「JWTCと共に歩んで」

 
 
 1994年4月13日、JWTC主催による「開講記念特別講演会」がアメリカからクレランス・バス博士をお招きしてお茶の水クリスチャンセンターで開催された。私は中澤啓介先生とは同じ団体に属する仲間でもあり、テーマに対する興味に加え、中澤先生を支援したい思いで出席した。

 エホバの組織から脱会された双子の姉妹である田中愛子姉と木下恵子姉の証詞もそこでなされたが、元エホバの証人の証言を初めて聞くことで、これまで知らなかった世界を知らされ、深い興味を覚えながら耳を傾けたことが昨日のように想い出される。

 当時はエホバの証人に対する認識は一般にも深くはなく、例えば私たちも、エホバの証人の来訪を受けたときに拒否的に臨むのか受容的に臨むのかというような点におけるコンセンサスもなく、中途半端に逡巡しているような状況にあった。

 しかし、中澤先生はそのような状況下で「エホバの証人を敵視するのでなく、愛し抜いていく」という姿勢を打ち出しながらJWTCを始めていかれたのであった。

 私自身はそのような姿勢に親近感を覚えつつ、最初の一年間は直接に受講させていただいが、時間の捻出が難しくテープ受講に切り換えて今日に至るまで一回も休みなく聴き続けてきた次第である。

 JWTCとの関わりから生まれた様々な体験を挙げれば次のごとくである。エホバの証人長老夫妻との一年半に渡る研究、奉仕の僕との半年に渡る研究、「エホバの証人研究コーナー」というホームページを設けたら、それを通してこれまでおよそ100人以上の方々の相談を受けたこと、JEA神学委員として「聖書は輸血を禁じていない」というパンフレットを共同作業で出したこと、市川市内の立正校正会からエホバの証人について話して欲しいと頼まれて講演したことなどであろうか。

 しかし、忘れがたいことは、奥様がエホバの証人研究生であり、そのために離婚の危機に瀕していたA家をその危機から救出できたことである。それはJWTCや救出カウンセラーである知識富夫先生の助けなくしてはあり得ないことであった。私はこのことを果たし得ただけでも、自分の人生の意味と価値があったのではないかとさえ思っているほどである。現在、Aご夫妻は市川北教会でよき信仰生活を送られ、二人のお子さんは教会学校に来ておられる。

 それにしても、JWTCと共に歩んだこの10年を思い返せば感無量である。中澤先生は私のかけがえのない友人であるが、先生は私にとっては兄のような存在でもあり、JWTCの講義を聴いたりすることでもどれだけ深く教えられ、人生を更に豊かに生きることができるようにさせていただいたことか、そのことへの感謝の思いは深い。ここにあらためて心からの謝意を表させていただきたいと思う。

 JWTCの歩みが今後どのように展開していくのか予測することは難しいであろう。この日本においてそれが必要であれば神が力強く支えてくださるであろう、その使命を終えるときが来たならば神がふさわしく幕を閉じてくださるに違いない。その時までは引き続きおつき合いさせていただくつもりである。



市川北教会牧師 藤原導夫






          
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