僕の障害と生活について


(1)障害の状態
 脊髄の神経は、いったん損傷すると再生しないため、現在の医療では麻痺は一生残ることになります。僕の場合は、頸髄を完全に損傷しているので、損傷箇所から下に伸びている神経は麻痺しているため、手の一部と胸から下は感覚も無く動かすこともできません。指は動かすことができませんが、手首を曲げることで軽くはさむような動作はできます。普段は手動の車いすで生活していますが、手の力が弱いため段差や急なスロープは登れません。
 医学的には、膀胱や直腸の障害があります。尿や便がたまった感覚が無く、自分の力で排尿・排便することもできないのです。そのため、排尿は膀胱にある程度尿がたまった頃を見計らって、導尿といってカテーテルと呼ばれる管を尿道口から膀胱まで差し込んで、管を通して尿を外に出します。尿がたまり過ぎると尿漏れを起こしたり、また、外からカテーテルという異物を入れるため、膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症を起こしやすいです。排便は、下剤を服用し浣腸や座薬で刺激をして便が出てくるのを待ちます。時間がかかり、時には全く便が出ないということもあります。失便といって、予期しないときに急に便が出て、処理をしなければならないこともあります。
 僕の場合は、排尿は2〜3時間ごとに自分で導尿をしていますが、導尿後使ったカテーテルを洗浄・消毒するのに10分ほど時間がかかるため、休み時間だけでは時間が足りず、授業が続いたりするとたまに漏れることがあります。排便は週に2回、夜に2時間から4時間かけて、自分で行っています。今のところ、幸いにもほとんど失便が無いので助かっています。

(2)日常生活動作
 一日の日常生活ですが、大体のことは介助なしで一人で行っています。
 朝起きてから、更衣・ベッドから車いすへの移動・洗面・食事、そして、パソコンの操作・読書・テレビ鑑賞、夜になって入浴(シャワー浴)・ベッドへの移動・睡眠とほとんど一人で可能です。しかし、高いところにある物や落ちてしまった物を取ってもらったり、身の回りに使いやすいように準備してもらったり、食事の準備などはしてもらわないとできません。
 自動車に関しては、車いすと自動車との移動(時間はかかりますが)、運転は一人できるので、通勤の手段としても使っていました。

(3)車いす生活で必要な職場環境
 駐車場から職員室・教室まで段差のない平坦なフロアーが必要です。段差があっても緩やかなスロープがつけてあれば、一人で上がることが可能です。
 一階だけで行動できることが理想ですが、二階以上に上がる時は、エレベーターが必要になってきます。
 また、車いす用トイレや駐車場、さらに雨用に駐車場から建物までの屋根も必要になります。

(4)授業における必要な設備
 パソコンのプレゼンテーションソフトで板書事項をあらかじめ入力し、それをプロジェクターを使って大型スクリーンに投影して、授業を行ってきました。最近では、ペン入力のできるモニター付きのタブレットも使い、生徒の発言等も生かせるようにしています。

(5)通院・加療について
 定期的(月に一度程度)に、整形外科や泌尿器科に通院し、体の具合や尿について調べてもらったり、導尿に必要なカテーテル・消毒液・浣腸液・薬などを出してもらっています。