ビジネスモデル概要:『大量生産モデル』 02/06/01 BACK
「大量生産モデル」も立派なビジネスモデルです。これは一時の大スターでした。日本ではこの環境が強かった為に、事業運営を見誤った気がします。
■ 大量生産モデルとは
@製品を大量に作るという前提で、コストを下げ、価格を下げ、たくさんの人に供給しようという考えである。
Aコストは量に依存する要因が大きい。まとめて買えば購入品コストは下がる。設備を大量に確保して稼働させれば生産性は上がり、製造コストは安くなる。
Bモノを普及することが社会的使命であった時代には、このモデルは必須であった。
C量を背景にコストを切りつめれば市場に受け入れられると、誤解をされる弊害がある。
■ 大量生産と時代背景
@20世紀は大衆の時代が始めて来た世紀である。それ以前は王侯・貴族だけが優雅な生活をでき、腕利き職人の作ったものを楽しんでいた。
A20世紀前半には特に「大量生産モデル」は重要であった。これによって大衆文化が花開いた。
B21世紀は全世界の人が全てモノに溢れている訳ではない。また、モノが必要としている社会は多い。
C先進国はモノに溢れている。しかし、必需品(趣味に関係なく必要なもの)と嗜好品(自分の趣味にあったもの)で分けると、必需品は低価格で提供したいと皆考えている。
■ 今後生きる大量生産モデルとは
@モノにかける価格は2極分化している。必需品は安く提供したいと考えている。その為には、グローバル競争の中で生き残った少数企業だけが大量に作り、安く提供すればよい。
A必需品も国毎の嗜好が異なるものは、少なくても商品開発はドメスティックである。生産は別々のアイテムとして最適なグローバル地域で作り、安く提供することが必須である。
BPC等の情報機器は、世界中の仕様が統一されればさらに大量生産により、安く提供できることになる。
Cグローバルの中で大量に作るもの、ドメスティックで行う商品企画、ドメスティックに合わせた商品カスタマイズ、ドメスティックに対応する迅速供給、個客に対応すること。これらは事業のおかれた環境で、明確な意志を持って設定しなければならない。
大量生産モデルは決してなくなる訳じゃありません。それどころか、我々の周囲にあるモノを大量生産方式で安く欲しいという欲求はますます強くなります。しかし、如何にして個と集約を使い分けるかという命題を与えているのです。
入江 淳一(IDC)