SCMの概要『SCMと物流・保管費分析』        01/07/28    BACK

厳しい価格競争にさらされているメーカにとって、あらゆる手段を使ってコスト削減を実現することは至上命題です。製造コストはもちろん経費もその例外ではありません。製造コストは原価計算により、多品種を生産しているメーカであれば、当然個別機器毎に算出されています。

一方、経費は全社的には算出しても、個別機器毎にはあまり算出されていませんでした。これは営業活動を機種毎に区分するのは困難であることや、スタッフ部門等間接部門の経費は機種別には把握できないこと、経費のウェイトは相対的に製造コストより小さくわざわざ区分する必要がない、といった理由によるものでした。

厳しい競争に勝ち抜くためには、儲かる製品に注力し、儲からない製品からは速やかに撤退しなければなりません。このためには、機種毎にコストと経費を把握してトータルの損益を算出する必要があり、同様に、営業部門別、地域別、販売ルート別といった損益の把握も必要になります。このため経費も機種別や部門別に算出する必要があります。

経費には当然物流・保管費も含まれますが、この把握が結構難しいのです。部材の購入や支給、工場内・工場間の移動、倉庫へのまた倉庫間の移動、顧客までの輸送、過剰在庫や修理品の戻入・返品・再送等サプライチェーンのあらゆるところで物流・保管費は発生していますが、経費項目として把握しているのは少なく、様々な名目の他の経費に埋もれていることが多いのです。ましてグローバルに事業を推進している場合は為替変動もあり、物流・保管に関わる経費を全て正確に把握することは並大抵のことではありません。全体の把握すら困難なのですから、機種別、部門別把握が困難なのは言うまでもありません。

今後は、SCMの観点から、メーカとしてこれら費用の全社レベルおよびそれを細分化した機種レベル、部門レベルの正確な把握とその効率化を図る動きが現実のものとなってきます。物流業者との連携によるWin-Winの関係により、物流・保管経費の効率化を図り、競争力あるSCMを構築することが強く要求される時代になってきていると思います。

                                古田中 孝一