SCMの概要:『運ばない物流』        01/06/15    BACK

  サプライチェーンマネジメントを実現する上で、物流は大変に重要な役割を果たします。物流には効率化が必要です。しかし、さらに重要なキーワードは、「運ばない物流」です。

    メーカーにとって物流が重要になった理由

@メーカーにとって、商品(製品)生産終了時から最終消費者(需要者)に届くまでは、全て物流業務が関係しています。

A製造コストは既にある程度絞られています。しかし、物流コストにはまだかなり絞る余地が残っています。しかし、実態は物流コストの定義さえ不明確な企業が多いです。

B売上高に占める物流コストの割合が高まっています。商品価格の低下で、この傾向が著しいです。こうなると物流コストにメスを入れて行かねばなりません。

C物流は、顧客と直接に接し、顧客からのマイナス情報を把握できやすい部署です。

D物流は、社内の最も下流部門であり、全社的な悪さを捕まえやすい部署です。


   「運ばない物流」とは

@結果として実需に結びつかない物流は、全て無駄な物流です。それならば、実需につながらない物流は辞めた方が良いです。所謂「運ばない物流」を目指すべきです。

A一端顧客へ販売した上での返品は大いなる物流の無駄です。往復の配送費、保管費、荷役費、物流事務費。全てが社会的効果を生みだしていません。

B見込みで生産し、流通業と共同して流通在庫を多く保持しておいて市場対応する。結果的に売れ残り、在庫ばかりが嵩んできます。この企業間で形成する見込み型制度は、物流上大きなムダです。

C今月の売上目標を達成する為に、一旦押し込み的に出荷する。その後、返品を受けたり、保管場所を転々とさせてごまかす。この物流費は全てムダです。

D物流は売れるものを、売れるだけ、売れる時に、売れる場所に、届けるのが使命です。しかし、この本来の役割をどれほどの企業が真剣に追求しているのでしょうか?

「運ばない物流」を念頭に置くと、ほとんどの物流行為が無駄と判断できます。しかし、この無駄を誰が認識しているでしょうか?この無駄は荷主側としては無駄でも、物流業者にとっては収益源となってきました。荷主側と物流業者側が共同して物流をスリムにし、「運ばない物流」を実現することができるでしょうか?SCMは、不要な物流をなくすことなのです。

入江淳一