ひょうご福祉ネットワーク
2007年1月号ニュース
1月17日
ひょうご福祉ネットワーク事務局
〒650-0016 神戸市中央区橘通3−3−6
第2大橋ビル2F
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12年後にも、住宅を失う被災者たち
人間としての生活自立行政を今こそ私たちで
大橋 豊
13回忌をむかえる今年の年末年始は、私たちにとってもかつてなく目まぐるしい日々でした。
大震災で住宅を失った被災者が家賃が払えなくなり災害復興公営住宅からの強制退去が、今も続いているからです。
Aさん(53歳)は、12月29日にひょうご福祉ネットワークに相談にこられ、事務所で相談中ほとんどハンカチで涙をふき続けました。神戸市長代理弁護士から22日「住宅使用許可取消通告」を受け「滞納家賃6ヶ月分、214,700円を7日以内に持参納入しないと賃貸契約解除」されるからです。
葺合区の自宅は全壊、小学校に避難、西神仮設住宅に入居、青木市住と、神戸市内を一巡しました。父(89歳)は心不全・腎不全で入院中ですが、大学病院の入院料が3ヶ月分(48,600円、48,260円、36,380円)未納です。母は長い間入院し昨年1月82歳でなくなり、親切なお寺で見送ることができましたが、葬式代50万円はカード支払いでした。両親の看病をしながら働いても月収は12〜13万円。努力しましたが、分納誓約がまもれず11月分を12月15日に納入しましたが、1週間後の最終通告でした。
Bさん(58歳)は神戸市長から強制執行通知を受け、住宅明渡を近日中にされることになりました。すでに、神戸地裁は10月13日、家賃相当損害金369,287円(10ヶ月分)による建物明渡判決。
理由として「当事者間の争いがない」としています。大手運送、下請会社の運転手でしたが、4トントラックを443万円で買取、6%の金利をつけ月62,000円を償却費として天引き、早朝から働いても給料は16万円、滞納家賃として50,000円引かれ、昨年は月85,362円の振込でした。
Bさんがつまずいたのは、狭心症で市民病院に入院。6月20日障害3級に認定され、働けなくなったからです。
女手ひとつで、Bさんを育てたお母さんが77歳でなくなりましたが、災害援護資金250万円は償還。葬式代は150万円でした。とても残念なことは、相談にこられたのは12月25日の青木文化センターの巡回相談だったこと。国道2号線にある市住まで毎回ビラを配りきれなかったこともあります。
私は、9月17日の「やむを得ず被災者が家賃を滞納しても、本来家賃へと大幅に上げず減免措置を続けてください」。12月13日「被災者一人ひとりの生活自立をめざし、福祉行政の拡充を求める」請願を神戸市議会に提出しましたが、「公平性」に欠くとして大差で不採択になりました。
被災したすべての人が明るく暮らせる世の中に
阪神・淡路大震災の犠牲者への13回忌市民追悼式
行政が認めた死者だけでも6433人。すべての犠牲者は1万人を超えるものと思われます。ビルや高速道路は復興・建設はできますが、人の命は創ることができません。
県・市が追悼式をとりやめて7年間。被災者が、行政から一円の援助も受けず、市民のあたたかい支援で追悼式を続けてきました。
13回忌市民追悼式が1月17日、三宮・勤労会館で開かれ、200人が参列しました。
神戸に下宿していた娘を震災で亡くした丹波市の広瀬百合子さんが遺族の詞(ことば)をのべられました。「悲しみを忘れることも消しさることもできません。被災されたすべての人たちが明るく暮らせる世の中になることを願っています」と。
被災地支援など、とりわけこれまでの追悼式にご尽力下さったNPO法人理事長で立本寺(山梨県)住職の石原顕正さんら僧侶13人が聲明(しょうみょう)の声を響かせ、程農化さんの二胡のしらべを重ね、心をこめてすべての犠牲者に捧げ、参列者がつぎつぎと献花しました。
第128回巡回相談
年末に災害復興公営住宅からの強制退去
12/23 青木文化センター
06年最後の128回目の巡回相談を12月23日、青木文化センターで行いました。
会場の準備が終わるのを待って、暮れも押し迫っての市住からの強制退去という相談等、ビラを持っての相談会でした。この相談会に来られなかった被災者が28日「住宅使用許可取消通告」を受け事務所に相談(詳しくは別項「12年後にも住宅を失う被災者たち」を参照下さい)。
相談には、弁護士1名、税理士1名、看護師1名、ケースワーカー2名、生健会2名、事務局3名があたりました。
正午は豚汁とホッカホカのご飯が女性3名、男性4名のボランティアで準備され、おいしく頂き身も心も暖まりました。
相談会案内ビラを12月20日に10名のご協力で2800枚を配布しました。ありがとうございました。
障害者控除もれで申請、市住家賃6800円の減免
年金・老年控除の縮小・廃止で「住民税、国保料、市住家賃が高くなった」何とかならないかが、12月23日の街頭宣伝中の相談でした。
