質を変えている。同時に、フレーズも16分音符のフレーズ主体になっている。ここら辺まで来ると、どの部分で手持ちのフレーズが使えるか、みたいなことが何となく把握できているというのもあるんだろう。

ドラムについてついでに。この演奏、よく聞いてみると、ソロの3コーラス目以降クラッシュシンバルを殆ど使っていない(今回聞き直して初めて気づいた)。基本的にライドシンバル一枚でビートとカラーを出して、あとは状況に応じてスネアでアクセント、といった感じ。次のコーラス以降では、ライドシンバルのカップ(中心)の部分を使った16分のパターンなどが出てきて、スピード感と色彩を加えている。ソロの後半だからとガシャガシャ安易に盛り上げるようなことをせず、極めて微妙なコントロールで緊張感ある音楽の流れを作っているという意味で、相当な聞き物だと個人的には思います。素晴らしいです。

さて、あとは勢いでやっているので殆ど書くこともないような気もするが、とりあえず無理はせず残りは(10)へ続くことにしてみよう。いつできることやら。

以前の文書はこちらから。


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