SCM概要:『俯瞰して見る』           04/06/20           BACK


 物事の問題を同じ目線で見るのではなく、必要に応じて高い目線から全貌を見ることも重要です。これを「俯瞰して見る」と言います。


■ 「俯瞰して見る」とは

@全ての会社には問題点があります。超一流の会社でも問題点に溢れています。高水準の会社ほど要求水準が高いために、問題が多いのが普通です。その問題に対して本質的解決することが重要です。

A問題には次のような分類があります。顧客から見た問題、顧客への対応の問題。競合他社との競争力に関する問題。パートナー企業との方針共有や業務連携の問題。経営方針と展開の問題、経営目標とのギャップに関する問題。そして会社内の部門間に関わる問題、及び部門内部での問題があります。

B問題は互いに関連し合っています。原因の問題があり、その結果生じる問題があります。そして、問題の重要性は同じではありません。その為、問題の全貌と重要性を俯瞰できれば、対応策は本質的解決策になって行きます。

C「部門内の問題」に対して考えた対応策を、部門間や経営との整合等もっと広い視点から見てどのような影響を及ぼすも、検討しなければなりません。その為には、もっと広い範囲から見た「部門のあり方」のイメージを持っていなくてはできません。

D業界やバリューチェーンの中での自社のあり方を想定し、自社が顧客・パートナーにどのような対応を図るべきか、それを実現するための企業のあり方、それを実現する各部門のあり方は、ということを俯瞰し、課題を設定することも重要です。

E全体像を俯瞰してみることで、そこの「あるべき姿」「全体最適」が見え、その結果広い視野から重要性が判断でき、現実的・即効的・地に足の着いた改善案策が取れるようになります。

F問題を詳細に見るときは特定の問題に深く入り込み、また時には高い視点から全体像をみる。現場の目線・業務ベテランの目線・管理者の目線・経営者の目線。この目線を自在にコントロールできることが「俯瞰する」目を持つことです。


■ 「俯瞰して見れる」ためには

経営・業務をや現状の問題点・あるべき姿を「俯瞰して」見たい。では、どうすれば「俯瞰」して見れるようになるのでしょうか。

@まずは、その対象の業務知識が必要です。資料を読んで、数値を見て、話を聞いて現場の風景が見えるような知識の獲得が蓄積がまず必要です。

Aそして、見える業務の範囲が広くなっていけば、次第に大きな視野が手に入ります。会社側が計画的ローテーションする目的はこれです。しかし、個人の努力で他部門や部門間へ視野を広げている人もいます。

B「あるべき姿」がどのようなものかという議論をすると、次第に全体像・本来像をイメージする力が上がります。これを関係者で協議して作り上げると、他の人の意見を聞き、他部門の事情も分かり、他人の発想を吸収することができ、そこから俯瞰して考える習慣が付いてきます。

C自分の眼力だけ俯瞰する事も重要ですが、ある程度手法に則って進めると習得が早いでしょう。その手法としてはTOC:思考プロセスが最も適していると思います。

D経営戦略を理解し、それを実現できる部門業務のあり方、部門間のあり方、パートナー企業とのあり方、顧客との関係のあり方、競争のあり方。これらがイメージできることが「あるべき姿」構想力になるのでしょう。俯瞰力=あるべき姿の構想力です。


「俯瞰してみる」。言うのは簡単ですが、実現できることは大変です。しかし、俯瞰して見れる実力を持つ人が多くいる、俯瞰してみる習慣を付ける人を多数養成することが、会社の競争力に結びつくと感じています。是非「俯瞰する力」を持ち、「提案するミドル」状態を作り上げて欲しいと思います。

                                                  入江 淳一(IDC)