訪問して事情をお聞きしました。長田区二葉町で持家が全壊し西神第7仮設、現在名谷。夫(79歳)は震災で腰椎骨折し、06年2月に障害1級の手帳の交付。現在脳梗塞で北区の病院に入院中、73歳の女性からの相談でした。
治療費負担と税負担が高くなって市県民税が払えないと区役所に相談したが、市民税の「分納」だけ認められた、とのことでした。
障害者手帳の交付が06年2月であることから、所得税・地方税・国保料は07年からの税算定時から障害者控除として適用になるが、市住家賃の減免申請は可能であることを話しましたが、主人の見舞い、暮れの用事等で手続きがとれず、ようやく1月4日申請に同行し30,600円が23,800円に6,800円の減免(2月から)させることができました。それにしても、区役所に市民税のことで相談時に役所の人が家賃の減免のことを教えていれば、もっと早い時期からの減免が受けられたのに、と憤慨の一件でした。
カンパとお米をいただいた方(敬称略)
○福田 董(神戸市) ○竹田 武弘(姫路市)
○山瀬久仁子(神戸市) ○長田久仁子(川西市)
○稲波 悦子(神戸市)
カンパのお振り込みは
ひょうご福祉ネットワーク郵便局口座
00990−5−137655
振り込み用紙で
第129回巡回相談は1/27(土)午前10時から
ベルデ名谷
ビラ配布1月24日(水)です。
午前 10時 地下鉄名谷駅集合(雨天決行)
〈相談概要〉12月23日 青木文化センター 10:00から
★(70歳女性 2人世帯)市住
生保受給中。31歳の息子、アルコール依存症。本人名儀の災害援護資金40万円の支払いについて相談。→支払いの領収書を持参すれば、同金額を福祉事務所が支給してくれる。息子名儀の災害援護資金20万円が残。息子は破産免責を受けているが、その中に入れていなかったので、返済を迫られている。裁判所の破産免責の書類を持参して説明するよう助言。
★(58歳男性 単身)市住
家賃6ヶ月分、214,700円未払いで12月15日強制執行決定通知書。運送会社で働き、4トントラック443万円を月6.2万円で償還していた。6月20日狭心症で入院。5月退職。借金はチャラになった。経費は本人負担(高速代・ガソリン代)で月収は16万円位。障害1種3級。災害援護資金250万円は全額返済。女手ひとつで育ててくれた母(77歳)を失い、葬儀費150万円。→28日、4日に市住宅管理センターに交渉。1月25日までに立退き延長。その間に民間アパートを探し転居予定だったが、亡母の兄弟から69万円を受領。生保申請に同行予定。
★(70歳代女性)
娘が2年前に行方不明。突然区役所から連絡があって所在判明。その時結婚すると入籍。娘は知的障害者で療育手帳A。夫は精神障害者。生活は娘の年金のみなのでカードをいっぱい使い、負債100万円位。→今後ともアフターケアをする旨約束。
★(71歳男性)
二男(大阪在住)が4年前に離婚。別れた妻は子ども2人と堺市に居住。毎月養育料6万円を送金している。別れた妻は1月に再婚の予定。養育料とも支払うべきか。→親子関係は不変なので養育料は支払うべき。
★(35歳男性)
11月22日、24日(月給約1万円)働いたが未払い。112月20日銀行に振り込むと約束していたが、今日になっても未払い。12月22日確認したが調べると返事してきたが未だ連絡なし。→弁護士より助言。
★(73歳女性)持家(東灘区)
監視カメラのついている場所で要注意人物扱いされる。誰かが尾行している。警備会社等に自分の情報が提出されている。→やや被害妄想的な言動の持主で話をききおく。
★(81歳男性 単身)
‘06年8月にアスベスト被害の件で相談にのる。娘2人に遺産相続させたい。→弁護士に相談(遺言書の作成等)。
★(女性 2人世帯)県住
26万円年金。夫(87歳)は特養ホームに入所中(要介護度2)。税金等、高く困っている。→確定申告等、手続き予定。
阪神・淡路大震災12年メモリアル集会から
大震災12年メモリアル集会「被災地のいまを語り、そして前進へ」が13回忌追悼式に引きつづき午後から、震災救援・復興兵庫県民会議の主催・全国災対連後援で250人が参加して開かれました。
各地の被災地からつぎの報告がありました。三宅島、大山噴火による避難からまだ1000人が帰島していない現状(帰島者は約3000人)、04年10月の淡路島における大水害被害で、再建された住宅や商店の具体的数値を行政が把握していない。
中越大震災から2年たつが、半数以上の住民が帰れない集落があり、多くの棚田が復旧していない現状。
ひょうご福祉ネットワークから、生活相談活動を通して、政府の各種税制改悪などで被災者がいっそう困窮している実態が報告されました。
兵庫県内の災害復興公営住宅での孤独死
(通算462人、男性303人、女性159人)(兵庫県警調べ)
あとがき
昨年の秋、ロンドンに出かけたとき、初乗りの地下鉄料金が3ポンド。(1ポンド=約232円)に驚きました。
「生活と健康を守る新聞」で、イギリス公的扶助制度の受給者と保護率(2003年)をみると総世帯2440万のうち約603万世帯(世帯保護率24.7%)を保障しているのです。
さすが「ゆりかごから墓場」までの国です。それにしてもお粗末な我が国に思いを馳せました。